複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.247 )
- 日時: 2016/09/23 16:01
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
syarudenさん、オリキャラ投稿ありがとうございます。
これからも応援宜しくお願いします。
此処からは本編です。
幕府は少しずつ変わっていた。急速に変化する幕府の構造。外国に合わせた政策。そして黒姫達が幕府の実権を握っていた。
「……こんな世の中で良い訳が無い。縛りから解き放つ為に時代を変えたのにその時代が我々を欧州文化で縛ろうとしているのだ。こんな茶番が会って良い訳が無い」
「だからってわっちに言わなくても良いんじゃないかぇ......?」
火野は戯と時雨の元へ来ていた。
「このままでは妖怪、忍者、陰陽師等の文化が消える」
「今までも消えた文化はあるぞ?」
「ならば今回も消えても良いと?」
「そうは考えてはおらん」
時雨は構える。
「それじゃ一緒に幕府を潰すんだね!」
「その通り、勿論銭は……」
「わっちが銭で動くと思ったのかい?」
「……?」
「銭だけで動くと思っていたならわっちは何なんだろうかぇ?」
「え〜と……」
「お前にとってわっちはどう言う存在かぇ?」
「あ、火野!私はどんな存在なの!教えて!」
「金の繋がりだ。それ以上でもそれ以下でも無い」
「河上と尾瀬ヶ原は?」
「金で繋がっている親友だ」
「....お前らしいの。寂しくないか?わっちは妖怪で遊女。人斬りくらい受け入れるかぇ?」
「……金で繋がって無いと別れが寂しいんだよ」
「そうか...わっちにも愛し合った人間はいた........何度も一夜を共にした...........けど所詮、わっちは妖........交わっても傷つくだけ.........」
「ああ……」
火野はその場を後にする。
「.....わっち達では変えられない....」
「....それじゃ殺されるのを待つだけ?」
「逃げるのさ。誰にも見つからない所に」
「.....火野は?」
「わっち達と違って人間は刹那の時を生きる。逃げるよりは戦う事を選んだんだよ.....」
「.....」
外は大雨だった。河上と尾瀬ヶ原、ハクマックルと漆奈が駆け寄る。
「貴様反乱を考えているのか?」
「ああ。例え駄目でも俺の考えが幕府に伝われば良い」
天候は雷鳴が轟かせるほどの大雨。
「おい……!火野!」
「この雨が随分前から止まないんだよ。しまいには雷まで出てきてる。この雨が歓喜の雨か悲劇の雨かは分からない。でも俺はやる。幸せは笑ってるけど、自分から来ないで雨に撃たれて待ってるんだよ」
火野は雷雨の中自分の正義を見つめてる。そしてゆっくりと幸せに向かって歩く。目の前には暁とパーヴェル、黒姫がいた。
すると、火野の歩みを細多喜が止める。
「火野。行くのか?」
火野は笑う。
「今日は反乱日和だ。はっはっは。雷雨決行だな!」
火野は刀を持ち時代を変える為に走る。
その後の火野は誰も知らない。ただ、その後の時代は誰もが知っている。
妖怪は幻に。忍者、陰陽師も幻に。髪型の主流はザンギリ頭。
もう、時代の流れに疑問を持つ者は何処にもいなくなっていた。
本日は晴天。実にすがすがしい快晴です。
行決雨雷 完