複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.253 )
- 日時: 2016/09/24 18:40
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「此処にジャノックがいるのか」
住所に書かれた場所は明らかに廃墟工場だった。武藤と榊は外で待つ。安達は廃墟を歩く。
「……!」
「ぼくはひとをころしたい。ぼくはひとをころしたい。ぼくはひとをころしたい」
「駄目だ。お前は人の命を軽く見過ぎなんだよ!馬鹿!集団命令だからそんな事が出来るんだよ。人間はそんな甘かったのか?オラ!」
「ぼくひところす、とくいだよ!」
目の前には、ジャノックがいた。しかし完全に多重人格になっていた。
「ジャノックか?」
「ぼくはジャノック!きみはこばやしざいばつのひと?」
「俺もジャノックだ。てめえ……何者だ?ウジ虫か?」
「アンチ小林財閥だ。しかし、何で多重人格に?」
「ぼくはもともとひとり!でもねでもね!」
「まずお前が何者かを教えろ」
「俺は安達。小林財閥を潰す男だ」
「俺達がかつて、小林財閥専属の暗殺候補生だったと知って言ってるのか?」
「勿論」
「……お前等では勝てないぜ?」
「だから力を貸してほしい」
「金は?」
「ぼくはひとをころしたい!」
「俺は金よりお前の、いやお前達の意思が聞きたい。小林財閥をどう思っているのか。金はその後だ」
「上等だ」
「こばやしざいばつはぼくのすべてだった」
「あの……語るなら真面目な方でお願いします」
「俺が真面目だってよ!全く、お前を見てるとうぜえな?まあ良い。語ってやるよ。俺と小林財閥の素晴らしき関係をな。
俺は雲井等を殺し、大量殺人を犯した。んで、犯罪者に。まあ数年経って俺は死刑が執行する事になった」
回想。
「なめんじゃねーぞ!死ぬのなんか怖くないんだよ!クソが!」
「銃殺するぞ?」
「うるせーよ!」
「良い心構えだ。小林財閥もお喜びになるだろう。君にはサイボーグが一番良いね」
「は?」
ジャノックは肉体を改造され全身サイボーグにされる。
「……」
「この世界は殺人が許可されている世界だ。遠慮無く腕の鋏で殺せ」
「黙れ。俺は誰の指図は受けない!」
「素晴らしい」
現在に戻る。
「俺は居場所を見つけた気がした。別に居場所は会っても無くても変わらないが何処かで安堵していた。しかし木村って言う男に会ってから俺の人生が変わった」
「木村?」
「落ちこぼれ出身の木村にエリートの俺は負けたのだ。しかも殺さずにだ。俺はさらなる改造を目指した」
「改造を?」
「結果……」
「ぼくがうまれたよー!」
「後遺症として人格が一人増えた。それでも木村に勝ちたかった。だが、呆気なく負けたよ」
「……」
「そして俺は小林財閥の厄介扱い。こんな所で24時間、護衛をしている」
「それって明らかに窓際だよな?」
「素敵な関係だろ?」
「小林財閥は責任を取らなかったのか?」
「ぼくはひとをころしたい」
「……俺は今でも小林財閥に望まれていたいんだよ。ッチ、俺らしくねーな!」
「でもぼくはこばやしざいばつをつぶしたいんだ」
「……どっちがどっちなのか分からなくなったぞ?」
「……結局は金で俺は動くって訳」
「かね、ほしい!ゆうふく、なりたい!こんなところ、でたい!」
「成程、真面目な方が建前。阿呆な方が本音か」
「お前も改造には注意しろよ」
そして武藤と榊はジャノックとギャラ交渉をする。
「小林財閥を潰せれば安いか……」
「ぼくはひところせればいい!」
榊は驚く。
「小林財閥を潰す?」
「精神的に病んでいるんだろ。でも小林財閥本社から異動させたのは珍しいな」
「確かに!」
そしてジャノックは安達と望田の元へ行く。
「あ……」
望田と地獄門は驚く。
「別に俺は金で動くが、ちょっと私情を挟ませて貰う」
地獄門は逃げる。ジャノックは望田をボコボコに殴る。
「ひさびさなぐるよー!」
「殺すぞコラ!」
「余計に怖いっ!」
その後、望田は安達を呼ぶ。
「貴様をこれからお仕置きする」
「え?俺スポンサー、バイト、仲間一人を……」
「黙れ!後、賃金は家賃三十万円の為没収するぜ」
「三十万?アパートで?あり得ない!」
「黙れ!主人に口答えするなカス!奴隷!」
望田は安達を木に縛る。そして望田は火のついたマッチを上に投げ、木の枝を燃やす。
「何すんだよ!望田!」
「望田様、申し訳ございませんでした。私はこれからの人生を全て貴方に服従しますって言ったら解放してやるよ」
「……この野郎!」
「早く言えよ。この消火器でお前の頭殴るぞ?」
望田は安達を消火器で殴る。安達は気絶する。
「……チッ。まだ使えるから生かしてやるか」
安達は目覚める。
「うわっ!……」
「酷い夢を見たんだな。それは大変だったね!」
「……夢?」
「さあもう夜だ!早く、可愛い子を見つけてこい!」
「はい!」
ジャノックはニュースを見る。
「サイボーグって腹減らないんだな。あ、そうか。胃が機械になってるからか」
ニュースは速報を流す。
「速報です。数時間前、何者かが公園の木に放火をした疑いが……」
安達は名前の書かれた住所へ行こうとすると、鉄パイプを持ったチンピラ達にボコボコにされている中年を発見する。安達はチンピラを殴り、中年を救う。
「大丈夫ですか?」
「あっ!佐久間さん!」
「佐久間?誰ですか?」
「ああ、人違いでした……。私は草野啓作(くさの けいさく)。しかし貴方強いですね。もしかして裏世界で活躍されてるんですか?」
「草野って……。暗殺者の?」
安達は暗殺者リストを見て青文字で書かれた草野を見る。
「やはり同業者でしたか。私は元プロの暗殺者です。とはいえ、クビにされて小林財閥に不必要とされましたが」
「……小林財閥!?」
「どうしました?」
「俺は今、アンチ小林財閥と言う組織を立ち上げているんです。一緒に小林財閥を潰しましょう!」
「無理ですよ。私はもう一度息子の為に暗殺者になりたいんです。その為には小林財閥に入るしか道はありません」
「それで良いんですか!?」
「弱者が生き残る方法は強者にすがるのみです。例え強者が間違っていても強ければそれが正しくなるんですよ!」
「……それを息子の前で言えるんですか?」
「息子は今、養護施設にいます。私の代わりなんて一杯いますよ……」
「だとしても、親は貴方一人なんですよ!親がそんなんで息子が育つか!」
「……理想では何も育ちませんよ。現実を見て下さい」
草野はその場を去る。
「草野さん……。しかし初対面で怒鳴っちゃったよ……」
安達は悲しげに、住所の場所へ辿り着く。
「此処は……そろばん教室か?」
すると女性が現れる。
「滝です。名前の違和感は気にしない方向で。それでご用件は?」
「あの……暗殺者ですか?」
「あ、はい。暗殺者です」
「そうですか……」
「ええ、此処で話すのもなんですから教室で話しましょう」
「はい」
安達と滝は話し合う。
「それで、小林財閥を共に潰しましょうって事です」
「うん、興味無い!」
「無い?」
「収入源を求めてやっているから、あまりやらないね。そうそろばんを造りたいなって時に殺してるくらいかな」
「そうか……そうだよな」
「小林財閥も来たけど本職じゃないです。って言ったら帰ったし。まあそろばんだ!そろばんをやれば全て解決だ!」
「しないよ!」
滝は口笛を吹きながらそろばんを改造する。すると、そろばんはあからさまな爆弾になっていた。
「何でそろばんから爆弾が出来るの?」
「はい?何の事?これはそろばんだよ。でも失敗作だから直すけど」
滝は爆弾を改造して電池を創り上げる。
「これも失敗作です。こんな原子力まがいの電池はいりません。いるのはそろばんです」
「ええっ!原子力ほどの電池があれば、エネルギー問題全部解決しちゃうよ?」
「でも量産出来ないよ。私は別に国の為に貢献とか普通の私じゃ出来ません」
「普通?何処が……普通なんだ?」
「食物連鎖って知ってますか?」
「ああ……」
「あれって一番上が幸せだと思うでしょ?」
「まあ、捕食者だから」
「でも私は個人的に下にいる虫が幸せだと思うんですよ」
「ええ……どうして?」
「生き方に無駄が無くそれでいて存在する意味がちゃんとある。まさしく普通!」
「……考えが普通じゃない!」
「確かに人間目線からだとそう思うね。彼等は生きる為の機能しか無く生きる意味を考える暇や寿命、脳がないから」
「それ以外もあるけどね。天敵とか」
「だから人間目線で考えすぎ。地球目線で考えよう!」
「……?」
「虫は環境を汚染しないし、むしろ植物を救っている生命体。地球が何も無かった時から虫と植物だけは適応し存在し、後世、次の世代の為に頑張って生きてる!これが私の考える地球の普通だったんだよ!自分を犠牲にして次の世代の為に地球に貢献する!素晴らしい!」
「……」
「私は虫が一番希望や奇跡があると思う。それを感じれなくてもそれが小さくても。虫こそ地球最大の貢献者だ!」
滝はそろばんを完成させる。
「だから私も普通に過ごすだけで地球に貢献したい!でも私は普通の人間だからな。貢献なんて出来ないよ」
「……あ、凄い。この人天才だ」
「いやだから私は普通のそろばん教室の先生ですよ。後、暗殺者」
「そろばん教室の先生が科学者越えしてるよ……!すげえよ……」
「あ、それじゃたまに一緒に話してくれる……?ね?極力暗殺に協力するから!」
「あ、ありがとう!何か、ありがとう!」
安達は日の出を見ながら家に帰る。