複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.419 )
日時: 2016/12/19 19:00
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

大木はメープルの家にいた。

「ペットの猫です。また拾ってきちゃいました!」

「捨て猫、何匹拾うんだよ……」

「……?普段なら猫は大嫌いだってそのままトイレに籠るんですが……」

「……」

(そうだ、いつもと違う雰囲気を出し、その上で入れ替わりの事を話そう。信じて貰わなくても別れる事は出来るはず!うん、流石にずっとこの状況はメープルが辛い。愛した人が別人格なんて。後、俺も辛い)

大木はメープルに優しく接する。

「大木さん……」

「あ、気付いたか……。俺、実は」

「みゅー!」

すると、エミュがメープルの部屋に入り、ペットの猫を可愛がる。

「……」

「あ!大木だミュ……帰れミュ!また金借りに来たかミュ!」

大木はまた逃げる。

「全く、懲りない奴ミュ!」

「……大木さん、人が変わったみたいに優しくなりました……」

「ミュ?」

「もしかして、私、捨てられるんですか?私が全然ダメだからですか?」

「ち、違うミュ!」

後日、大木はメープルとデートをする。

「このバイオリンの音色って凄いんですよ!」

「……あ、ああ。メープルさん」

「あ、もしかして海の事考えてました?私は泳げないんで駄目ですよ!それにましてやビキニなんて、私には恥ずかしすぎて無理です!おへそも見られちゃいますし……。

後、なんでメープルさんなんですか?メープルって呼んで下さい!」

「メ、メープル……」

大木とメープルは周りから見れば円満の恋人関係にあった。

(……何、やってんだよ俺……。メープルに惚れてる。別れないと。向こうは大木として好きになっている。こんなの駄目だ……)

ベリーベルはパイプを吸いながら大木に話す。

「どうでも良いけどよ、暗殺者が恋愛してるってどうなんだ?」

「……暗殺者だって恋するんだよ」

「汚い台詞吐くよりお前自身がどうなるか分かってるのか?」

「……俺自身?」

「いや……何でも無い。勝負は9月だ。面白くなりそうだ……」

「……?」

大木はペットショップにいた。

(何故だ?何故俺はエデルの元にずっといるんだ……。確かにプライベートで遊んでるのはパーヴェル、大須賀、ミスターH。最近は霊犀やブリエとエクラと遊んでるけど……。

俺は暗殺者だぞ!?もっと頑張らないと……)

「大木ー!ふえええええ!!凄いねー!」

「何が?」

「だって直属部隊の試験に合格したからー!私と一緒に暗殺出来るなんて嬉しいー!本当にびっくり!」

「ああ……」

直属部隊の試験は北沢から発表される試験を行う事。合格者は大木のみ。パーヴェルと大須賀は不参加。その他は脱落。

ちなみに試験内容はワンスモア・Iと戦闘し制限時間まで逃げる事。

そして大木は後に暗殺者として大きく名乗りを上げる。

雑用の地点でパーヴェルとハームフルの日本支部を壊滅。さらに直前まで、アダムの日本支部の機密情報を盗み出していた。

この地点で大木の存在は各企業に知れ渡っていた。

虚は大木の資料を見る。

「暗殺候補施設ルシファーにて、ベリーベル、藍楷透華等と卒業。でも、これはおこぼれやね。

その後、小林財閥玩具会社ミミーズに就職。そしてミゴ・ロークフとの合併。しかし、一年後に小林財閥倒産。んで、僕に拾われた。

暗殺者切ってのサボり魔でクズと言われた大木が此処まで成長するなんて驚きやね」

霊犀は虚に呟く。

「また、香坂の時みたいに細工を....?」

「今回は何も関与してないよ?何が起こったんかね?」

霊犀もまた、コネ入社と騒がれたが大木以上の活躍をし評価をひっくり返した。

世界最大派閥エンドレス日本支部の子会社の暗殺者達を全員再起不能。天淵一族も大きくダメージを受ける。

「天淵一族もここまで変わるなんて.....助けてあげないと」

「そうやね。君の力は世界を変える。そう、あの極悪殺人鬼、香坂を変えたんやから大丈夫や....」

一昨日の友は昨日の敵になり、今日の友になる。まさしく虚。

大木はエデルと話す。

「もうね!私も大変なんです!」

「何が?」

「ストーカー被害に遭ってるんですよ!恐ろしいぃぃぃぃぃぃ!!!」

「夜は危険だからな。今度何かあったら車で送るよ」

「あ、ありがとうございますっ!!まさか大木さんの車に乗れるなんて!!」

「あ、ああ……」

残間は漫画を読む。

「愛にも様々な形がある。その中で思い通りにいかない愛こそ、ストーカーだ。その愛は決して実る事は無い。

これもまた生きている実感を湧かせてくれる。愛が無くなった瞬間、人は生きている意味が消滅する。何か好きでいられる事が私にとって生きていると言う事だ。生きるとは好奇心。

愛は素晴らしい。その愛が掴みずらいモノ程。得られた時の実感はこの上無い達成感と支配欲が渦巻いていく。

そう、物語を交差させる。

漫画と言う自分の世界から飛び出し、私の物語は恋によりとても豊かになる。

これがロマンチックだ。漫画より現実的で現実より漫画的。

思い通りに行かない方が攻略も面白くなる。だが、だからと言ってこのままで終わる訳ではない。私が一番好きなのはハッピーエンドだからね。違う時間軸でも主人公とヒロインは結ばれるべきだ。

主人公がストーカーだとしても。これも愛だ。今は伝わらないかもしれないがいずれ、伝わる」

残間はエデルを見る。