複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.271 )
- 日時: 2016/10/03 20:28
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
安達は戸惑いながら日々を過ごす。自分は何者なのか。自分とは何なのか。自分の正体を。
「俺は……誰なんだ」
記憶の無い空っぽの安達には何も考える事は出来なかった。ただ、今に満足してない訳ではない。信頼出来る仲間もいれば家もある。恋人だっているし、救うべき人間だっている。これ程満たされる人生はあるだろうか。このままでいいはずなのに自分自身に満足できていない安達。裁は答える。
「お前は安達だよ。俺の彼氏で大切な人だぜ」
「……ああ」
「俺達は普通じゃない時に出会ってしまった。決して起こって行けない時に出会ってしまった。俺もお前も普通じゃなくて異常だった。俺はクローンで、お前は記憶喪失。だが、こんな状況だからこそお前と知り合ってしまった……。これは普通じゃない運命に感謝して良いのか……?」
紬は答える。
「彼女が出来たんだ?……良かったわね。これなら心置きなく貴方をあたしの腕の中で殺せるわ」
「……!?」
「……じゃあね」
「……やっぱり小林財閥だったのか……」
「だったら?」
滝は答える。
「……もっと品種改良するから病院でそろばんを造らせて……」
「……」
「彼女の分も造ってあげるわ……!」
「……ああ」
「だから死なないでよ?」
「勿論、君もだよ」
地獄門は安達に話す。
「妹……いや、彼女の寿命はキリキリと迫っているね」
「……ああ」
「機械を取り外し、延命装置を駆使してもやっぱり僕に出来る事は少ないよ」
「それでも心使い感謝します」
「まあ僕は実験のデータが欲しいだけだけどね」
「……」
安達は自分の事を聞けなかった。何も出来なかった。自問自答しか出来なかった。
「俺は……」
すると、暫く帰って来なかった望田がやってくる。
「望田?望田か!」
「寄るな、安達」
「……また拷問か!?」
「拷問?違う、処刑だ」
望田はバックを取り出す。
「変身」
望田はバックから折り畳み式のパワーローダーと呼ばれる筋肉補助装置を付ける。
「な、何だ?」
「ふう……これはアグレッサーガールズと言うアニメに出てくる強化スーツを元に設計した約1億円の最強の装置です。これで誰でも正義の味方です」
「……1億円って?随分前に借りたあれか?でもあれは一条と言う病気の女の子の為に……」
「黙りなさい。愚かなクズよ」
望田は安達を殴る。安達は大きく吹き飛ばしアパートを飛び近所の公園へ落ちる。望田はスイッチを押す。
「望田君、君は……」
「黙って下さい。私はやるしかないんです・彼には多額の保険にかけてもらってますからね……。保険会社が小林財閥関連の会社なのがうざいですが」
安達は顔付近にヘルメットを被る。
「このヘルメットでロボット並の知能を手に入れる事が可能です。これで誰でもアメコミヒーローですね。名前はアグレッサー」
望田はジェット噴射で空を飛ぶ。
「気圧関係もヘルメットが解決。部品も飛行機レベルの部品だから問題無し。燃料も大量に積んでる」
ただ、部屋がかなり燃える。地獄門は研究室を守る。
「僕の実験台が……!」
望田は安達に向かって飛び安達を殴り飛ばす。安達は飛ばされるが耐える。
「歯が……ほとんど折れてる……」
「お前は事故死で死んでもらう」
「なんでこんな事を……」
「知る必要は無い。此処で死ね」
周りの人々は騒然とする。望田は気にしない。望田は安達に殴るが安達は避け、望田を殴り返す。望田のヘルメットは壊れてしまう。
「何?」
望田の腕は皮膚が剥がれ、機械になっていた。
「……うああああああああ!!!」
望田は呟く。
「腕まで機械とは地獄門、もしや失敗したか?」
「失敗?」
「……教えてやるよ。お前の過去を。いや、お前の正体を」
「……!」
「お前は木村と言う男のクローンだ」
「……木村」
安達は何も思い出せない。
「だろうな、記憶なんてお前に元々無い。木村と言う人間から造られたクローンって事くらいだ。お前のような化け物の過去は」
「俺は……人間じゃなかったのか?」
「お前ごときに人間と言う種族はあまりに場違いだ。お前は死んでから架空の戸籍を用意して小林財閥からたんまり保険金を取ってやる」
「小林財閥を潰すって言ったのに……」
「はあ?そんなの無理だろ。小林財閥はいずれ表世界を支配して政治まで加入してくるんだろうな」
「そんな事したら……」
「せめてそんな時代になる前に足掻くだけよ〜。クローンが。いや、色んな実験にされて機械塗れだからサイボーグか?」
望田は安達をボコボコに殴る。安達の金属の骨はボロボロになる。しかし安達は望田を全力で殴る。
「うおおおおおおおお!!!」
安達は望田の下半身ら辺を殴る。望田は下半身から大量の出血をする。
「……ぐあああああああああああああああ!!!!」
望田は倒れ込む。
「……望田!」