複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.363 )
日時: 2016/11/15 20:08
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

バルトマンは拳で風我見と殴り合う。

「チッチッチ.....奥歯まで全然響きませんよ?」

「出来ればしたくないが、お前をカメラで封印出来れば……」

勇者はパウンドの能力で出来た薬草を食べる。

「まずい!なんだこれ!え〜?」

「そ、そうだ、薬草クッキーを造りますね!」

「クッキーの材料も造る設備も無いよ……」

「……ご、ごめんなさい」

「いやいや大丈夫。てかパウンドのせいじゃないし」

勇者は考える。

「うむ……」

インガは伝説の杖を勇者に向ける。

「……これは」

「一回くらい使ったってバチ当たらんだろ」

「……」

「修学旅行で買った木刀で悪魔を大量に斬ったお前に戻るんだ」

「戻るって……俺まだ現役勇者だぞ。バリバリ現役」

「……お前はあの時から名前を捨てた」

「……」

「もう一度名乗れ。お前の名前を」

「おお、勇者よ。死んでしまうとは情けない」

「……教会の無責任満載の台詞だな」

「俺は千年前からそうやって生まれ変わってきた。俺は何回死んでも勇者だった。もう、俺は名前を名乗る理由はない。俺は勇者と言う肩書があるだけで……」

「バッキャロー!」

「……」

「前のパーティもその前のパーティもずっとお前は優しい勇者だった。だがな、そのメンバー達がどうしてるなんて知らないだろ。お前」

「知る必要はない」

「もう良い……もう良いよ」

勇者は檜の棒で立ち向かう。

「どう言う事ですか?」

「あいつは千年前から勇者を名乗り続けている。名前を捨てて。千年戦争が始まった時から。誰かを殺すと決意した時から」

「……」

「ただ、これはあいつが望んだ事じゃない。あいつは勇者になんてなりたくないんだよ。その葛藤としてまともな武器は使っていない。迷惑な葛藤だがな」

「どうしてそんなに知っているんですか?」

「ハジ王国完璧ガイドって言うエリアスと博士が創った攻略本に載っていた勇者の歴史を暇つぶしに見てな……!」

「浅い理由ですね……」

「あいつは不死身だ……。攻略本の562Pに載ってる。死んでも教会に蘇ると言う超能力を持っている」

「……微妙な能力ですね!」

「肉体が滅んでも分子分解されても何故か教会で身体が元に戻り目覚める」

勇者は叫ぶ。

「俺は人間だ。死ねるんだ。千年もこんな事やってると頭が狂いそうだ。いや、千年と一年辺りか1001年か。面倒臭い……」

バルトマンは笑う。

「悪魔は1000年なんて普通ですよ!」

「だから嫌なんだよ!悪魔と同じレベルの寿命なんてこっちから願い下げだ。バッキャロー!」

「人間は精神が弱いからですかね?」

「千年で何人、極悪人や極悪モンスターを殺したと思ってんだよ!人は極力殺したくねーんだよ!だから檜の棒使って殺さない程度に痛めつけてんの!……悪魔に言っても無駄だろうけど……」

「.....」

すると、一つの閃光が眩く光る。バルトマンは呟く。

「魔王からのお呼び出しです。戦闘はまた後日。ではマギカ・キリング....!」

勇者達は鎖に繋がれる。

「これは脱出マジックか?」

剣、炎、水槽等が勇者達に向かう。

「私、勇者の事結構気に入ってますよ。だって色んなマジックで殺せるんですから。しかし驚きが....」

バルトマンは消える。

パウンドは精霊を少しずつ呼び出していく。

「妖精を呼んでくれるかもしれません……」

「そうか……俺は大丈夫だ。教会で蘇るから」

「……」

一方、フロイデの方にも閃光が見える。

「....せめてノヴァを殺してから」

すると、魔王がフロイデの元にやってくる。

「悪魔同士が戦争とは我々の知能は人間にまで下がったのか?」

「....」

「言っておくが俺は殺せない。一番分かっているだろ。フロイデ、いやIBAH」

一方、ヴァイオレッタにも閃光が見える。

「タロットカード一枚で帰らないといけないなんて残念ですね。もっと遊びたかったのですが。これも完全に能力を発揮出来ない強者の定めですね」

ヴァイオレッタは閃光に向かう。

「待って....僕はまだ負けてない!」

「ひとまず下がるしか無いわ。シャルロット」

バルトマン、フロイデ、ヴァイオレッタは魔王の元へ行く。

「俺はもう何も殺したくない。だから余計な事をするな」

「魔王....」

ヴァイオレッタは呟く。

「そうですね。千年戦争後、殺戮に疲れるまで部下を罰としてひたすら24時間殺し続けた訳ですから」

「ああ、一年間、俺は人を殺し続けた。数は千年戦争の死者より多くなってしまった。そのせいで部下が本当に少ない」

「....」

「俺は勇者の気持ちが良く分かる。俺の寿命はわずか一週間って言うのが大きな違いかもしれないがな」

魔王の傍には同じ姿をした魔王がいた。

「クローン....」

「そう、昔の年齢を大量にクローンとして記憶を統一させて制作すれば良いが、それだと俺は勇者と同じ不死身の化け物だ。これでも俺は普通に生きたい性分でな。ちゃんと寿命で死にたいんだ。交通事故とか戦死は嫌だよ。痛いからね……」

「...しかしこのままだと次期魔王候補が分からないまま寿命を迎えます。なので事前に魔王候補を決めておこうと....」

「だから悪魔同士で戦争しろって思わんよ。話し合いして決めよ。んでとっとと人間と共存の道をね。もうハジ王国には伝説のメリケンサックを貢献して貰ったから」

「...随分と勝手な事を」

「これからの時代はね。悪魔には無理。これからは悪魔が人間のフリをして生きる時代が来る」

「....」

「もう血を見るの嫌だ。グロいの嫌だ。もう魔王嫌だ。ね?俺のクローン全部殺して良いからさ。それで許して……」

ヴァイオレッタとバルトマンとフロイデは魔王を殺す。しかし他のクローンの魔王はほぼ自爆をして悪魔達は滅んでいた。

「.....これって....」

久々に魔道士が現れ叫ぶ。

「ぐあああああああああああああ!!!!!……また悲劇が繰り返される……」

後に悪魔が死んだ日としてこの後の歴史に深く刻まれる。

勇者達はパウンドに呼ばれた妖精たちのお陰で助かる。

「……」

ターブチは呟く。

「魔法。魔法。魔法。悪魔地区全体に大きな魔力が出ている……」

「どう言う事?」

「……あの時と同じだ」

「……」

ターブチは話す。

「私は元々身分を持っていませんでした。つまり奴隷と同等の存在でした」

「この国には私達パウンド家の指示において奴隷制度はありません」

「だが、当時の者達は隠れてかつて奴隷だった一族を奴隷扱いしてきたのです」

「そんな……」

「勿論、パウンド家もその事実をいずれ知ります。ただ、政府の奴等は奴隷扱いした奴等を自害させると言う禁術魔法で自殺させ、パウンド家の者達を記憶消去の魔法を使って無かった事にしたんです」