複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.270 )
- 日時: 2016/10/03 18:52
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「君は誰なんだ?俺の事をなんで知っているんだ?」
「そんな事よりあのマジック凄いわね」
「お前は小林財閥だろ?俺をどうするつもりだ」
「分かってるなら黙って私の傍にいろ」
見境は拳銃を安達に向ける。
「あたしにこんな事させないで」
「……本当に誰だよ。お前」
安達は一日中、見境の元で色んな場所へ行く。
「あたしは来週空いているからまた遊ぼうね。勿論誰にも言わないでね」
「何が目的だ?」
「……知る必要は無いわ」
見境は呟く。
「あたし達、小林財閥は正義の組織では無い。ただ、勝者である。だから……あたしは誇りを持っている」
「……」
見境は去る。
「……言うべきだろうな」
安達は望田に話そうとしたが、望田は帰って来て無かった。代わりに立花が考え込みながら安達に向かう。
「安達、あたしの万屋。閉店する事になった....」
「何でだ……?」
「あたし、最近万屋をボランティアにしたんだよ。結局金貰っても利益はあたしの場合出ないからね」
「そうですね。だって値段設定を依頼人が決める訳ですからそりゃ安く決めますよ」
「そしたら、すっかり損失の事を忘れてたんだよ」
「つまり万屋の家賃の事を忘れてたと……?」
「.....後先考えて無かったんだぜ。なあおめえの知り合いで何か出来る奴いないのか?」
「……知らないですよ、とりあえず、移動式の万屋をすれば良いんじゃないですか?」
「それはそれでありだな。良い部屋が見つかるまで移動式でするぜ!トップギア入れまくるぜ!」
「……そ、そうか……」
そして安達は地獄門や滝、見境と交流をしながらいくつもの日々が過ぎる。
望田は椎名と咲川共に一条の容体を見る。
「検査結果は?」
『異常は何処にも無い。今は精密な検査をしてるの』
望田と椎名は手を握り合う。
「望田……大丈夫だよね?」
「……あ、ああ」
望田は椎名の手を離す。
「助かりますよ……きっと」
望田は戸惑う。
「私は……ただ……」
望田は見境を思い出す。
「彼女を思い出させない為に椎名を利用しているだけなのに……」
望田はストレスを安達にぶつける。
「……ふう、スッキリした」
望田は崖のふもとに向かい、大量の部品を運ぶ。
「さて後は……」
安達は地獄門 裁と話す。
「俺の話聞いても大丈夫か?」
「あ、ああ……裁……」
「……お、俺が何者でも……俺が何者でも……好きだといってくれるか?」
「……こ、告白か?」
「じゃなかったら何だよ……」
「そ、そうか……まあ、一緒にいて結構経つしな」
裁は笑う。
「……それじゃ……」
裁は自分の葬式の写真を出す。
「……これは?」
「ちょっと免疫付けといたから大丈夫だと思うけど……俺、実は……クローンなんだ」
「……」
安達はかなり驚く。
「クローン……?」
「俺は地獄門 裁の死体から造られたクローン……」
「そ、そうなのか?地獄門さんならやりかねないけど……」
「うん、俺は戸籍を持っていないクローン。つまり人間じゃないんだ」
「いや、人間だよ。君が……」
裁は自分の身体を見せる。すると、身体は大量の機械で埋め尽くされていた。
「これは……」
「兄貴は、俺を兵器にしたいみたいだ。だからその分、臓器はほぼ無いからクローンなのに寿命がとても短くなる。クローン自体の寿命も完全な人間じゃないから寿命は短いの。そして機械化された脳と兵器等の臓器を俺から繁殖させたクローンに移す。はっはっは、あっという間に不老不死の完成だ」
「……酷い」
「だけど永遠の命は……」
「こんなのが永遠と呼べるのか?」
「良いんだよ、俺、死んでるから」
「死んでるとか生きてるとかの問題じゃなくても、人間としての倫理観を失っているぞ」
「……?」
「君は君だ」
「君は……君?」
「君はクローンじゃなくてちゃんとしたオリジナルのはずだ。君は君の人生を歩むべきだろ」
「言ってる事が分からない……」
「……」
地獄門は倒れる。安達はすぐに地獄門 士の元へ運ぶ。
「あー……寿命だね!彼女は持った方だよ」
「地獄門っ!」
「黙れ、記憶を消すぞ?」
「……そんな」
地獄門 裁は動く。
「駄目……俺は……俺……」
「……!まさかこの短時間でクローンである自我を持ったのか?」
「俺は……誰?」
地獄門は頭を抱える。
「安達君、君は素晴らしいよ。特別に小林財閥を討伐の前までは自我を持ったままにしておこう。僕も研究したい事があるからね」
「……地獄門さん」
安達は数少ない小林財閥主催の大会の日数を数える。
すると滝から連絡が来る。
「ちょっと大変な事にっ……」
「滝さん?」
安達はそろばん教室へ向かう。すると滝が倒れていた。
「滝さん?」
「新型のそろばんを造ってたら、有害物質が出来ちゃって……」
「ちょっと!?」
「大丈夫、中和させたから……」
「でも……」
「私、頑張らないと……だって、私はもう……寿命が……」
「寿命?さっき他の人に聞いたばかりなのに?」
「……私は、せめて地球の為に死にたい。それこそが自然の摂理であり、本来あるべき普通の姿……」
「全然それ普通じゃないよ!?」
「でも、私は……そんなの嫌だな」
「……?」
「人間だけが人間のみが人間にしか理解できない感情を私はやっと理解出来たんだ。だから貴方にプレゼント」
滝はそろばんを安達にプレゼントする。
「これは接合性に優れており、機械、人間の身体に付けると高速でそろばんに計算をさせる事が出来るの。この機能の動力も小型の動力炉だから……。でもメンテナンス不要だからずっともってられるよ。これで私の事を思い出して?」
「え?え?」
「貴方の身体はほぼ、機械だから……貴方に合うサイズを……」
「俺の身体が?何を言ってるんだ?」
滝は病院に運ばれる。安達は自分の身体を裂く。すると、自分の身体が機械で出来ている事に気付く。
「これって……」
一方、望田は椎名と咲川と共に一条の検査を待っていた。
『結果が出たよ』
咲川はホワイトボードに書くが手が震えている。
「どうしたの?」
『結果、一条は遺伝子レベルで小林財閥に開発された恐らく失敗作の生物兵器と結合された化け物』
「……は?」
「どう言う事?」
『つまり一条は小林財閥の策略により兵器の為に人間から化け物へ変えようとしていたと言う事。つまり、化け物作成の為の実験に一条は使われたの』
咲川は怒っていた。
「……こんな小さい子供を実験台に使ってたの?」
『恐らくヒワノの仕業ね。より強い兵器を低コストで造ろうとした結果』
「小林財閥は……こんな所まで落ちたのか……。それで一条は救えるのか?」
『救えるけど、大量の手術が必要になるから……』
「……!」
『値段は2兆円程』
「そんな手術があるかよ!」
『でも他の医者や科学者はこんな事出来ない。私のみしか可能性は無い』
「……」
望田は思いつく。
「なら、お前を脅したらどうする?」
椎名は止める。
「一条は喜ばない!」
「そんな事言ってる場合か?」
望田はさらに思いつく。
「なら脅す相手を替えるか。いや、殺す相手をか」
望田の頭の中には安達が浮かんでいた。
「どうせ、大会に出ても勝てる訳無いし、大会であいつが死ぬ様を見たかったんだがな」
一方、地獄門はワンスモア・Iに連絡をする。
「……君の技術は素晴らしいよ」
「……用件は終わりか?」
「いいや、まだあと一つある。君が此処へ来た五つ目の技術が欲しい」
「……五つ目か」