複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.233 )
日時: 2016/09/16 19:35
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「銭は?」

「……出世払いで如何だろうか」

「銭は?」

「しゅ、出世払いで!」

「銭は?」

「……俺は元幕府関係者」

「銭は?」

火野と尾瀬ヶ原は戸惑う。

「それに刀はいずれ廃刀令が下される。今の内に刀を売ってもう一度此処へ来い」

「何を寝ぼけた事を。刀は重要だ」

すると、一人の女性が銭を出す。

「仏様の慈悲だ!」

「その格好は巫女さんか?」

「私は漆奈美旗うるしなみはた!お前のその素晴らしい髷に免じて今日はサービスするぞ!」

「巫女さんがこんな所来て良いんですか……」

「いやいや私はただの案内役だ!幕府公認は安心安全、違法な事は一切ない!私も線六等神社せんろくとうじんじゃの維持費の為に頑張ってだな!銭を稼いでいるんだ!」

「……とにかく苦しゅうない。ありがとう」

漆奈は尾瀬ヶ原の髪を見る。

「お前は駄目だ!タバコの匂いがするぞ!タバコを止めろ!ザンギリ頭をやめろ!出家しろ!!」

「俺っち、仏教徒じゃあないぞ!」

漆奈は仕事を放棄して尾瀬ヶ原を連れていく。

蓬莱延命呪詛呪像ほうらいえんめいじゅそじゅぞう様に直接説教させてやる!」

火野は手を振る。

「後で迎えに行くからな!」

「火野っち!」

火野は戯の元へ行く。

「……」

「お前が欲しいのはわっちの力かぇ.........? それとも体かぇ.........?」

「俺には上玉過ぎる。てか何食べたらそんなに胸でかくなんだよ……。俺の食事は小松菜とご飯、沢庵、味噌汁くらいだぞ?後、良くて魚だ」

「そんな世間話しに来たんかぇ.......?やるなら早く終わらせてくれんと後がつっかえるわ.....」

「此処らに妖怪が幕府関係者に悪戯をしているらしい。殺すまではいかないがこの吉原のイメージが悪くなる為追い出すつもりだ」

「それでわっちと何の関係があるんかぇ.....」

「その妖怪はこの店のイメージの狐の妖怪らしい。関連があるんじゃないかって思ってな」

「そんなんでわっちに会いに来たんなら心外だね....」

「……さっき、警官を一人妖術を使って半殺しにしたんだろ」

「.....」

「別に妖怪を悪だと決めつけはしない。しかし人間はまだ妖怪を知らない。その上で悪戯をされると妖怪の評価が変わってしまう」

「わっちは時代に翻弄される人間を見てきた.....そんな人間といつまでも変わらない妖怪とは交わってはいけない。妖怪を知る必要も無い.....」

「……失礼した」

「わっちの体を求めないんか.....?」

「タダでやるほど人間、腐って無いぞ。貴方も人間を知った方が良い」

火野は去る。

「知っとる。ずっと知っとる.....」

すると、少女が戯の元へ行く。

「....今の人」

「あれを人間の基準にしたら駄目だよ....時雨しぐれ

「どうして?あの人、いつものお客みたいに戯に酷い事しないよ?」

「.....」

火野は線六等神社せんろくとうじんじゃを探す。すると、瓦版かわらばんが騒ぎだす。

「南蛮には新聞と言う文化があるが、内はこれからも瓦版は止めねえぞ!寄ってらっしゃい、見てらっしゃい!謎の人斬り事件発生!身分構わず、警官殺し!忍者も殺し!」

「怖いな……。やっぱり他の地域も治安が悪いのか……」