複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.333 )
日時: 2016/11/05 17:44
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

イラージェスとアリと似田は考える。

「虚さんって人から資金援助はしてくれるみたいだよ!」

「看守も……正式じゃないけど滓雅さんと咲川博士がやってくれるみたいだよ」

「後は香坂一人……」

「説得は無理だよ。一匹狼だし」

イラージェスは笑う。

「説得はしないよ。香坂を殴って勝てば良いだけ!」

「確かにイラージェスさんは香坂に勝ってるけど、香坂が本気出してないから……」

「別に私の勝手な想像だもんね。香坂があの程度の実力だったのかもよ」

「え〜!?」

イラージェスは香坂の元へ行き戦闘を申し込む。

「おお、イラージェスか。さっき悪魔と出会ってな。命が取られそうになったんだ。いや〜……今思うと中々の体験だな」

「香坂、またボコボコにしてあげる♪」

「……」

「私が勝ったら、私の仲間になってね」

「仲間か……」

「でも今度はわざと負けないでよ?私、あんなので勝ってもうれしく無いから」

「……別にわざとでは無いぞ?勝ちたいとも思わなかったけどな」

イラージェスは香坂にソバっトを喰らわせる。香坂はイラージェスを掴み、地面に落とす。イラージェスは香坂の腕を掴み、腕を絞めようとする。香坂は腕ごとイラージェスを持ち上げそのまま地面に叩きつける。

周りには、白夜等の仲間達が闘いを見る。

「沢山の人達にてめえの無力さが伝わるなんて同情するぜ。俺は一人だから負けても何も気にしないけどな。元々居場所が無い所の評価なんて知った事じゃない」

香坂は昔を思い出す。

「丹、俺が負けたら皆が離れるかも知れない……。だから、俺は強くなる。やっと見つけたんだよ。俺の居場所を。狂った俺がいれる場所が!」

「……そうか。でも、お前が負けたからって離れる奴いないよ」

香坂は一人ぼっちの日常を思い出す。

「……俺はもう……一人は」

香坂はイラージェスを殴り飛ばす。

「俺は一人でもう十分だ。イラージェス、お前は負けた。これでお前も一人になる……」

イラージェスは笑う。

「私が負けても香坂と同じで失うモノは無いよ。友達も友達のままさ♪」

「……」

「私は仲間だけを友達として扱ってるのよ。兵隊として扱ってるつもりは微塵も無いわ」

「……」

「貴方を捨てた兵隊と此処にいる仲間を一緒にしちゃ駄目だよ。それに兵隊だって貴方の心変わりで仲間になれたはずだよ」

「量より質って事だな」

「此処でボケるとは思って無かったけど、そうね」

「……フン、これから確かめさせてもらうぞ。仲間と兵隊の違いを」

香坂は笑う。

「うんうん、日本兵の呪いも解かないと駄目だしね」

「あ、ああ……」

香坂は元凶が自分だとは言えなかった。

グレイは様子を見る。

「……バルトマンとか、日本兵の呪いとか紆余曲折あったが、まだまだ楽しめそうだな。全ての憎悪を背負って勝って見せろ」

一方、ラスジャーンデは丹がリーダーとして一致団結していた。

「今年こそ優勝だ!」

すると一人の男性が丹に話す。

「おい!丹!今日は何処で遊ぼうか?女?ギャンブル?それとも……」

「……茨田ばらた。俺は彼女と会いに行く」

「香坂さんから奪った彼女ですかい」

茨田は笑う。

「違う、俺は単に彼女の相談相手をしてるだけだ」

「本当かね〜。あんな上玉、ほっとくなんて」

「お前みたいなクズとは違うんだよ」

「クズは香坂の所にいる、アンノウンの奴等でしょ〜。通称、墓場。実際に日本兵の墓もあるみたいだし。お似合いだな!」

「いや……香坂一人でも俺達を潰そうと考えてるよ」

「無駄な事を〜!そんな事万が一にも無いですよ。

てか、あんなクズに相手される俺達一流があまりにも可哀想だと思うけどな」

「……香坂は道を外れた。俺にはどうする事も出来なかった。まあ、暗殺者に信頼を求めてもしょうがないけどな」

丹は何処かへ行く。

「おお、美しき冬紀ふゆき!」

冬紀と呼ばれた女性は丹の元へ行く。

「遊んで?香坂は遊んでくれたよ?」

「香坂はもういない……。悲しい事だけどね。この施設の事を考えて出した決断だ」

「香坂と会えないの?」

「何処かで会えるだろう。それより……」

冬紀の様子は少し前からおかしかった。まるで、何かに取り憑いたかのように。

時々、知らない苗字を連呼したり、祈りを捧げたり。丹達は香坂がいなくなって精神が不安定になったと考えていた。

茨田は丹を見る。

「香坂も不要ならあの発狂してる冬紀も、同じ所に送れば解決するぞ?俺の仲間達も冬紀と関わるのが面倒だって言ったし」

「茨田。何が言いたい」

「左遷されたくなかったら、冬紀ちゃんの有効な使い道を考えたらと」

丹は茨田を殴る。

「黙れ」

茨田は呟く。

「段々、香坂に似て来たな……。冬紀ちゃんは虚の実験台がお似合いなのにな」

香坂はイラージェスと話す。

「呪いを解く為に一緒に頑張ろう!」

「ああ」

香坂は木になっていく人々を見て行く。

「……」

自分のせいで呪いの影響を受ける人々を。香坂はイラージェスを置いてグレイの元へ行く。

「グレイ……呪いは解けないのか?」

「優勝しろ」

「……な、何でそんな事が出来るんだよ。何で俺にこんな事を……」

「その質問、結構待ってたんだぞ。俺は金で雇われお前に呪いをかけている」

「……つまり俺に呪いをかけろと指示した人間がいるって訳か?」

「まあな。俺は電話で雇われただけだから何も知らないぞ?呪いの能力は俺にも分からん。指示された事をしたら呪いが勝手に動き出した」

「お前は呪いのきっかけを与えたに過ぎないただの使いパシリか」

「そうそう、何なら黒幕を探してみるか?少なくともまずは呪いを解かないと駄目だけど」

「黒幕……」

香坂は考える。

一番はグレイ。こんな呪いを平気で請け負うはずが無い。欲深い奴と面白半分以外。

二番はバルトマン。正直、二番と言っても一度会っただけ……。それほどこの施設には怪しい奴がいないって事。

三番は丹。でも、呪いなんて丹が使えるとは思えない。いや、黙っていたって事は考えられる。でも俺に呪いを与えるメリットは?

「馬鹿な俺には到底黒幕を見つけるのは無理だ。だから呪いを解く為に優勝しないとな。でも……本当に優勝したら呪いが解けるのか?」

「分からない。でもやらないと仲間が呪いにかかりお前もかかる。

俺は楽しく見させてもらうよ」

「畜生……」

イラージェスとアリは話し合う。

「香坂って危ない感じだけどフレンドリーだよね♪」

「……は、はい」

「もう一回踵落とししたいな〜」

淡雪は香坂を見る。

「やっぱ、何かしてくれると思ったんだよ〜。うんうん。まあ、この関係が私にとってはベストかな〜。何か怖いし」

香坂は考え込む。すると、またバルトマンが現れる。

「……」

「今度は反応が薄いですね。大きなマジックでもいたしましょうか?」

「呪いって信じると思うか?」

「悪魔がいるんですから呪いもあると思いますよ」

「そーだよなー……。グレイが俺に呪い与えなかったらどれだけ楽だったか……。でも、俺が沢山人殺したせいだもんな……。でも正直きついよ〜」

「ならその悩み解決させてあげましょうか?」

「嫌だよ、どうせ苦しみから解放させる為に魂を食べますとか言うんだろ?」

「でも私も優しい悪魔です。許可を頂いた者からしか魂は食べません」

「この前、希望に満ち溢れた魂は美味しいとか言ってたろ」

「それより私は此処の近くにある墓地に興味があるんですよ」

「ああ……日本兵の?」

「そうなんです。私から見てもかなりの呪いが詰まってますよ」

「え?」

「これは幽霊を目で認知出来るレベルですね。美味しそうな魂の抜け殻.....」

「呪いが俺の中で大渋滞してる……。こんなに呪いや悪魔が重なるモノなのか?」

「意外にオカルトを信じるタイプで私大変うれしいです。では私もそろそろ食事の時間ですので」

バルトマンは消える。

「何か、悪魔と交流持っちゃったんだけど……。色々アウトな気がするな〜」

すると、香坂の元には一人の女性が現れる。

「.....此処が暗殺候補施設アンノウンですか?」

「ああ、はい……貴方は?」

「霊犀結香(れいさい ゆいか)です!この度、暗殺候補施設アンノウンに活動する事になりました!宜しくお願いします!」

「……どうも」

「はい、これ前の施設から持ってきたナイフ!」

「ナイフ。これも上等なナイフだな」

「あ、分かります?」

「ああ……凄いな」

「それじゃ看守に挨拶してくるので、またね〜」

霊犀は荷物を持ちながら施設の方へ行く。

一方、似田は森の中にいた。

「乾さーん……ああ、此処に日本兵の幽霊がいるって聞いてから震えが止まらない……」

すると、似田は大きな像を見つける。

「こ、これは……?」

すると、像の傍に少女が似田に向かって話す。

「貴方、誰?」

「だ、誰って……君こそ誰だよ!まさか此処の付近で住んでいる人?なら、脱走出来る可能性が……」

「私は如月きさらぎ。此処の近くの別荘で一人暮らしをしてるのよ」

「此処からはどうやってきたの?」

「んー、覚えてない!」

「うそでしょ!?」

「そうなの。だから私三年はこの森を抜け出せないのよ」

「……やっぱこの森普通じゃないよ……」

少し如月と似田は話し合う。

「私はこの場所が大好きなのよ。森には不思議な事が一杯。この大きな像を目印に歩いていけばいつでも帰れるしね」

「親とか友達とか大丈夫なの?」

「大丈夫、私一人ぼっちだから!」

「……」

「あ、でも私一人が大好きだから心配しないで!」

「そ、そうなんだ」

しばらく経つと、如月は立ち上がる。

「そろそろ私行かないと。明日からまた此処に来てね。待ってるから!」

如月は何処かへ行く。似田は乾の事を思い出し焦って走る。

「な、何か……モテ期の予感……」

似田は乾の元へ行く。