複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.358 )
- 日時: 2016/11/12 16:17
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
魔王の城に黒幕が行く。
「……」
「今回の件、領土を分けるので黙って貰いませんか?」
「へ?あんだって?」
「え〜と……」
魔王は高齢だった。
「俺はもう歳だ。殺戮や略奪にもう疲れた……。しかし次期魔王候補はいないし、部下の悪魔達も勝手な事ばかり。もう統制もとれん。今は人間にどうこうしようとは思っていない」
「……」
魔道士は無表情で呟く。
「王国を必ず潰す。絶対に……」
一方、勇者たちは新たな仲間フユキとセルティーナ、マヴロ、ノヴァ、ムトーと連れてフロイデの所へ行く前に、宿で一泊する。
「悪魔地区で一泊って……。まあ、馬車も仲間が入りきらなくなったしね」
「良く今まで耐えたと思うよ」
「それじゃこの馬車処分して、大きな馬車買うか」
「……いやいや、馬車も仲間だぞ。ゴーイングホース号だぞ」
「何、その海賊王になりそうな麦わら帽子が乗ってた船見たいな名前」
「其処はよ、あれだ。これからの冒険の為に新しい馬車に乗り替えるって意見と思い入れのある鼻がこの思い入れのある馬車が良いって意見と対立するんだよ」
「……言葉じゃ分からねえよ。漫画見せろ」
「駄目だ。世界観が……」
「お前からゴーイングホース号とか言ってんだろーが!」
「分かったよ、新しい馬車買うか。てか、馬車の名前があるのに勇者の名前無いとか……」
「あったな、名前決めとか。俺、ストーリー進めたい派だから忘れてたけど」
「それじゃどんな馬車が良いかインタビューしましょう」
二人はシャルロットと話す。
「馬車なんて何でも良い。流石に長旅だから愛着は湧くが」
「愛着って言葉がシャルロットから出るとは……」
「馬車の話だ。僕だって人間だからな。後、勇者に少し話があるんだ」
二人はターブチと話す。
「馬車の名前?勇者の名前じゃなくて?それとこれはボケるべき?」
「ボケても良いけど自己責任」
「無責任だな……」
二人は博士と話す。博士は謎の実験をしていた。
「な、何を……」
「オカルトの研究だよ。僕は個人的に科学が好きなんだけどね。魔法は人間の手には恐ろしすぎる」
「馬車……馬車の……話がしづらいっ!」
二人はエリアスと話す。エリアスは歯を磨いていた。
「お、エリア……」
エリアスの首にはファスナーが付いていた。
「え?え?アレ何?」
「……おいおい、物語中盤のネタ回で何で衝撃の秘密を偶然見なきゃならないんだよ。俺達は○ンピースまがいな馬車の名前を決めようって思っただけだったろ!」
「せめて、2匹の馬の名前を決めておけば……」
「それはブライアンが名付けていたぞ。アリとヒントラーらしい」
「アリ?馬なのに?ってどうでも良いんだよ」
エリアスは歯を磨く。
「で?で?あれどうすんだよ?」
「分からん!ファスナーの意味が分からん!収納スペースか?バック買えよ!」
すると、エリアスの元にブライアンがやってくる。
「どうぞ」
「あ、はいはい」
ブライアンの足から綺麗な鱗が出ていた。
「鱗!?え?鱗?魚人?ワ○ピース?」
「お前、ワン○ース好きだな……」
「でも、鱗って……鱗?」
「まあ、思えば色んな種族がいる訳だから。エルフもいれば悪魔もいる。ファスナー族だっていれば鱗族だっている」
「……」
「きっと」
すると、風我見がやってくる。
「洗面所混んでるね!スクープ!」
「風我見は俺の親友だから。大丈……」
風我見の背中から長い鉄パイプが出ていた。
「あれは何?何?鉄パイプ族?鉄パイプ族って何?鉄パイプ?」
「……知らん!もう知らんよ。俺、もう嫌だ!」
勇者は逃げ出した!財務士も逃げ出した!
「どうした?勇者?」
しかし回りこまれた!
風我見は勇者と話す。
「……ど、どうも」
「ん?どうした!スクープか!」
「て……」
そしてブライアンは叫ぶ。
「うわっ!足に鯛の鱗が大量に付いてた。風呂で洗わないと」
「私の首にも博士の悪戯で置かれたファスナーが。元に戻さないと」
風我見も鉄パイプを見て話す。
「痛てて!通りで痛い訳だ!まあ、鱗やファスナー、鉄パイプなんて付いてる事はよくあるよ!それじゃ!スクープゥ!」
「いや……」
「気を取り直そう……」
二人はフユキを訪ねる。
「はい、はい分かりました。バルトマン様。あ、勇者様〜!何の御用ですか?」
「……帰ろう。駄目だ。まともに話せる気がしない」
「え〜何でですか?」
「何なんだよ、そのルパ○三世のふ〜○こちゃ〜んポジションは」
「またちょっと違うと思うぞ?この子はもっと哀れが出てて可哀想。負けそうになったら普通に雇え!って叫ぶか?」
「……まあな。調子が良い下っ端か。てか、お前ルパ○三世好きだな」
「勇者も暇だから色んなドラマとかアニメとか漫画とかゲームとかしてる訳よ」
「あら、私をそんなに美女と?嬉しいわ」
「話聞けよ!」
二人はセルティーナとマヴロ、ノヴァ、ムトーの所へ行く。
「ハーイ♪元気かしら?」
「ぼちぼちだ。馬車の名前を決めて欲しいんだが」
「勇者の名前じゃなくて....?」
「吾輩は猫である。名前はマヴロ。黒猫でさえ名前があるのに君に名前が無いなんて奴隷経験でもあるのかな?」
「本名はあるよ。流石に生まれた時から勇者じゃないしね」
「どうして本名を名乗らないのかしら?」
「別に名前なんてどうでも良いんだよ」
「しかし気楽だな。ヴァイオレッタ、バルトマンの討伐はかなり危険だと思うが。勿論、魔王もだがな」
「勝てる気しかしないな」
その後、勇者はシャルロットの元へ行く。
「どうした?」
「.....お前とは適度な距離でやっていけそうだからな。恐らくヴァイオレッタを討伐出来たら僕はお前達から去るだろう」
「そうか……残念だな」
「僕は実は女なんだ」
「……そ、そうなのか……。何で男って偽ってたんだ?」
「女だと舐められるのが嫌なんだよ.........胸だってこんなの僕にとって邪魔でしかないし.......」
「まあ、こんな時代だからな……。お洒落とかぬいぐるみとか甘い物とか自撮りとかSNSとかパンケーキで行列とかタコパとか自由に出来る平和な時代が来れば良いな」
「勘違いするな.....僕はぬいぐるみとかそんなチャラチャラした物に興味はない」
「でも寝てる時に可愛いぬいぐるみ抱いて寝てるじゃないか」
「何でそんな寝てる時に見るんだよ.....」
「いやいや、馬車で皆寝てるんだから嫌でも目につくよ。甘い物をやけに欲求してるな、とか。隠してると思うけど案外バレてるんだぞ。俺以外にもな」
「そうか....」
「まあ、この旅が終わったらもう会う事はないが仲間には変わりない。うむ、こういうのが個人的に好きなんだよ。今は無き伝説のあのパーティ見たいな奴。凄みが増す」
「.....」
翌日、勇者達はいくつかの新しい馬車に乗って移動する。
バルトマンとフロイデ、さらにヴァイオレッタの討伐をする為、此処からは別行動を取る。
「途中で仲間に出来そうな奴は仲間にする!良いね?」
「まだ仲間増やすの?」
「いや、今のままだとどの悪魔にも勝てる可能性は低い」
「伝説のメリケンサックはどうなったの?」
「任務のみが仕事じゃない。斬るべき悪を見逃せと?」
「……」
バルトマン討伐は、フユキ、ターブチ、勇者、インガ、ブライアン、風我見。
フロイデ討伐はムトー、ノヴァ、博士、エリアス。
ヴァイオレッタ討伐はセルティーナ、マヴロ、シャルロット。
「バルトマン討伐で役に立つのって勇者と風我見くらいだろ……」
「フロイデ討伐は何か懐かしい感じがするね。いや何となくメンバーが……」
「ヴァイオレッタ討伐はまさに頂上決戦……」
「全員討伐したら魔王の元へ行こう。多分、戦う事になるから仲間をとにかく増やす。仲間がいれば何とかなるモンだから」
こうして、悪魔地区での旅が本格的に始まる。