複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.421 )
日時: 2016/12/21 17:44
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

藍楷は大木を見る。ベリーベルに内緒で大木に近づこうとしていた。

入れ替わりが事実かどうか確かめる為に。

大木は貝田と非常食を食べる。

「ターゲット、補足。トラップに誘導する為警告音を流します。霊犀、宜しく」

貝田はキャラ弁当を食べる。

「それ、何のキャラだ?」

「これはファジーちゃんって言う軌道ナイトガンダーラに乗り込む魔法少女」

「設定詰め込み過ぎだろ……ロボットアニメか魔法少女アニメかどっちかにしろよ」

「いやいやストーリーの完成度は低いけどアニメの演出は素晴らしいよ。アニメで跳ねた作品だね」

「……ターゲット、警告音に従い避難経路に誘導成功。ただちにトラップ発動を許可します」

藍楷は大木に話す。

「あの……」

「……!?」

(藍楷……。アダムの暗殺者で同僚。ベリーベルと仲良かった奴だ……)

藍楷と大木は此処から何度も二人きりで食事をする仲になる。

「……入れ替わり」

「……藍楷、やっと分かってくれた人がいたか……」

「そんな事なんてあり得ないよ」

「……は?」

「簡単に言うと、入れ替わったと思い込まされているだけ。

入れ替わったと言う証明自体は無いからね。

貴方は土井と思い込んでいる。そして土井も大木と思い込んでいる」

「そんな訳……無いだろ!」

「冗談だよ!やっぱ、貴方は貴方だね!」

「ああ。土井って言われる事に違和感を覚えてしまったけどね。俺は土井だ」

「それも証明出来ないんじゃ意味無いけどね」

「……それじゃどうすればいいんだ?」

「貴方は貴方って事。いずれ、今いる貴方に恋をする人もいるかもね」

「……」

大木は唯一入れ替わりを話せる藍楷により気持ちが少し晴れる。

入れ替わらなければ会う事の無かった良き友と出会えた事に幸せを感じていた。

11月。メープルはベリーベルと話していた。

「土井?誰ですか?」

「俺の知り合いだ。前までは大人しい奴だったけど、今は人が変わった様になっているんだ」

「……どうして私に?」

「大木が最近大人しいだろ?まるで人が変わった様に」

「は、はい……」

「会って来い。そうすれば大木が大人しい原因が分かる。

メープル。入れ替わりって信じるか?」

メープルはアダム日本支部付近にやってくる。其処には土井の姿がいた。

「……大木さん」

「……!?」

(メープル。大富豪パウンド家の彼女。エミュとかと仲が良かった奴だ……。何で此処に……)

「何で俺の事を知ってんだよ。……俺は土井だ。もう土井なんだよ!」

土井はその場から去る。

「あれは大木さん……。頭がおかしくなりそうです……何がどうなって……」

土井は藍楷に連絡する。

「クソ女!どいつもこいつも……俺の思い通りにならない!

大木ー!」

土井はスマートフォンを投げ飛ばす。スマートフォンは壊れる事も軌道に乗る事も無く地面にガラスの割れる音を響かせるだけであった。

一方、滓雅は大木と話す。

「それで……」

すると、男性が現れる。

「此処に一人の男性を吊っても千切れない長いロープってあります?」

名前は草野。イエスタデイ・ワンスモア2、3に出演。不運を背負う男で、バツイチ。ミスターH、エデルと同じミゴ・ロークフの暗殺者だったがクビに。その後、見漫間と言うファイアースターカンパニーの社長に出会い、宇宙食を販売する駄菓子屋を設立。

したはずだったが。

「あっという間に閉店で、あるのは開業費の借金。見漫間さんに迷惑かける訳にもいかないし……」

後に、草野は借金地獄に落ちるのだがそれはまだ先の話。

大木は去る草野を見て呟く。

「あんな風にならない様に頑張らないとな。事実上、紙一重だったろうし」

(だが、まだ海外に出るレベルでは無いのは確か。アダム本部で土井を……。にしてもテレビで土井を報道する事は無くなったな。何かあったのか?)

「そういえばテレビで思い出したけど、最近忍者が此処ら辺をうろついているらしいな。

天淵一族か?」

「.....そろそろ潮時かな」

「……?」

忍者達は夜を走る。

「霊犀から嗅ぎつけたが、我々の機密情報を盗んだ虚がいたとは。しかも、我々の敵として。生かす訳には行かないな」

「闕見我が指導者としています。恐らくボディガードでしょう」

「闕見我……。数年前に突如消えた伝説の忍。何故此処にいる……」

「抜け忍の始末。キッチリ受けて貰うぞ」

後ろには、闕見我とフローラ、フランがいた。

「……」

「馬に蹴られて死んで?」

「アフロ飽きたなー。次何、被ろ」

忍者は全員殺される。

「……まだ、忍者は動いている」

「エイトハンドレッドは私達が守るよ」

「……闕見我ー。何か心当たりあるんじゃない?

お前も元忍者だろ?」

「……」

「約束をした。それだけだ」

「約束?」

闕見我は大木と滓雅を見る。

大木は滓雅と話す。

「君は私の事を何も知っていない」

「きゅ、急にどうした!?」

「それがとても苦しい」

「……」

「私は君に何かを知って欲しいとは思っていないからね。知って欲しく無いと言うのがとても苦しい.....

私は君を....」

「それだったら俺もだよ。俺だって……知って欲しく無い事がある。俺は……」

しばらくの沈黙の後、大木は仕事の為に本社に戻る。