複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.244 )
- 日時: 2016/09/22 17:06
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
siyarudenさん、オリキャラ投稿ありがとうございます。
これからも応援宜しくお願いします。
此処からは本編です。
「その笠が合う国になってましてよ」
暁はパーヴェルに話す。黒姫は黒傘を向ける。
「しばらく曇天が続いてましたから、いずれ降るとは思っていましたが……まるで江戸が泣いているみたいですね」
「雨天決行だ。……俺は妖怪を狩る」
「私は忍者と陰陽師を捕縛し私の下僕にさせますわ!」
パーヴェルは笠編みをしながら運動をする。
「……今日はいい天気だ。笠が役に立つ」
一方、ハクマックルと火野は警視庁前に行く。
「まさか自害するなんて.....僕のせい?僕の.....」
「……いやエリクンが望んだ結末だ。しかし……これではあまりにも空虚だ」
火野は唐傘を刺しながら警視庁を見る。すると細多喜達、忍者討伐部隊が現れる。
「火野」
「細多喜!久しぶりだな!ちゃんと法の元で頑張ってるか?」
「貴様また人斬りをしたのか?」
「斬るのは悪人だけだし殺しては無い」
「悪人だと?お前が斬っているのは重要な幕府関係者だ」
「賄賂、強姦、脅迫、差別行為等等。今の幕府は堕落し過ぎてる。表面だけを世界に合わせても無駄だ。文明開化に国民が付いてこれる訳が無い。それに欧州に馬鹿にされるぞ」
「……時代はいつの時も変わる」
「しかしあまりに不自然だ」
「いつの時も同じだ」
「お前らしく無いな」
細多喜は去る。
「大丈夫?」
「ああ、それより神社に行こう。まだあれは終わって無いからな」
「.....」
蓬莱延命呪詛呪像と漆奈はハクマックルと火野と話す。
「貴様は必要悪か」
「そんな物では無い。それにハクマックルは紛れも無い善だ」
「そんな事は知っている」
「知ってるんか!」
「俺は善と悪を見る目はある。ハクマックルは善だ。だが善だからと言って漆奈のたわわな乳房を揉み解して良いとは思っておらん!」
「私は大丈夫だから!和解したから!」
「裁判官が許さない!」
「いや許して!私情挟み過ぎ!」
「……」
「とにかく今は幕府の意向を見ましょう」
「そうだな。幕府は世界に合わせようと過去の文化を捨てようとしている」
漆奈は頷く。
「そうだ!立派な髷を消そうとしてザンギリ頭って言う訳分からない髪形して!日本の誇りを失ったか!」
漆奈はホウキを振り回す。
「ホウキで暴れないで……!?」
火野は本題に入る。
「それでエリクンの暴挙により、警察組織、忍者、道場、陰陽師、妖怪、地方の幕府関係が壊滅。互いに復興期間を設けたが忍者、道場、陰陽師、妖怪の組織のみに攻撃している組織があるらしい」
「……幕府の回し者だな」
「俺はこんな時代を望んでいない」
漆奈は考える。
「でも……時代が変わる時はいつもこんな感じだろ?」
「だからって過去の文化を捨てて良い訳が無かろうが!もっと共存するべきじゃ……!」
火野はハクマックルと共に家に帰る。家には尾瀬ヶ原がいた。
「組織の正体は分かったか?」
「....この人は?」
「俺っちは尾瀬ヶ原!火野の親友じゃ!」
「そうだな。それで、幕府付近を洗ってどうだった?」
「千菊姫の件があったろ?」
「ああ、千菊姫を斬った奴か……」
「そいつを吉原で聞きこんだら、一人の男が浮かびおった。それがこいつじゃ。この紙は戯が書いた似顔絵だ」
「こいつの名前は?」
「パーヴェル・幅重。顔つきが南蛮じゃなくて欧州人だったから印象に残っている人が多かったぜ」
一方、パーヴェルは妖怪を狩っていた。
「俺は人間だ!人間だ!」
「お前を駆る、抵抗は無意味だ。妖怪はいてはいけない存在」
パーヴェルは懺愚刀・滅呪を抜刀する。傍にいた暁は悪寒を覚える。
「私が恐怖に包まれるとはさすがの名刀」
「しかし刀を見ても精神崩壊をしないのはさすがの暁だ」
妖怪を庇う男は叫ぶ。
「彼が何をしたんですか!妖怪で何が悪いんですか!」
「妖怪を庇うか。ならば懺悔しろ。しかし人間を斬るのは殺人に値する。だから、監禁をする」
「え?」
「囚われの籠」
男は鳥かごのような異空間に閉じ込められる。
「畜生!此処から出せ!」
「何時までも何処までも男はしつこいのね……ふふ、勝てるかしら?籠の中の鳥は私のものよ?」
「なめた事しやがって!江戸だったら慎ましく男の後ろで!」
「その女を差別する文化が嫌いなんですわよ!」
暁は男を斬りつける。
「大丈夫ですわ。この籠から出た時は傷は治っております。だから貴方をミンチにしようが、全身の骨を折ろうが問題ありませんよね?」
「止めろ!止めろって!やめて!」
「いいえ、私は絶対女王。さて頭蓋骨を直接砕く人体実験でもしますわね」
「こんなに育ちが良さそうなの……」
パーヴェルは妖怪を狩る。
「しかし何故この国は妖怪の存在を認めようとしないのか」
「妖怪が見える人間と見えない人間がいるからよ。さて、幕府関係者を操って我々の存在をもっと明確にしてあげないと」
黒姫は幕府関係者を操りだす。
「……こんな古い文化はいらない!私を捨てた文化は……!」