複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.315 )
- 日時: 2016/10/28 20:27
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
男性は一輪の花を育てていた。傍には女性がいた。
「私はもう駄目です。家族に捨てられたのでもう限界です」
「……この花をあげます」
「え?」
「私が一番好きな花です。好きな木は宿り木ですけど。名前はダンギク。花言葉は忘れ得ぬ思い」
「ありがとうございます」
「貴方ならまたやり直せますよ」
「はい……」
女性は花を持ってその場を去る。
「私の名前は、虫朱 聖(むしあけ さとし)。宿り木で働いている者です。此処で経営をしている花屋のオーナーにお世話になってもらっています。先程の方がまさにオーナーです。しかしどうやらトラブルが起こったみたいです……」
虫朱はそう言いながら電気を点ける。
オーナーもまた語り始める。
「私の名前は……まあいいや。私は今、離婚の危機に迫られているの。花一つでどうにかなる問題じゃないんだけどね。何にでも縋りたい気分なのよ」
オーナーは花を運ぶ。
「理由は簡単。訳の分からない男を家に連れてきているから」
虫朱は申し訳なさそうに話す。
「私はオーナーの家族と一緒に暮らしています。それに夫が嫉妬して。明らかに私が悪いと言う事は分かっていますがオーナーを説得出来ない立場でありまして」
オーナーは話す。
「はっきり言うけど、夫なんかどうでも良いのよ。私が気になるのは虫朱。あ、恋愛感情とかじゃないわよ。どのようにして彼の人生を知りたいだけ。それが済んだら虫朱に部屋でも提供してあげるわ。夫は単に不安症で不倫を疑ってるだけよ。全く、幼稚園の娘も夫より虫朱に懐いているって理由もあるけど。まあ、それが私の家に彼がいる理由なんだけどね。人見知りの娘の子守りにピッタリ」
「オーナー自身はそれ程大きな問題と認知していなかったのが大問題となり、離婚騒動までなりました。ちなみに私に過去等ございません」
オーナーは虫朱について調べる。