複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.359 )
日時: 2016/11/14 16:27
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

バルトマンの討伐の為に、襲われている町を追いながら馬車に乗って走る。

「……悪魔地区になっても暇だな。天使地区って無いのか?」

風我見は悪魔地区の写真を撮る。

「あるみたいだけど何処にあるかは誰も証明出来ていない!」

すると、ブライアンが魔物に囲まれるバイオリン弾きの女性を見つける。

「勇者殿!女性が魔物に襲われています!」

勇者達は女性の元へ行く。其処には軽やかなバイオリンの音色が響く。

「違う……魔物達は女性を襲おうとしていない。女性が聞くバイオリンに酔いしれているだけだ」

女性は勇者に話す。

「こんにちは。今日も良いお天気ですね」

「うむ、悪魔地区だからほぼ空が紫だが……」

ブライアンは驚く。

「勇者殿。彼女は世界的な大富豪パウンド家の令嬢、メープル=パウンドさんですよ……」

メープル=パウンド。礼儀正しく繊細で泣き虫だが非常に優しい。
プラチナブロンドのボブへアに大きな緑色の瞳、肌は雪のように白い。服装は赤のゴスロリ風が多い。

 バイオリンを演奏し動植物を操る。周囲に存在する小動物や大木などを自由自在に操り、植物に宿っている精霊などにも効果を発揮するため、防御、攻撃力共に絶大な力を誇る。

特技や趣味はバイオリンの演奏、お菓子作り、乗馬、歌、動物の世話。

勇者はパウンドを見る。

「ああ、マルナカ帝国とハジ王国の戦争をじゃんけんで全て解決すると言う法令を出したパウンド家か……。このお陰で全ての戦争が無血で終わると言う偉業を成し遂げる事が出来たんだ」

「政府同士の争いに大富豪が介入したのか?そんな事が……」

パウンドはバイオリンを閉まう。

「もしかして国を何度も救った勇者さんですか?」

「ああ、俺は勇者だ」

パウンドは感動して泣く。

「何故泣く?」

「私は昔、家族に勇者さんの話をしてくれました。前から私お友達になれたら良いなって思っていたんです」

「ほほう、中々良い教育を受けて育った様だな。俺の話をするなんて……」

「天狗になってまっせ!」

「ブライアンはパウンド家の事知ってたらしいけど何かあるのか?」

「勿論、パウンド家は差別を嫌い、相手がモンスターや超能力者であっても分け隔てなく手を差し伸べる。誰に対しても丁寧な口調を崩さないと言うのは躾の賜物ですね。

莫大な財産を駆使して学校や図書館、劇場、映画館、病院などを作り世界中の困っている人の支援に積極的に活動している。特技のお菓子作りは有名な料理評論家も感激するほど絶品。

私も、パウンド家のお陰で奴隷から解放されたので良く知っていますよ」

「はい、私達パウンド家はそのような行いを行う事は当然です。例え、魔物だとしても悪魔だとしても私は一切の差別をいたしません。ただ、私は人間、魔物、モンスター関係無く悪人は見逃せませんっ!」

魔物達は勇者たちを怖がる。

「怖がらないでください、もう大丈夫ですよ」

「……どうしたんだ?」

「貴方に憧れるが余り勇者と名乗る人達が多く出現しています。しかし多くの勇者達はれべるあげ?やけいけんちかせぎ?と言う名目で大量殺戮を行っています。挙句の果てには調教、催眠、洗脳。動物もそうなのですが、遺伝子組み換え、品種改良等。

金儲けの品種改良のせいで死んで行った猫等の動物やスライム等のモンスターが可哀想です。

ペットショップでも金で売られる動物達。人身売買は違法でどうして動物の売買は違法じゃないんですか?」

「まあ、無意識の差別と言うのは人間にとって当たり前の現状になっているからな。動物は売られて当然、と言う無自覚に他の生命体を見下す人間。ある意味人間は退化しているかもな。まあ、無自覚の差別を無くそうってなると極論だけど害虫も害獣もゴキブリも寄生虫も植物も野菜も命だ!殺すな!って言う事だし。それより何より、我々動物食べて生きてるし」

インガは話す。

「まあ、此処で話しても何も変わらないでしょ。そんな事言ったって、国は過保護やんけの一言で終わりだろうし」

「何で大阪弁なんだよ……」

パウンドは話す。

「私は生命体を食して生きていますのでいつも感謝の意を込めて食しています。蜂等の害虫は駆除せず、決して自己満足にならない様に他の虫達の影響が及ぼさない程度に巣の移動等を行っています」

「……そうだな……。てか、パウンド家やっぱ凄いね」

パウンドはお願いをする。

「ご迷惑かもしれませんが勇者さんやブライアンさんに同行させてもらって宜しいですか?正直、此処の地区怖くて泣きそうだったので」

「まあ、行き先はバルトマンって言う悪魔の討伐だが……」

「大丈夫です。精霊達が守ってくれます」

「それじゃ……」

勇者たちはパウンドを仲間にする。

ブライアンはインガに話す。

「女性に興奮しやすいインガさん。今回は興奮しないですね」

「ん?そう言えば……」

パウンドは胸を隠す。

「む、胸がないことはいわないでくださいっ!」

「ち、違う。胸の問題では無く!」

パウンドはこれから行われる熾烈な闘いの清涼剤だった。そして彼等は気分点検に湖で泳ぐ。

フユキは人数分の水着を用意する。

「海の家で売ってたよ!」

「此処は湖なんだが……」

風我見は水着の写真を撮る。

「スクープゥゥゥ!!巨乳の方々がいればもっと……」

パウンドは水着を拒否する。

「泳げないので水着は着たくありませんっ!ましてやビキニなんて、私には恥ずかしすぎて無理です!おへそも見られちゃいますし……」

「まあまあ今後の交流の為に!」

「交流の為ですか……ううっ……」

「泣かなくて良いよ……流石に強制出来ない……。折角、泳ぎを教えてあげようとしたんだが……」

パウンドは溺れない程度の水辺でスクール水着になる。

「な、何で……スクール水着なんだよ。今の社会においてそんな文化は無い!」

風我見は写真を撮る。

「そんな固い事言うなよ!恐らく人類初のスクール水着だぜ!スクープ!!!!」

「はわわわわっ!や、やめてください、そんなにみられると恥ずかしすぎて死んじゃいます〜!!」

勇者達は数日、休憩を取りバルトマンの元へ向かう。

「バルトマンの衝撃するルートは大体分かっている。なので襲撃するであろう町に先に来て準備をする。相手は悪魔だ。油断は絶対にするな」

そして、悪魔地区4丁目ミスターサターンシティに着く。

其処には別の勇者がいた。

「……」

「おお、勇者!格闘家!久しぶり!」

「ん?お前、ケットーラか!」

「あ〜ケットーラ!誰だが分かんなかったぞ」

「いやはや、千年戦争が終わってから会って無かったな」

パウンドは質問をする。

「誰ですか?この勇者もどきさんは」

「いやいや、俺も勇者だよ」

「……?」

勇者は解説をする。

「勇者は職業みたいな感じだな。だから、君と会った時に言っていた多くの勇者がいる。別に俺が元祖勇者って訳じゃないからね。それだけ勇者が特殊って言うのが分かるだろ。ハッキリ言って誰でも勇者になれるんだよ。

ただ、勇者は自ら名乗っても意味が無い。周りから呼ばれて初めて勇者になれる。まあ、強制的に勇者にされるって奴も聞いた事があるけどな。

俺は前者。名前が勇者だから」

ケットーラは話す。

「全くお前のせいで俺達、勇者は偽物扱いだ。だから、名誉棄損で金払ってくれよ」

「……な、何でだよ」

「いや、マジで。俺は王国から依頼も来ないし一般人からは偽物呼ばわりされている。な?少しくらい金くれよ」

「そ、そうか」

「はっはー!ありがとさん!これでパチンコ出来るぜ!これからも定期的に行くからな!……いや仲間にさせてくれ!」

「……仲間か、良いだろう」

「良いのかよ!?」

ケットーラが仲間になった。そして、悪魔バルトマンがミスターサターンシティにやってくる。

「皆さん始めまして私が世紀の奇術師ことバルトマンです」

そう言って住人達をボックスに閉じ込める。

「どうやら勇者御一行が私を討伐しようとしていましたね。残念ですね。普通の悪魔なら見事に騙されていたでしょう。だけど、私は上級悪魔【バフォメット】。魔女に崇められる存在です」

「……バフォメットだと……予想以上の悪魔だ」

パウンドは質問する。

「どのくらいですか?」

「上級六大悪魔の一人。簡単に言うと魔王等の最高級悪魔のみに従える幹部クラスの悪魔だ。幹部が動くレベルって……」

「だから良心が一ミリも無さそうな心の闇が浮き出ているんですね……!恐ろしいです」

「これはスクープだぜ!だが、俺達が倒したらもっとスクープになるぜ!」

バルトマンはステッキを振り回す。

「シャルロットさんがいれば素敵なカードゲームが出来たのですがね。まあ楽しみは後で取っておきましょう。今は貴方達を驚かせたい。死に狂うほどね」