複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.281 )
日時: 2016/10/10 17:55
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

点在は今の日本の状況を見て降伏を進める。

「降伏を!」

「馬鹿野郎!わが日本が降伏等する訳が無い!兵器が無い、武器が無い、食料が無い。そんな理由で戦争を止める訳にいかんだろう。武器が無いなら拳で敵国を殴れ。拳が無くなったら、踏みつけろ。足が無くなったら噛みつけ!日本人はチキンな敵国と違って大和魂があるだろ!」

点在等の人々は栄養失調で倒れていく。この六田口の演説は数時間にも渡った。後に六田口はチキン作戦を全て部下の責任にする。どちらがチキンなのだろうか。

そして戦争も末期へ近づいていた。それは日本の敗戦を色濃い事を示していた。

「よし、隣のルソー島に行き敵を迎え撃て!我々ならきっと出来る!」

「この爆弾は?」

「自爆だよ、我が国の為に死ぬ、それが本望だろ?」

「そんな……」

すると、吉報が入る。

「何!?日本海軍が米国に勝利しただと!?」

牟田口は即座に方針を変え、別の島に戦力を移そうとする。兵士たちはどうにか移動する。

「うああああああああああああ!!」

「立て!此処でお前が倒れたら、死んだ奴等が報われないだろう!」

「はい、すみませーん!」

「おおっ……スって立つな」

「はい、すみませーん!」

「だからって寝るな!お前、戦争何だと思ってんだよ!」

「はい、すみませーん!」

「だからって何で野グソしちゃうの!?ねえ?戦争なめてんの、ねえ?」

そして兵士たちが行進している途中、壊滅していたはずの敵に襲われる。

「うわあああああああああああ!!!」

「はい、すみませーん!!!」

実は日本海軍が米国に勝利と言う連絡は誤報。これにより、日本軍の敗戦が濃厚に。

ただまだ降伏をしない国は抵抗する。

点在と登岐目、葛西は満州に異動される。

「も、もう、駄目だ……」

「もう少しで終わるんだ。耐えきれー!」

「……もう限界だ」

「点在ー!葛西ー!」

「お前はなんで元気なんだよ」

「簡単っす。……家族の為に生きるって約束したからっす」

「急に良い奴になるなよ」

「俺には日本に妻を残してるっす。その妻の為に俺は……生きるっすよ」

「……ちょっと待て、それ以上言うな。この世界にはフラグと言う多分フィクションでは武器より恐ろしい兵器が……」

「俺は日本に帰ったら、妻とやりたかった理髪店をオープンするっす」

「駄目だ!それ以上言うと死亡フラグが頭の上に立つぞ!」

「だから俺は……絶対に絶対に生きるっす」

「言っちゃった……」

葛西は呟く。

「点在、フラグって何だ?」

「気にするな……」

しかし、フラグの通り、彼等は死ぬ事になる。理由は味方であったドイツが降伏した為、ドイツに注がれていた武力が日本へ一気に向かう事になった為、日本軍兵士は皆殺しにされてしまった。

皮肉にも生きていたのは六田口。

六田口は終戦後、焼き鳥屋を経営する。

そして、葬式の時も部下達の謝罪は最後まで無く自分がいかに素晴らしかったのかを永遠に書かれたパンフレット、自伝を提供していた。

点在、葛西、登岐目は2年以上もまさに地獄と言う生活をしていた。

点在の上に平等院が現れる。

「この物語はフィクションだ」

点在と葛西と頭の上に旗が付けられた登岐目は腐ったまま起き上がる。

「ゾンビ!」

「アンデッド!」

「これはこれで兵器になるっすね」

「このように本編はあくまでも、戦争を演じていただけである。

だが、確かにわずか71年前に今の出来事は起こっていた。そう本編は実話を元に制作している。ふざけまくりのチキン作戦も……六田口のような人も。まあ元ネタは結構有名な人だからね。

知らないって人は、この物語を元にネット検索でもしてね。

我々は戦争と言う巨人の肩の上にいるだけに過ぎない。その事を忘れてしまった時、もう一度戦争は開戦を記念するだろう」

点在達は倒れ空を見上げる。

「辛く、苦しく……夢ならば覚めて欲しいと何回思ったか。遺書を腐るほど書いた。死者を焼きつけるほど見た。

こんなのばっか見えるなのに……見えないよ。

俺の未来が」




開戦記念日 完