複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.286 )
- 日時: 2016/10/14 18:39
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
十 【銃】の回
ドゥーロは紅白電波塔の展望デッキで血まみれになり寝ていた。隣にはレフュリーがいる。
「ギブアップか?」
「俺は....」
すると、展望デッキの中でレフュリーをバイクが体当たりする。
「よう、随分。ボロボロじゃねえか!オレの名前はトウ!自由を愛し自由に愛された栄光に輝く男だぜ」
「.....」
「今からお前に自由な世界を見せてやる!オレの後ろに乗れよ!」
「自由か。それで俺を乗せ、俺に人間の素晴らしさ、人間は誰でも自由になり、社会に反骨出来ると言う事を教え、俺はもう一度子供達を救いに行くと言うストーリーを考えているだろうな」
「あいにく俺はノープランだ。あるのは終点の栄光だけだ!」
トウはスマホである曲を流す。
「ロックだぜ」
「ああ、確かにロックの真骨頂だ。だがこの素晴らしいロックを何人の人が理解しているのだろうか」
「は?」
「栄光はお前にとって何だ?」
「オレにとっての栄光は最高の自由だよ。言っておくが栄光は権力じゃない!そんな腐った栄光はいらねえよ!」
「と言ってお前はカッコつけたいだけだろ。本当は皆から崇められたいんだろう」
「何言ってんだよ。俺は俺だけの道を進む。そう何も見えないあの道をな」
ドゥーロは立ち上がり呟く。
「自由の為の栄光に人生を捧げる価値はあるのか?」
「あるに決まってるだろ。オレはすぐにこの相棒と自由と言う名の世界を渡るんだよ。この曲だってそうやって前を向こうって歌だろ」
「.....栄光を掴み続けるのは大変だろうな。栄光に挫折は付き物らしいからな」
トウは過去を思い出す。
「こんな歳でバイクで何を言ってるんだ」
「トウ、悪い事は言わない。職に就くんだ」
トウは話す。
「うるせえ!オレを認めない世界が社会達が悪いんだよ!それにオレはお前と違って自由に生きてる!」
「栄光に手を伸ばしたお前の苦しみは、世界や社会が攻撃したダメージでは無い。栄光に手を伸ばそうとしたお前が自分で傷付けて苦しんでいるんだ」
「黙れ!そんな事はオレの師匠が黙って無いぞ?」
「師匠?」
「ああ、俺をロックや自由に目覚めさせたあの人だよ」
「.....」
日本は夕暮れを迎える。
「自由を知らねえお前に教えてやるんだ!良いから後ろに乗れよ!」
「お前は本当に自由か?そのガソリンのリミッターが無くなればお前は何になる」
「お前はまだ知らねえだけだぜ!この世界は自由が無い事に!」
「それは自由に向かって行くバイクに乗ってるからだろ。自由はこんなのに乗らなくても一杯あるんだよ。見えない自由に目が眩んでいるだけだ」
「オレは自由なんだよ!」
トウはドゥーロを殴り飛ばす。トウは大量の分身を出す。
「オレは悪を倒す」
「オレは栄光を掴む。お前は何も掴めない」
「オレは自由だ。自由を邪魔する者は悪だ」
「オレはこの相棒と栄光に向かって走る」
ドゥーロは呟く。
「栄光の為なら他人を傷つけて良いのか?」
「タフな野郎だぜ。血液がダラダラ流れてるくせに」
「目が眩んだから、罪悪感にもなっていないのか」
ドゥーロはエアーで銃を構える。
「どうした?何だ?」
「お前は俺の心を撃った.....だから今度は俺がお前を撃つ番だ」
「あ?」
ドゥーロは世界を展望する。
「この世界は戦場だ。誰もが銃を持つ」
「おいおい、此処は日本だぜ!銃刀法違反で逮捕されちまう!」
「お前は本当に栄光を輝き続けていたいのか?他人を傷つける栄光に」
「……黙れ、消え失せな」
トウは分身して相手を翻弄し拳や蹴りを叩き込む戦法を行う。
「ロックを身を持って知れ。そしてバイクで駆け抜けようぜ!」
ドゥーロは身体を結晶化しトウの攻撃に耐える。
此処は戦場。誰かが楽園と叫び誰かが奈落と叫ぶ。誰かが栄光を掴んだ日より私達が生きている今の方が意味がある。過去に凝り固まった偶像より、今を生きている私達がどれだけ素晴らしいのか。
本当の世界にいれば生きているだけ自由に人はなれる。
「自由、に逃げ込むなよ.....」
心が傷付いた、そんな貴方に結晶化の能力ドゥーロ。貴方のハートはガラスからステンレス、いやダイヤモンドに!お勧めです。
栄光の真実を知りたい場合は、トウがお勧め。貴方は本当の自由を知る事が出来ます!お勧めです!
四じゃなくて十【十人十色】の回 完
次回 五【最終回の前】の回