複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.364 )
日時: 2016/11/16 15:01
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

魔道士は黒幕と話す。

「……これは俺達の中では奴隷大虐殺と呼んでいる」

「犯人は誰だ?」

「悪魔地区の魔王とハジ王国の国王だ」

「……なんだと……」

「だからハジ王国に唯一反論出来る反ハジ王国派のリーダーのブラック。貴方に協力をしてハジ王国に伝説の剣で反乱をするつもりで……」

「ああ、お前の目的は分かったが俺の目的はまた違うぞ?」

「……知っている。マルナカ帝国とハジ王国の正式な戦争だろ?」

「そうだ、あんなじゃんけんもどきを続けていたら折角の魔法や剣の技術が勿体ない。あれは宝の持ち腐れだ。……そうだと思ったがお前の言っている話だと国王達は裏で魔法を乱用していた様だな」

「そう、俺の父親は自害をさせる魔法と記憶改ざんの魔法を唱えた魔法使いだ」

「しかし魔王まで絡んでいるとは……と言う事は魔王と国王との戦争の千年戦争は?」

「あれもただの茶番だ。魔王と国王が裕福な暮らしをする為の金儲けの為に戦争をしていた」

「……それを千年も……」

「ただ、魔王は罪悪感から精神がおかしくなってるらしい。だから千年戦争の内の此処百年は一切、魔王からの出撃は下されていない」

「……」

「そして今、国王は催眠魔法を魔王に発動。洗脳され訳の分からない理由で悪魔達を自爆させている」

ターブチは全て話す。勇者は唖然とする。

「それじゃ俺の千年は全て茶番だったと言う事か……国王……」

「すまない。俺も当初魔法にかかって忘れていたが、マヴロと言う魔法を喰らい尽してくれる能力を持つ黒猫が俺の魔法を食べてくれたんだ……。言いづらかったけどな」

パウンドは話す。

「ではすぐに一家の者達に連絡させましょう!これは大事件ですよ!」

そして国王は巨大なゴーレムと共に現れる。

「……伝説の剣、伝説の杖、そして伝説のメリケンサック……グローブで良かった気がするんだけどな……まあ良いや。先人が馬鹿なだけだ」

勇者達は馬車で逃げる。

「とにかく、約束の場所へ行こう」

「約束の場所?」

「事前にスマホの無料通話アプリで待ち合わせ場所連絡してたんだ」

国王は叫ぶ。

「あの厄介な魔王も死んだ!そして伝説の剣の守り神!名前はジン!

空間と時間を越える戦闘用タイムマシーンだ!パラレルワールドにてカイと言う男が創った最強の兵器!」

「カイ?」

「ネームレスと呼ばれる世界で彼がいくつものパラレルワールドに配置したタイムマシーン!この世界は選ばれたのだ。光栄に思え」

そして約束の場所にはシャルロットやシスイ達がいた。

「うお、初対面の人がいる!宜しく!」

「挨拶してる場合じゃないでしょ。ラスボスが物語中盤に待ちきれなくて現れたわよ」

国王はご乱心。

「勇者よ、お前がチンタラチンタラ旅をしているせいで魔王が精神崩壊してしまったではないか。ドラゴンの様に直ぐに殺せば俺はちゃんとラスボスとして降臨出来たと言うのに」

「とりあえず、俺の千年返せよ」

「黙れ、殺す事しか取り柄の無い無能が。勇者なんていくらでもいる!お前がどうなろうが知るか!」

「……そうだな、俺は勇者だからな」

インガ達は構える。

「此処は一騎打ちでやりたい」

「戻るのか……」

「ああ、戻るさ。俺は勇者になる」

「……」

「ただ、敵の前のみだ」

勇者は伝説の杖を持ち叫ぶ。

「我は勇者!貴様等に名乗る名前は無い!名前を名乗る時は友の前で十分だ!」

「黙れ!」

勇者は国王に杖を向ける。

「魔法使いでも無いお前に何が……」

「剣だったらお前は死んでいたぞ。俺の手元にあったのが杖で良かったな」

勇者は杖をフルスイングしてゴーレムの頭を叩き割る。ついでに国王も吹き飛ぶ。

ゴーレムは国王を連れる。

「ゴーレム!?何を……」

「時間転位を開始。イエスタデイ・ワンスモア」

ゴーレムは国王を連れ消える。

勇者は呟く。

「初めてだろうな。魔法の杖をバットにした奴って……」

その後、魔道士とブラックと言う剣を盗んだ事に関しての黒幕は国王の悪事を暴露。さらに、魔法の乱用禁止令が出される。悪魔達は魔王の予言通り、人間に紛れて暮らさなくてはならなくなる。

「魔女はどうなるのかしら?」

「悪魔地区とハジ王国はまた違う。いままで通りで良いと思うよセティ」

「お前一人で旅をしてた方が楽だったんじゃ……」

「……か、帰るぞ!帰ろう!冒険、終わったし!やっぱ、明確な目的とか無いとあんまり達成感でないな!次の冒険はちゃんと……」

「もう冒険したくない……しかも黒幕国王なら報酬ゼロじゃん……」

「まあまあ、行こうぜ!何ならこのままのメンバーでさ!」

「そういえば、お前の名前って何だ?」

勇者は答える。

「俺の名前は……」




数年後。


魔道士は国の大臣になっていた。

「おい、魔道士の大臣」

「ややこしいですね。黒幕の国王」

「……結局、魔法は必要最低限になったせいで不便になったな」

「でもそのせいで戦争も普通に戻ってしまいましたが魔法は使われなくなったので大きな被害はありません。やはりそれ相当の刺激が必要と言えるべきでしたね」

「殺し合いは儲けになるぜ……」

「失言は行けませんよ。パウンド家は圧力をかけようとしてますから」

「全く何処から情報が漏れているんだか……」

魔道士は現在、パウンド家専属のスパイになっている。

ターブチは勇者とのパーティから外れ、天使地区にいた。

「……素晴らしい機械の数々。これは?」

「発電所だよ?」

「成程、これを人間社会に持っていけば魔法よりは劣りますが、科学と言う皆が平等に使える事が出来ます」

天使達はポカンとする。

「魔法は人を限定させる。ただ科学は誰でも出来る。科学に才能なんていらないんです」

ターブチはその後、命と引き換えに大量の化学を地上に降り注ぐ。ただ、これからの歴史に登場する事はない。

そして、ドラゴンの巣で対峙していたアクトは勇者とシャルロット達を追いかけ苦しませる。

「300戦目です。そろそろ死んでもらいますか?」

「こいつ、国王よりも厄介だよ!ゼンクリしたろ!何?裏ボス?」

「僕は負けない.....同じ騎士道を歩む者同士。ヴァイオレッタをもう一度探す為に僕はこいつを殺す」

「良いですね。イジメたくなりますよ……!」

騎士道は愛、家族、友、自分、金、名誉でさえ捨てて戦う。あるのは誇りのみ。それで死ぬ理由になる。生きる理由になる。

風我見は一人でスクープを撮り続ける。

「人生はスクープ!まだ見ぬ世界が俺を待っている!俺の旅は終わらない!」

そう言って、彼は仙人と対峙する。

「人生は鍛練じゃ。お主とは拳で語り合おうじゃないか」

そして、シスイ、エリアス、博士は森に戻る。

「楽しかったなー!冒険!またやりたいなー!」

「残念ですがエルフの子孫繁栄の為頑張ってもらいます」

「僕まだ子供、頑張るの速いと」

シスイは人間達を見る。

「山賊……。歓迎して」

エルフの森に入ればどんな悪人でもそこそこまともに戻れる森として有名になる。

「金を出せ!エルフ共!」

「貴方では越えられない壁を見せてあげる……ちゃんと改心してね?」

ブライアンはパウンド家の執事になる。パウンドは蟻の巣の移動をしている。

「アリジゴクさんが生息してる場所には入らないで下さい!アリさーん!」

「アリに話しても……」

パウンド達の様な人々がいれば勇者なんている必要無い。パウンド家は勇者が普通の人に戻れる様な世界を創る。

尾崎は一流の企業に就職する。

「さて、私は勇者様の様に社会貢献するか。……勇者様に会ったのはラスボスの時の一回だったが……」

ケットーラは何と魔王になっていた。

「クハハハハ!」

地味に闇落ちしていたケットーラは、勇者と魔王と言う役職をした唯一の人間になる。ただ、いずれも自称。

「バルトマン!フロイデ!ヴァイオレッタ!俺についてこーい!」

セルティーナとマヴロ、シャルロットは勇者と共に今度こそヴァイオレッタ討伐にと気合いを入れる。

「この旅は長いぞ……」

「何か言ったか?」

「ハーイ♪愛しのシャルロットちゃん.....」

「止めろ。僕にそう言う趣味は無い....」

「賃金とかどうでも良いのか?なあインガ」

インガは絶望してる。

「うるさい!俺は財務士クビになったんだ!欠席し過ぎでクビとか!ブラック企業かよ!」








「バルトマン……」

フユキの前にはバルトマンがいた。

「勇者の情報を吐いて下さい。彼等のせいで私達は人間のフリをしなければならないのですから」

「私は……」

「ならこの寄生生物を体内に入れましょう。自業自得です」

「止めて!」

フユキは会場で公開処刑される。

「人間の断末魔最高だぜ!」

「殺せ!殺せ!殺せ!殺せ!」

「人間の匂いを嗅ぐとどうしても殺したくなる衝動に出るんだよ」

バルトマンは呟く。

「私は悪魔。人間に名乗る名前なんてありません。さて始めましょうか、逆襲を」

この世界ではこの日、悪魔が蘇った日として歴史に刻まれる。


我は勇者 完