複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.282 )
日時: 2016/10/11 20:15
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第十七幕 明日は檜になろう

一【二ノマエ】の回

一人の女子高生は道路の真ん中で叫ぶ。

「私はひのき!苗字が日にちにより変わる不思議な女の子!そんな私、実はある能力があるんです!」

女子高生はバットを持って通行人を殴る。通行人は血を流して倒れ、周りは騒然とする。しかし檜の方を誰を見ない。檜がバットをその場に置くと人々はバットには反応する。

「私の能力は、私自身と身につけている物を気付かせなくする事が出来る事です。つまり、本来ある影を無くす事が出来ちゃう訳です。ノーシャドウ【神隠し】ですね。英語の意味は影が無い。直訳ね。日本語の意味は……」

女子高生は倒れている通行人に触れる。すると、通行人は消える。

「そう、他人から見えないならそれはもう、神隠しです。ただ、神が隠している訳では無く、神から罪を隠しているって意味になっちゃいますけどね。お天道様は流石に超能力者は見てませんでしたね。ぷぷぷ」

すると、檜の存在を確認する者が現れる。

「な、何してるの!?君ィィィィ!」

「私は見えない者に対しても設定を加える事が可能です。私が加えた設定は超能力者のみ私の存在に気付く。つまり彼、超能力者です。ただ、下手に刺激すると危険ですね。超能力に自覚してるかしてないかとか、超能力を発動してこのあたりの環境に有害なのか無害なのか。

はっきり言ってそんなのを考えないで超能力を出してる人って小学生レベルですね。私、高校生ですからそういうの大事にしてる系なんですよ。勿論、厨二病の一言で片づけようとする可哀想でマヌケな大人にもなりたくないんですけどね」

「え?え?何話してるの?」

「察して下さい。馬鹿なんですか?」

超能力者は絶望して倒れる。

「ふえええ……絶望したよ……最近の学生の馴れ馴れしさに絶望したよ……死んでやる……死んでやるっ」

「貴方は何処の先生なんですか?まあパロディは置いておきましょう。とりあえず、名前を確認。大学生ですか?成程、九里戸大学、端キャンパス、理学部、数学科、剣道サークルキャプテン。一 十真(にのまえ とうま)。貴方はどう言う超能力を?」

「ふえ?」

「笛?」

「超能力?僕はそんな能力ありません……」

「勿論、嘘の可能性もありますし、無自覚かもしれません。こんな時には超能力者を危険な目に合わせてみましょう、そうすれば超能力が大体発動します。まあ、漫画とかアニメのあるあるですね。危険な目に合って覚醒っ!的な?物語の第一回(冒険の始まり)と後期(出たぞ、ゴールデンウルトラスーパーキングダムミラクルボンバーコンプリートアルテメットフォーム!)でありますよね。マンネリ防止の為に」

檜はロープを持つ。

「このロープを一の首にやれば私は存在を気付かれないまま殺す事が出来ます。完全犯罪だね」

一は首を絞められ苦しむ。

「助けてっ!?ふええええええええええ!!!」

すると、一は文字通り覚醒する。しかし覚醒したからと言って力が増幅した訳でも何でもない。一は、性格が変貌する。

「テメエ、殺されてえのか?」

「性格が変わる事が超能力?まあ、超能力とはいえ、こういうあんまり強くない超能力もあるからね。マイナス能力もあるし。まあ、今まで強いのを期待していたのは超能力アニメの見過ぎだけど」

檜はロープを取る。すると、一は檜に向かって持っていた練習用の竹刀を持ち構える。

「超能力は何の為にあると思うか?世界を守る為、私利私欲に使う為、世界を壊す為、この世界を変える為……。アニメとかラノベだとこの程度か。

笑えるな。俺は違う。俺は何も使わない。お前のように変な目的も無い」

「まあね、ある程度の地位があればそれで平凡でも満足するから。そこで平凡を失った超能力なんて厄介で面倒なだけだね」

「そう、超能力なんて本来だれも使いたくないんだ。本当に人が手に入れてしまった時その力に怯え、運命を恨み、周囲の目線を気にする。まあ、そんなリアルを書けば物語アンリアルなんて書けないけどな。ただ、俺からすれば滑稽だよ」

「簡単な話、身の回りにそんな美人いねーよって事。でも、理想や心はちゃんとしないと駄目だから美人を身の回りの大量発生させる。もちろん、イケメンもね」

「まあ出来ない事を書くのが小説やアニメだから当然だ。それにそんな作品を見て楽しんでる奴や崇拝してる奴がいるのも事実。ましてや自分の考えや評価を押し付けるのは馬鹿のする事。醜いよ」

「……それが本来当然だったことなんだろうね」

「そう、俺は勇者とか魔王なんて気取らない。・・・だが、アニメと現実で同じ事がある。

それは頭の狂った奴が存在し、思考がフィクションと大差ないって事だよ」

一は檜をロープで絞める。

「俺、人殺して見たかったんだよね。あー……アニメとかで良く言う台詞。自分で言って恥ずかしいわ」

「うぐっがああ」

「さて、お前を洗脳してやるかっ!その後たっぷり殺してやる!」

一は檜に超能力を発動する。

「貴方は性格の転換が超能力じゃ……」

「俺の能力は洗脳する催眠イレイスサイコ。洗脳させて人を殺させるし、強盗させる事も出来る。まあ合法的に金を取らせる事も出来る。また、何かの情報を聞き出せる場合でも情報を吐かせる事も出来る。んで、対象は人間以外も可能。パソコンを洗脳させて自動的にハッキングさせたりとかな。

一般人は超能力を怯えて使わないが、俺は頭が狂ってるからな。

その根本的な一(いち、にのまえ、はじめ)を見逃してた君は超能力を語る資格は無い、バーカッ!死ね、カス」

一は檜を洗脳する。

洗脳する催眠イレイスサイコ。人生が全体的に上手くいかないな、と言うそんな貴方に超能力者。結構お勧めです。

一【ひとりよがり】の回 完

次回 二【θ2(零二)】の回