複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.237 )
日時: 2016/09/19 17:48
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

バラバラさん、オリキャラ投稿ありがとうございます。

これからも応援宜しくお願いします。

此処からは、本編です。

火野は後日、戯の元へ行く。

「お前って休みは無いのか?」

「わっちの仕事は毎日、昼と夜の遅くまでしとる........出世前は夜のみじゃったが....幕府からの指示でわっちは昼も体を売らないといけなくなった......銭はたんまり入るが税によりほとんど持ってかれる。それで何の用かぇ?」

「……下駄が壊れてな。お前の能力で治せないか?報酬はほとんど尾瀬ヶ原にあげてるから下駄直す銭も無い」

すると、時雨が現れる。

「出来るよ!」

「時雨、お前は.....」

「出来る!後は火野の足も直せるから!」

「あ〜これは飛び降りる時に足を痛めたんだ。全く、情けないよ」

「お前、刀の腕はどうなのだ?」

「それなりの動きは出来るけど、そんな大げさな動きは出来ない……。忍者とかは出来るらしいんだけどな……。この書物によると忍者は手裏剣と言う特殊武器で戦うらしいし……」

「そんな書物等、何処かの素人が描いたに決まっとる。それより暇なら近くの歌舞伎座に行けば良い」

「……暇だから此処に来たって分かってたのか?」

「妖怪は人の心が読める。だがわっちは人間が嫌い。わっちはもう仕事....帰ってくれるかい?」

正座をしていた火野は刀を持ち去る。

「何かあったら俺達の所へ来い。勿論、銭はとるが、銭の繋がりなら信頼関係も貸し借りも生まれない」

火野は歌舞伎座へ行く。

「歌舞伎座に行く銭が無い……。神社に行くか。あそこならお賽銭一杯あるだろ……」

火野は蓬莱延命呪詛呪像に激怒される。

「だって人の法では人を裁く事は……」

「黙れ!賽銭をあげるバカが何処にいる!」

「……ちょ、ちょっと落語を聞きたいだけなんだよ。賽銭を借りるくらいはしてくれるだろ」

漆奈はホウキで火野を突く。

「まさかの悪人なんて……軽蔑するぞ!」

「冗談だよ、ただ銭を貸してほしいのは事実。下駄が壊れてさ。裸足は足が砂で痛いんだよ。たった三両程……」

「三文だろ!悪人!」

「冗談だよ、本気にするなよ。まあ悪人は本当だがね。俺は人斬り。仏にかなり怒られそうな事をしているんだ」

「悪人め!神聖なる仏の領地から立ち去れ!」

火野は立ち去ろうとした時、一人の少年が神社に迷いながら現れる。

「随分とこの国は暗くなったね」

「……」

少年は漆奈、蓬莱延命呪詛呪像、火野に話す。

「今、全国を震え上げている無差別殺人事件の犯人を追ってるんだけど....」

少年は紙を見せようとするが転んで漆奈の胸に突っ込む。

「なっ……」

「違うんだ!違うんだって!」

蓬莱延命呪詛呪像は叫ぶ。

「悪人が!!!!嫁入り前の漆奈の胸を揉み解すとは良い度胸しているな!そんなに死刑になりたいか!」

「蓬莱延命呪詛呪像。私情入り過ぎだぞ……」

「黙れ黙れ!死の裁きをその少年に与える!」

少年は迷う。

「僕が阻止するか。それとも逃げるか....」

「阻止って流石に無理だ……」

火野は少年と漆奈を連れて逃げる。

「俺はあの像を説得する。お前等は戯の所に逃げろ!」

「し、仕事でしか会った事無い!しかもあんなふしだらな所へふしだらな男と……!」

「本当は尾瀬ヶ原がいる俺の家に行かせたいが、お前等だけだと分からないだろ」

「……」

「それに戯はもう事情を知っているだろう。匿う為の銭は借金するとして……」

「……?」

一方、戯は花札を用意していた。

「火野はわっちを何だと思っておる.....銭の繋がりだけと言っておきながら......言葉に矛盾が多いの.....わっちは妖怪で遊女。信頼する者等おらんのに」

火野は呟く。

「金の繋がりだからこそ、何も思えないでいられるんだ。人斬りは寂しいな」

「何を言っておる変態!」

「……切り捨て御免」

「なぶり殺しにしてくれる!」

少年と漆奈は話し合う。

「名前は?」

「ハクマックル。じゃなくて僕は白(はく)!この国は来た時には明るかったけど今は暗いね」

「変態に何も言われたくない!」

ハクマックルの表情は曇る。すると、ハクマックルの刀から四体の人間らしき生物が現れる。

一体はアイヌの巫女服を着た女性で狐耳と尻尾が九本生えている。

「私の名はヌイ。炎の煙で雲のような存在を造る程の火を付けられる」

二体目と三体目は黄色のアイヌの民族衣装を着た双子の少年少女で各々、龍の角と尻尾が生えている

「ボクはライテム!寒いのは嫌いだよ!でも乾燥した天気は大好き!」

「あたしはライニ!夏が大好き!静電気も大好き!」

四体目は白い狼の毛皮を目深に被った男性でマタギの格好をしており手には太刀を握っておりお尻には尻尾が生えている

「オレはレタル。寒いのには慣れてる。んで、刀を扱いが得意だ。これで自己紹介はおしまいだな?それじゃ戻って良いか?」

「貴方も守護霊が……?」

「彼等は、妖刀【クトネシリカ】の憑き神」

「クトネシリカってアイヌ民族に伝わる英雄ポンヤウンペが振るっていた宝刀……。私神話とかの書物が好きなんだ!でもなんでこんな変態の手に」

「僕は変態じゃないよ」

「まあアイヌから来てわざわざ胸を揉むとは思えないし……」

すると、瓦版が大騒ぎしていた。

「……あの全国無差別事件がまた起こったよ。しかも場所は此処、江戸!じゃなかった、東京!寄ってらっしゃい見てらっしゃい!忍者討伐部隊と忍者、それに幕府御用達の用心棒に平民達が大量に殺された!さらに幕府から今すぐに避難しろって言う命令が出た!皆、逃げろ!」

平民達は大慌てする。

「.....エリクン」

一方、一人の女性が一人の男を匿う。

「あたしゃ榊(さかき)。お前さん、その刀……」

「俺はもっと強くなりたい........この世の誰よりも...........」

「……」

榊は男に向かって話す。

「そうかい……」