複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.347 )
日時: 2016/11/10 17:26
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

勇者達が乗る馬車にモンスターが現れる。

「戦うか?俺、財務士だけど」

「いや、面倒だから良い」

「ちょっとレベル上げしないの?」

「……俺、ストーリー早く進めたい派だから」

「どんな派閥だよ。てか、薬草買い忘れた……毒消し草とか……」

「大丈夫、回復係仲間にすれば良いから」

「……それで良いのかよ……」

「あー、仲間は9人くらいかな。海賊王になりそうな麦わら帽子もそれくらいだったし」

「……そう言うパロディは突っ込まない方針だからな」

「レベルって言ってるお前に言われたくねーよ。インガ、それより次の街ってどんな所だ?」

「地図も買い忘れた……」

「……は?」

一方、国王は。

「あー……ドラゴンと魔王か……。今思うとかなりヤバいな……。あんなじゃんけん的な優しい戦争出来ないよ……」

「魔法、剣、拳。これらの暴走は悲劇の始まり。千年戦争の復活を意味します」

「思ったんだけど、ハジ王国のハジって始まりのハジ?」

「いえ、端っこにあるんでハジです」

「……何の端っこ?」

「さあ?」

「……とにかく深い理由は無さそうだな」

「はい」

それを見ていた一人の魔道士が笑う。

「マルナカ帝国と戦争してしまえ。そうすれば……クックック」

魔道士は伝説の剣を持つ。

「……」

隣には黒幕がいる。

「勇者が何かをしようとしているぞ。始末しなくて良いのか?」

「始末しても他の依頼人を出せば結果は同じ。今は余計な事をしない方が良い」

「……うむ」

勇者達は馬車でボーっとしていた。

「暇だ……腹減った……落ちてた薬草食べても腹が満たされない……」

「薬草の天ぷらとか薬草鍋とかアレンジしてみるか……」

「そんなありきたりな料理喰ってもなー」

「うるさいなーもー、もう造らねーぞ、ご飯」

「何、母ちゃんみたいな事言ってんだよ」

「薬草で何が食べたいんだよ」

「薬草キャビア、薬草フォアグラ、薬草トリュフ」

「薬草メインだっつーの!」

「薬草100人分を用意して全部湯通しして食べる」

「時間と労力と金の無駄だろうが!」

「お前と薬草を焼いて食べる」

「何で俺非常食扱いなんだよ!」

すると、一人の人間が勇者に話す。

「おお、勇者殿」

「久しぶりだな、配達屋」

「それじゃ勇者殿に配達を頼もうか」

「配達屋、サボんなよ」

「いやいや、ギャラ払いますから。それに勇者殿が運んでくれた方が山賊やモンスターに襲われても戦えますし」

「成程、後地図持ってる?」

「あ、買います?予備のがあるんで」

「貰えないんだね」

「ウチも大変なんで。それじゃ港町ソノマンマイーストまでの地図を」

「はいはーい」

「それじゃ」

勇者とインガは港町へ着き荷物を届ける。

「この町はどんな町だ?」

「此処はキタノって言う組織が支配している町だ。まあ害はないけど他の地域との交流を拒んでいるから俺達は歓迎されないんだろうな」

「へー……何で知ってるんだ」

「常識だよ勇者殿」

勇者とインガはソノマンマイーストを歩く。すると、二人の人物がギャンブルで良い争いになる。

「早くしてくれお前と付き合う程、僕は暇じゃない」

「あ?お前、魔法を使ってイカサマしただろ!」

「僕は騎士だ。騎士道に誓ってそんな事はしない」

「剣使いか……。全くこの世界が腹が立つよ。呪文、剣、拳……。扱える者が限られるなんて」

勇者は話す。

「どう言う事だ?インガ」

「簡単に言うと剣を使える職業と呪文が使える職業と素手で使える職業は身分で決まってるんだ。勇者は関係無いけどな」

「ふーん……。んで、こいつ等はトイレの前で騒いでるんだな?」

「……何でトイレの前でギャンブルしてるのかは知らないな……。知りたくも無い……」

勇者は二人に話す。

「まあまあ喧嘩は止めろって。この勇者が来たからには」

「勇者ごときが馴れ馴れしく僕に話すな」

「勇者ごとき!?」

「僕は身分の高い騎士の一族の生まれだ。君みたいな遊び人とは違うんだよ」

「遊び人だって頑張れば賢者になるんだぞ!舐めるな!って言うか職業違うし!」

もう一人は叫ぶ。

「通りで騎士道とかふざけた道を語ってる訳か。良いか!俺はな、絶対この国を変えてやる!」

「トイレの前のギャンブルから急にどうした?怖いぞ」

騎士は相手を殴る。

「騎士道を馬鹿にするなよ....僕達一族を馬鹿にするな」

「……落ち着こう。皆の迷惑になるから!トイレの前だし!」

「良いよな、身分が高い奴は魔法も剣も操れるんだから。魔法は人を選びすぎた……」

勇者は二人を離す。

「インガ、お前は殴られた方の手当てを……」

「あ、ああ……。全然平和じゃないな……ビックリした……」

勇者は騎士と話す。

「名前はなんて言うんだ?」

「シャルロット・クラージュだ。別に覚えなくても良い。これから会う事も無いだろうしな」

「人見知りじゃないんだからそんな事言うなよ。で?どうしたんだ?シャルロット……君なのか?さんなのか?」

「僕は....男だ」

「そ、そうか……」

「僕は魔王軍、いやヴァイオレッタと言う悪魔を倒す為に旅をしているんだ。その資金集めにチェス、バックギャモンでギャンブルをしていた」

周りにいた人間は話す。

「そうそう、トイレに行こうと思ったらギャンブルをしていてよ。俺はターブチって殴られた方に3000G賭けたんだ」

「それで僕が勝って賭け金を回収する。これが僕の生活資金だった....」

「ギャンブルか……株をやって損した事ならあるな……二度と手を出さなかったよ……。しかしギリギリの生活をしてるな……騎士って言うよりギャンブラーだな」

「僕は騎士としての誇りはある。この聖剣はセフィロトカリバーと言って一族に伝わる伝説の剣なんだ」

「伝説の剣!?ハジ王国の伝説の剣を盗んだのはシャルロットか!?」

「....今のは機密事項レベルの発言だったよ...」

「……極秘任務をサラっと話してしまったな……。ボケのつもりが……」

「....」

インガとターブチは話す。

「で?何だ……」

「あれを見ろ、彼が付けているロザリオを」

「ああ……」

「魔力が出てるんだよ。きっと何か有るに違いない」

インガはシャルロットに話す。

「そのロザリオは?」

「幸運のロザリオだ。これで運を底上げしていている」

ターブチは叫ぶ。

「やっぱりそうだ!俺の言う通り、イカサマしてたろ!」

「これは僕の魔法以外使わないよ。チェスは平等にしている」

「信じられるかよ!」

「落ち着けって……」

勇者は宥める。

「それじゃもう一回チェスをすれば良いだろ?」

「……」

「僕は構わないよ」

「ああ、俺は科学者だ。絶対に見極めて見せる」

そして二人は早指しチェスをする。勝者はシャルロット。

「これでも僕がイカサマしている様に見えるのかな?」

「……」

「良し、これで解決したな」

インガは呟く。

「何の為にこんな事を……俺達のメリットが無いだろ……」

勇者は話す。

「これも何かの縁だ。一緒に旅をしよう。シャルロットもターブチも」

シャルロットは話す。

「それなら金で雇ってくれ。後、何か問題があれば抜けるからな。それと僕の目的は魔王軍の進撃のみだ。それ以外の行動には全て料金が発生すると考えてくれ」

「……慣れてるなー……」

「僕は一人が良いけど、魔王までの距離が徒歩ではかなり遠いからな。復讐を果たす為に他人の協力は不可欠だ。後、僕は警戒を怠らないからな。何か僕にしてみろ。君の頭は地面に落ちるよ」

「俺に同性を好きになる趣味はねーよ」

「....」

「馬車買えば一人でも良いと思うけどな」

「....何か言ったか?」

「いや……」

インガはターブチに話す。

「金なら心配するな。俺の財布でどうにかする。……全く、国もいくらかは払って欲しいモンだな。まあ、全て勇者の勝手な行動による物だが」

ターブチは話す。

「良いでしょう、俺もまだ行けていない領地に行って見たかったので。科学の幅広さを確かめに行きましょうか。シャルロットがいるのは嫌ですが……勇者のお言葉に甘えさせる」

「お、勇者って有名なんだな」

シャルロットは話す。

「有名だね。この国の勇者だから当然語り継がれている。まあ僕は全部信じてないけど。こんなボケまくりの勇者なんて居る訳が無い」

インガは笑う。

「だろうな……こいつが修学旅行のお土産で買った木刀で千年戦争を終わらせた勇者だなんて思わないよ」

「チェスか……。友人と対戦してボロボロに負けたっけな……」

ターブチは話す。

「ちなみに誰が突っ込むんですか。彼のボケに対して」

「……俺かな?シャルロットとターブチはどう言うポジションが……」

「僕は金で雇われているだけだ。そう言う関係を求めている訳じゃないよ」

「俺はせ、精度の高いボケを喰らわせましょうか」

「……ターブチ、無理しなくて良い」

「……恥ずかしい」

「男が照れるなよ。気持ちが悪いな」

「んだと!てめえ、殴るぞ!」

「科学者に何が出来る。科学はこの世界に必要無い」

「……お前に何が分かるんだ。魔法がいかにこの世界を侵食している事を」

「.....」

「おいおい、馬車で騒ぐなよ。変人の集まりだと思われる」

「勇者が一番変人だよ。スマホとかコンビニとか訳の分からない呪文を並べてそれは外国の言葉なの?」

「何で、ちょっと興味出てるんだよ」

「....興味はない。少し話したからって調子に乗るなよ。馴れ馴れしい」

「こういうのってさ、出来たばかりの友達と喧嘩した時に言われるよな……」

「急にあるあるぶち込むなよ!」

「もうさ、それを言われた途端にさ、『うわ、こいつ俺の事下に見てる』って思うよな」

「ねーよ!急にどうした!」

ターブチは話す。

「それで賃金は?」

「ああ、次の街で銀行から出す。待ってろ」