複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.277 )
- 日時: 2016/10/07 18:30
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第十六幕 開戦記念日
戦争は英雄談では無い。だが真面目に執筆しても万人受けはしない。
何故なら戦死者にもそれぞれの人生があったのだ。それをたった一人の為にエキストラ扱いしてはいけない。英雄にしてはいけない。
だが、真面目な戦争映画を真面目に見る者は何人いるだろうか。戦争が真面目である風潮が悲しい程可笑しいのであるが。
時は第二次世界大戦。主人公は日本軍の兵士として南方の灼熱のフィリピンで戦争を行っていた。主人公の名前は点在 誠(てんざい まこと)。
徴兵令により戦争に参加している。同じ兵隊では同じ地域の、葛西 勝次(かさい かつじ)と言う者と登岐目 海(ときめ かい)と言う者等と行動していた。
「よっしゃ!今日もお国の為に頑張るぜ〜」
「登岐目は気楽だぞ。戦争から逃げ出したいのは分かるけどな」
「……それよりなんで頭に草を乗っけているんですか?」
登岐目は頭を土と草塗れにして軍帽を被る。
「坊主は嫌で、これでカツラ代わりに」
「ならないよ。ただただ汚ないよ!水無いから頭、洗えないし、土にバイキン入ってたらどうなるんだよ!」
「川で洗うぜ!」
「川付近は敵国が占領してるんだよ!」
「海で洗うぜ!」
「海も敵国の船ばっか!狙撃される!」
「それじゃ熱帯だからゲリラ豪雨で洗うぜ!」
「服もビチャビチャになるわ!」
すると、上司である男が叫ぶ。
「黙れ、話している暇があるなら全ての土地を占領地にしろ!」
「はい、六田口陸軍中将!」
六田口は叫ぶ。
「此処は占領地だ!まず我が日本人に歯向かう馬鹿は無いと思うが、ゲリラには気をつけろ。住民は逆らう奴を殺せ!」
「住民の刺激は余計な反乱を起こす恐れがありますし、他の国とも……」
「黙れ!日本の占領地で日本人が何故規制をされないといけない!」
「まず此処が外国って事を忘れるなよ」
葛西と点在と登岐目達は行動をする。
「俺は今日、飯の調達。あんまり集まらないけどな。補給部隊が来てくれるまでの我慢だ」
「俺ー住民と話し合って来るわー!」
「僕は……ゲリラ討伐とパトロール……僕だけ辛くない?」
「当番はあそこのルーレットで決まるんだ。文句なしだぞ」
「気楽に行こうぜ〜」
「……死ぬかもしれない戦争にルーレットって馬鹿だろ……!阿呆かよ!」
「あんまり騒ぐなよ。六田口に反逆するともっと酷い戦地に送られるんだから」
「ひえっ……」
六田口はギャンブルがお好きらしい。
点在は戦地を数人で歩く。
「人が少ないぞ!」
「皆、病気で倒れてまーす!」
「病気でも何でも軍人で愛国心があるなら動けるはずだ!」
「マラリアや黄熱病は流石に無理です」
「病は気からだって言うだろ!治ったって思えば治るんだよ!」
「感染病だよ、馬鹿だろ」
すると、ゲリラの遊撃部隊が点在達を撃つ。
「戦闘だ!配置に付け!」
どうにか、点在は生き延びる。
「生きていて良かったよ。ゲリラごときで死んだらお前も本望じゃないからな」
「そう言う問題じゃ……」
点在は寝る間を惜しんで次の任務に取り抱える。
「パイロット捜索!?」
「見つかるまで帰って来るな!以上!」
「見つからなかったら?」
「お前も餓死だ!」
「直ぐに探します!」
パイロット捜索は、敵軍から逃げた軍人を保護する事。
「あ、見つけた!もう、なんでこんな所に……」
「うるせえ!俺だって好きに此処にいる訳じゃないんだよ!」
点在はパイロットと共に拠点へ行った。
「点在、遅いぞ。今日のお前の飯は無い。勿論、国の晒し者もな!」
六田口は笑いながら、優雅な食事を楽しむ。
「この国のリゾート地は最高だぞ!」
「お前は何もしてないだろうが」
点在は倒れる。
「無理だ……」
「ほら仕事は残ってるぞ!見張りとか色々な!」
「……うあああああああああ!!」