複雑・ファジー小説

Re: return world【オリキャラ募集中】 ( No.379 )
日時: 2016/11/28 17:49
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

君島と滝の元に、もう一人の女性が現れる。

「君島。滝の試合は決まったのかしら?」

「ああ、あの少女だ!」

茴香は呟く。

「わたしはひとりでもだいじょうぶってことをおかあさん、おとうさんにみせないと.....」

女性の名前は暁 紅乃(あかつき あかの) 。赤髪の美女。薔薇の髪飾りが特徴。深紅の着物を着ている。刃物を入れた鞄を持ち歩いている。

暁は蔑んだ目でセヴェルト・オースツジと茴香を見る。

わたくし達、ユーレッドと闘う意味を知っているのかしら?死ぬ覚悟があるんですって……?」

「ユーレッド?」

滝は解説をする。

「はい!私達の組織名!今はEランカー30人、Dランカー16人、Bランカー4人、新人Fランカー10人で構成されているよ!」

「23歳で中学生って言う件はもう良いのか?」

暁は呟く。

「他のFランカーの地区は植民地状態で、新人狩りも始まってるみたいですのよ。私達も潰しておかないと」

君島は叫ぶ。

「……Sランカーの派閥を潰す為にはやむを得ない犠牲なのよ。だから、貴方達全員死んで頂戴ね?薔薇サイボーグのトゲに刺されて美しい薔薇に血をあげてくれるかしら?」

「この期待の新星。お前達を潰すぞ!そして俺は……名乗りを上げるんだよ。いや〜痺れるね」

「貴方ごときがAランカーの相手になる訳ないですのよ。それに、暗黙のルールとして上のランカーが下のランカーに、試合を申し込む事はタブーですの。

だって雑魚に対して一勝したのと、同レベルの相手に対しての一勝は全く別の価値ですから」

「……んー、良く分からん。とりあえず戦ってくれよ。俺にも通り名が欲しいんだよ」

すると、一人の女性が割り込む。

「初めまして。モルド・ホワイトハートです。探し物は、ありますか?」

「こ、こいつは……同じAランカーのモルドだ!」

「……だから何ですの?」

滝は解説をしようとするがモルドに止められる。

「私のご紹介はこの無意味なリンチに決着を付けてからにしましょう」

「……モルド・ホワイトハート」

「私は弱い者いじめが大嫌いなんです。私は必ず変えて見せます。この世界を」

君島は暁と滝を連れて逃げる。

「明日、朝7時に試合の予約は取ってある。遺書でも書いて待ってな!私達、ユーレッドに目を付けられた事を後悔しながら死んで行け!」

モルドはセヴェルトと茴香に話す。

「良かったです。これで私一人相手して勝てば……」

「ああ……俺、戦いたかったんだけどね」

「そうなんですか?この超能力を悪用されている世界に染まると?」

「そうじゃなくて……いや、何でも無い。通り名が欲しいとか馬鹿馬鹿しいよな……」

茴香は戦闘準備を始める。

「わたしはたたかいます。ぜ、ぜんぜん、こわくないですよ....」

「……無理しなくていいと思うけどな。Fランカーだし」

「セヴェルトもFランカーです....わたしはつよいけど....」

「俺だって……」

モルドは話す。

「自分は強いと言う自信は大切です。ただ無謀と勇気を履き違えないで下さい」

「まあ、そうだね。うん……」

茴香は不貞腐れる。

その様子を何人かのFランカーが見ていた。

「……また、此処に墓が増える」

「隠れないとまたやってくるわよ……」

「馬鹿な奴等だ……」

一人の男性は呟く。

「俺はまだ終わってないぞ」

刀根とねさん。もう終わりだよ。あー……腹減った……何も支給さえされないこのランクじゃ……」

翌日、セヴェルトと茴香は早朝に試合会場へ行く。

「百子。お前はホワイトハートに言われた通り大人しくしてろよ。その代わり、え〜と……誰かの試合を生で見せてやるから」

「.....」

「ホワイトハートにチケットをねだった甲斐があるもんだな」

実況は叫ぶ。

「さて、今回の試合はDランカーがBランカーに下剋上!この戦い、当たりか外れか大いに予想をお楽しみください!

Dクラスはイラージェス。超能力を使わないものの、戦闘能力は殺し屋並!
35勝23敗0引き分け!
現在、派閥に入っておらずフリーです。再就職先の派閥を考え中との事。

そして、Bクラスはあの、哀川博士が創り上げた怪人!ナンバー344!

通り名は、気ままな渡り鳥!230勝0敗30引き分け!

人気ランキング300位!愛くるしいキャラが動物ブーム人気に火をつける!」

ナンバー344はペリカンの姿をした生物兵器。プライベートはまんまペリカン。魚が主食。

この様に派閥以外にも科学者が生物兵器を創って活動している事もある。

ナンバー344は羽でシャドーボクシングをし始める。

「僕は君と相手をしている暇は無いんだ。それにさ、早くヒワノが創りあげた怪人シリーズを抹殺しないといけないのに……」

ダガーH88と言うダガーナイフを持つイラージェスは叫ぶ。

「イラージェスです!気軽にジェスって呼んでね!」

「……まあまあ僕は人を殺すって事は嫌いでね。イメージとか大事にしないと駄目じゃんか。最近は哀川博士のスポンサーのマスコットキャラとして大抜擢だし。しかも、僕の名前からサンシシ(344)ちゃんだなんて呼ばれてさ〜」

「はっはっは。大丈夫!今日はちょっとした実験をしたいと思って!怖いけどね。私の発現された超能力を確認したいと思って!」

「思った事を直行し、早朝で殺し合い?全く、スケジュールをマネージャーに再確認しないと駄目じゃないか!迷惑かかんだよ!お前のその訳分かんねぇ決断でよ!せめてさっきの事を共演する時に言っとけよ!どう言うスタンスで来ればいいのか分かんねーじゃねーかよ!」

ダガーナイフと言う小刀でイラージェスはナンバー344の羽を斬ろうとする。ナンバー344は飛行する。

「僕の性質は何でものみ込める事。んで、後は口の中で収納が結構出来る事。にたにた笑ってる暇があるなら命乞いしたら?早朝は僕の嫌いなカモメがうるさくてね。イライラしてんだよ」

ナンバー344は口からタイマー式の爆弾を大量に吐きだす。

「んー、面白いけど汚いね!よだれが……」

イラージェスは超能力を発動する。

彼女の超能力は不可能と可能をに入れ替える能力(例えば、1+1を解ける可能と方程式を暗算で解く不可能を入れ替える。など、反転させることができる。)

「つまり、誰も出来ない事を可能にする代わりに誰もが出来る事を不可能になってしまうって事〜恐ろしいね〜。例えば、私が空を飛べる代わりに腕の機能を失うとか」

イラージェスは靴を脱ぎ浮遊する。ダガーナイフは足で掴む。

「さらに、足の機能を失う代わりに足を腕の様にする。ははっ……超能力って恐ろしいね」

「人間の本来無い機能を可能にし、人間の本来ある機能を不可能にしたのかい。
これは御苦労だったね。これで僕は動揺し見事に負け、イラージェスの下剋上は達成される。

でも、僕はさ接待は大嫌いなんだよ。そりゃ接待出来れば僕だって好感度上がるし実際やってたし、太鼓持って上げまくったよ。

だが、そんな闘い、つまんねーんだよ。君は良いと思うけどさ。真剣勝負の醍醐味が全くねーんだよ!力と力でぶつかりあって勝てよ!

DクラスがBクラスに勝てる訳無いだろ!僕の努力を無駄にするな!モブキャラだからって……人生賭けてんなんだよ。なめんなよ」

ナンバー344はイラージェスに向かって口を開ける。口にはガトリングガンが用意されており、そのままイラージェスに撃ち込む。イラージェスは浮遊する。

「僕は勝つ。絶対に!」

「……あのさー、私は戦闘能力だけでDクラスなの。其処に超能力がプラスされてるんだよ。だったらさ、私がBクラスに勝つ事はさ、無限大なのよ。

出来ない事をやらなきゃいつ、下剋上が出来るのよ!

不可能を可能にすれば、私の出来る事は無限大よ!

出来ないって決めつけた時に貴方はもう負けてるのよ。……本当に恐ろしい超能力。

可能性を無限大に広げるからね……ふふん。私だって接待で満足する訳ないじゃーん」

ダガーナイフをナンバー344に向ける。

「ぐわっ!た、助けてー!助けてー!」

「一刀両断出来ないこの小刀もダイヤモンドも斬れる事が出来る!大丈夫、殺さないよ。だって私、動物好きだから。特に猫」

ナンバー344は一刀両断される。くちばしからは大量の武器と日用品とネタ帳とゲーム、スマートフォン、お金等が吐き出される。

「貴方のくちばしも無限大ね。敬意を表するわ。私はランクを上げて、私に超能力を与えた恐ろしい奴を探すわ。哀川博士は違った見たいだから次は……」

「……ネタキャラにしては頑張った方だろ。ぐあああ……痛い。マジで痛い……。哀川博士、万歳!」

ナンバー344は倒れる。

セヴェルトは見守る。

「……次はホワイトハートか」