複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.317 )
日時: 2016/10/31 16:20
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第二十一幕 続・月兎

大きく時が過ぎ、月はウサミミ族と言う頭にウサギの耳を生やした人間達が地球から移住し生活をしていた。しかし地球側は月に住めると分かり、ウサミミ族を追いだそうと戦争を開始していた。

そんな時、人参市にある神荷学園(じんに)と言う高校で一人の男性が通っていた。

「……宇佐美(うさみ)。何してんだ?」

「おお、羽柴(はしば)。今、俺はウサミミ族の歴史の勉強してたんだ」

「あ〜お前、ウサミミ族と交流したいんだっけ?」

「ウサミミ族と言うより、月に行きたいだけかな」

「何で?」

「其処まで教えねーよ!」

宇佐美と羽柴は教室に入る。

「あ、智之(ともゆき)君!」

「よっ。え〜と……」

「名前忘れないで。崎峰結美音だよ〜」

「あ〜二回留年してる成人高校生!」

「それは言わないでっ!今年留年したら中退しないと駄目だから」

羽柴は笑う。

「……どこの底辺高校だよ。此処!」

神荷学園はかつて、宇宙開発にも関わる程偏差値が高い高校だったが、細多喜校長が議員に出馬してから、偏差値がどんどん落ちて行き最終的に底辺高校に下がってしまった。

教師が現れる。

「はい、教師の一之瀬 燈(いちのせ あかり)です〜。それじゃ時間割見て適当に行動してね〜。それと転校生がいまーす」

崎峰は宇佐美と話す。

「転校生?誰だろ!」

「……高校で転校か」

すると、ウサミミ族の女性が現れる。

「ウサミミ族……」

「あいさーつ!」

「こんにちは……アード・キャサリンです。地球の言葉は分かります。宜しく……」

「はい、と言う事で〜え〜と、ウサミミ族と交流する為に互いに留学生的な奴をしてみました!」

「説明が雑過ぎる!」

「戦争中だけど、仲良くね〜。スパイとかじゃないから〜」

アードは宇佐美の隣に座る。

「どうも……宇佐美です」

「はい、どうも…・・」

崎峰は羽柴に話す。

「ウサギの耳だよっ!教科書でしか見た事無い〜」

アードは戸惑う。

「あー、此処は差別とか無いと思うよ。まず、差別の意味すら分からないレベルの馬鹿ばっかだから」

「そ、それって僕の事じゃないんだよな。僕だったら彼女をウサギ料理にするんだな.....」

「ビリー・ブルータル。成人留学生……。もう日本語ペラペラだな〜」

「20歳で高校生ってこの学校ヤバいよね〜!」

「崎峰先輩も同じですよ」

「先輩って言わないでっ!」

そして昼休み、宇佐美はアードを誘う。

「一緒に弁当を……」

「あ、はい……」

羽柴も行こうとするが崎峰とビリーに止められる。

「……宇佐美。中々の肉食系ね」

「え?何の話?」

「カニバリズムなんだな」

「カーニバル?」

宇佐美はアードに惚れていた。二人は屋上に行く。

「アードって昔会った気がするんだよね」

「ウサミミ族と一緒にいたら差別されますよ?それに私はあまりこの学校にはいられません」

「どう言う事だ?」

「私はウサミミ族の王の娘……」

「つまり、姫って事?」

「そうです……。私は独断で一部のウサミミ族の幹部を納得させ地球に来たのです。戦争を終わらせる為に」

「……」

「私は早く、細多喜と言う人物に会って和解を申し立てしたいんです」

「んー、なんでこの高校に来たの?めっちゃ不思議」

「この学校の校長が細多喜と聞いたのでとりあえず此処に入学して情報を入手してたんです。先生達の会話で色々分かりました」

「その耳、良く聞こえそうだからな」

「……そう言えば名前聞いて無かったですね。貴方の名前は?」

「俺は宇佐美智之。智之って呼んでくれ」

アードは昔を思い出す。

大きなロケットの前。一一(にのまえ はじめ)が、ロケットを見る。

「後は、各地で同じロケットを確認出来れば発射出来るぜ!香具師!」

「そうか……。ほら、アード……。此処から月に向かうんだ」

香具師は赤ちゃんを抱える。

赤ちゃんは香具師の隣で寝ていた赤ちゃんを見る。

「こいつは、宇佐美って言うウサミミ族と人間のハーフだ。まあ親は地球に住みたいって言ってたから此処に残るけどな」

アードは驚く。

「赤ちゃんの記憶を覚えているなんて……」

「俺はいつか宇宙飛行士になりたいんだ。何か、大分前の記憶で間近でロケットが飛ぶ所を見て、憧れるようになった。まあ頭が馬鹿だから宇宙飛行士にはなれないけど」

「……」

「でも、アードは月で育ったんだよな?良いよな〜」

「そう?此処も良い所よ。和解出来ていればいつでも来れるんだけど……」

「……」

アードはその場を去る。

「何処に?」

「細多喜さんの所に行かないと」

「が、学校は!?」

「私は細多喜さんと異文化交流と言う名目でいつでも早退出来るのよ」

「……そうなのか」