複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.424 )
- 日時: 2016/12/23 15:38
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
モンブラン博士さん、オリキャラ投稿ありがとうございます。
キャラクターの方は全く問題ありません。個人的に中世のヨーロッパの王族を思い出しましたね。想像が膨らみます。
ただ、オリキャラの出演は次回の、廻る世界に弾丸を、の方で採用させて頂きます。
確実にオリキャラの出演を満足させて頂く為です。
今までは現在書いている物語終盤に投稿してくださったキャラは無理やり終盤の方で出演させてしまい、私の力量不足でそのオリキャラが活躍しないまま物語が終わらせてしまってました。ですので、次回の物語にてちゃんと出演させて頂きます。少々、お時間を取るかもしませんが宜しくお願いします。
オリキャラを優先しつつ、いかに物語の中で自然に活躍させる事が出来るのかが昔からのモットーですので。
未熟な所もあり、まだまだ理想の様に行きませんが応援宜しくお願いします。
此処からは本編です。
大木はボロボロになりながら部屋に帰る。
「残間……エデル……」
すると、手紙が大木のポストに入っていた。
「大木さん。私、実は残間さんがストーカーって事に気付きました。
相談しようと思いましたが、迷惑がかかるので止めました。
ごめんなさい。勝手にこんな事をして。
だから、全部、全部終わったら、また会ってくれますか?
また、隣で笑ってくれますか?
本当に勝手だけど。
私は貴方の為に全てを終わらせて帰ってきます。
明日……」
その後の手紙は翌日、互いが出会う時刻と場所が指定されていた。
場所はペットショップ。エデルは残間とも仲直りがしたかったのかもしれない。
「……うあああああああああ!!!」
大木は泣き叫ぶ。
「ど、どうすれば……。残間を殺す。でも、奴は超能力とか訳分からない事言ってたな……。いや殺人鬼を信じる方がおかしい。ん?俺も殺人鬼か」
現在、超能力は天淵一族しか使えない。理由は血統らしいが詳しい事は現在も不明。何か裏があるのかもしれない。
時代背景は裏で量産型戦闘用プロトタイプロボット(つまり、試作段階)が開発されている程度。クローン技術は哀川博士等の天才は開発可能な時代。オカルトはオカルトのまま。もう一つ、ジャンルがあるがその部分はいずれ。
一方、残間は動揺していた。
「……な、何故だ。此処はエデルからメール等の遺書があってもおかしくない。
ロッカーで死ぬ間際に私に何かを送ろうとするのが普通のはずだ。
私の考えたシナリオとは違う方向に進んでいる。
このままでは私が彼女を死んだという事実は、エデルの周りの友人程度の情報しか来ない事になる。
彼女にとって私は特別だ。愛があるのに彼女の死を告げられるのは愛も無い友人と何も変わらない時と一緒になってしまう。
私が一番に愛する彼女の死を知るべきだ。
それが愛だ」
すると、残間の元に大木が現れる。
「残間……」
「大木!何故、お前が生きている。私のシナリオが……私の愛する物語が……」
「……」
「私の愛を邪魔する者め。生き帰って直、私の彼女攻略を許さないと言うのか。
だが、私は負けない。何故なら私は愛を信じているからだ」
「お前……」
「最後には、愛は勝つ。
私の能力を見せてあげよう。
全てのモノに幸福を!
コンティニューシナリオ(やり直す物語)!」
時は巻き戻される。
だが、時を巻き戻されている事を知るのは残間のみ。大木、エデルは何も知らない。
残間はエデルの元にいた。
「愛があれば何度でもやり直せる。
今まで、何度運命を変えた事か。運命は変更を嫌うが、私は運命に好かれているからね」
実は残間は何度も同じ時を繰り返していた。
自分の物語の通りにならない時は時を戻し、物語の展開を構築し直す。
「ハッピーエンドこそ、シナリオは美しくなる」
エデルはロッカーの中に押し込められる。
「や、止めて!!!」
エデルは気絶してしまう。残間はエデルの携帯を取り出し、メールを打ちこむ。
「死ぬ前だから言うね。貴方の事が大好きだよ。永遠に愛してるわ。
これでシナリオは完成させる。後は爆弾を設置し、死んだら時を戻し私が彼女をロッカーから救う。そして二人は結ばれハッピーエンドだ」
残間はその場から立ち去ろうとすると、其処には大木がいた。
「……何!?」
「……」
「そうか。通常なら私はもう爆弾を設置して外に出ていたんだ。メールの内容を考えてしまったせいでその分の時間がロスしてしまったのか」
「な、何を」
時は巻き戻る。
「ならば、また時を戻すのみ。私の愛は無限大だ。あんなサブキャラに負ける訳が無い」
大木の元にはメールが来ていた。
「助けて」
一回目に閉じ込められた時に携帯は外に置いてきてしまっていた。
二回目は残間が携帯を彼女のポケットに入れていた。
そして、三回目にしてエデルは携帯を使い大木に助けを求める。
時を巻き戻す能力に弱点は無い。
しかし、使用する人間により弱点が生まれる。
大木はエデルの元へ向かう。
「残間!」
残間は叫ぶ。
「またシナリオが……。
何故だ!何故、私の物語は完成しない!」
大木は呟く。
「お前、エデルの事を考えた事はあるのか?」
「……ああ、私は彼女を愛しているからね」
「お前が愛しているのは、エデルじゃない。
エデルを愛している自分自身を愛しているんだよ。証拠にエデルが助けてって叫んだのはお前じゃない!
本当の愛を知らない奴に愛を語る資格は無い!」
「サブキャラが私のシナリオを崩壊させるな!
私は主役だ。愛と強運を持つ優しい主人公……。
ハッピーエンドをお前は邪魔するのか!」
「ハッピーに終わるのはお前だけだよ」
「それはそうだろう。私のシナリオだからだ!」
「誰もお前のシナリオに参加した覚えは無いよ」
残間は時を戻そうとする。その時、ロッカーからエデルが現れる。
「エデル!ああ、私の愛するエデルよ。時を戻してこんな噛ませ犬からすぐに解放して」
エデルは残間を殴る。残間は倒れる。
「わ、私は……貴方の事好きじゃないです!」
「……うああああああああああああああ!!!
こ、これは……私の世界なんだ。
私が主人公なんだ。
そうだ、これは……チャンス。
そう、私には主人公ならではの運がある。
噛ませ犬に洗脳されたヒロインに殺されそうになる私だが、私は君に愛の言葉を囁く。
すると、君は洗脳が解け私の愛に気付く。
気付け!
私は主人公だ!大木は黒幕!
今までのシナリオを想い返せ!
私は主人公だ。ペットショップで運命の出会いをし、君は……」
大木は残間を殺害する。
「……確かにお前は主人公だ。
だが、俺もエデルも皆主役だ。この世に脇役なんていないんだよ」
「……私は人を愛しただけだぞ。
私はエデルを愛した。
何故、私の愛を受け入れられない。
愛する事の何がいけない……!」
残間は死ぬ。
名前、残間義景。彼はただ人を愛したかっただけであった。
彼に異常な何かが無ければ、彼は本当に主人公になれただろう。愛の為に生きられる究極の愛の戦士、理想のヒーローだ。
ハッピーエンドはまだ遠く。