複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.425 )
日時: 2016/12/24 16:41
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「しかし何で、ペットショップの店長がこんな事を……。それに超能力もよく分からなかったし……」

「でも助かったから良いよ!まあ、死んじゃったのは……」

「……結局、俺は暗殺者だ」

エデルはその後暗殺者を辞め、動物関連の資格取得の為、大学に行く事になる。

大木は普段の生活に戻る。

二つの物語は交差し、結ばれた。

結局、残間は何者なのかは不明。

藍楷は大木と酒を飲む。

「藍楷……俺はこのままなのかな……」

「どうしたの?」

「もし、俺が時を巻き戻せる能力を持っているとするだろ。

俺は……大木になる前に戻りたいと思うのかな」

「……。

自分がちゃんと理解出来ていれば容姿、名前なんてどうでも良い。

今いる貴方が貴方らしくあればそれで良いんですよ」

「……そうか。

それじゃ、もしもだけど、俺がまただれかと入れ替わっても……こうして会ってくれるか?話してくれるか?」

「やっぱり貴方は貴方です。今度、入れ替わった時は私の事……」

「ああ、俺も全力で探すよ。

君の名を」

「映画の見過ぎね。今度、入れ替わる時は私と入れ替わって下さいね?」

大木と藍楷は良き友として、これからも関係を続ける。

藍楷は大木に好意を寄せていたが大木は藍楷を何でも話せる親友として感じている様だ。

藍楷はそれに満足する。

しかし、藍楷の傍には土井がいた。

「藍楷!てめえ……クソ女……ふざけんなよ」

「……」

「大木なんかにお前を渡すかよ」

「知ってたの?」

「殺してやるよ。俺はエリートだ……」

土井は叫ぶ。

「俺は!最強の暗殺者!土井だ!」

藍楷の正体は小林財閥の残党。見境 紬(イエスタデイ・ワンスモア1、2、3に出演)の部下。

暗殺の腕は最強。ヒワノ、ドゥーロ、桐生等と共に活動していた。

しかし、藍楷は小林財閥崩壊前に土井を暗殺する為に暗殺候補施設にスパイとして潜入。

だが、土井の魅力、そして見境の指示により土井を暗殺では無く監視する様に指示される。

「見境様。土井の監視を終了します。私の心の中でどうぞ眠って下さい。

貴方は気高い悪魔。それでいて、乙女でした。

私はそうありたい」

藍楷は土井を殴り飛ばす。

土井は重傷を負う。

「さて、大木さんは誰が好きなんでしょうね」

その後、土井は完全にリストラ候補に名乗りを上げられ、笑い者にされる。

ベリーベルは土井の元へ行く。

「暗殺しか俺には無いんだよ。だけど、暗殺が怖いんだよ。

俺はもう嫌だ!

何で……こんな事になったんだよ。俺は……」

「……(そろそろ終わりかね……)」

メープルは大木と話す。

「……」

「ど、どうした?そんな顔して……」

「私は誰を好きになったんですか?私は今の貴方も昔の貴方も好きです」

「……」

メープルは泣き始める。

彼女もまた、大木と土井の入れ替わりによって人生が変わってしまった一人。

そして、彼女は選択する。

どちらの彼氏を選ぶのか。

「戻らないと……大木さんの所に」

「……知ってたのか?」

「彼には私が必要なんです……。それに彼が本物ですから……」

苦渋の選択だった。

しかし、メープルは自分の彼氏(土井)が不幸に陥っているのに自分だけが幸せになる事は出来なかった。

これも優しすぎる愛。

「……」

大木は止める事が出来なかった。

人生を選択したメープルの決断を止める事は出来なかった。

メープルは家を出ると、ベリーベルがいた。

「行くのか?」

「私は彼を愛してますから……。私は彼の心を愛しているんです。姿、名前なんて関係ありません!」

「あいつを、土井と思うな。

姿だけ変わるなら確かに土井は大木だ。

だけどな。

金と権力が変われば人は簡単に変わっちまう。

入れ替わる前の大木と土井はどう足掻いても帰って来ないんだよ」

「……」

「今、愛している男の元に帰れよ。大木の元に」

「私は誰を愛したんですか?誰を好きになったんですか?

誰か教えて下さい。

名前なんか、姿なんか、そんなのを求めてはいません!探してません!君の名前なんてどうでも良いんです。

私は誰の隣にいれば良いんですか?」

「探しているモノはもう何も無い」

「……そんな」

メープルは何処かに消える。

ベリーベルは呟く。

「……彼女も変わってしまったか」

そんなベリーベルも変わっていた。

メープルは土井の元にいた。

「大木さん」

「俺は土井……土井だ。笑うな……。俺を笑うな!」

「もう大丈夫ですよ」

「もう……嫌だ。助けて……」

土井は泣き始める。

「死ぬまで一緒ですよ?」

「……!」

メープルは土井と心中する。

メープルは意識不明の重体。土井はその場にはいなかった。

メープルは病院で眠る。その傍には土井がいた。

「俺のせいで……俺のせい……」

土井はベリーベルの元にいた。

「メープルは何で俺と心中を?」

「優しすぎたんだよ。お前と死ぬ事でお前が幸せになるって思ったんだろ。

好きな人と死ねるからな」

「……俺はどうすれば……」

「今日は聖夜の前の日、クリスマスイブだ。

幸せを願え。

お前は何をしたい?」

「俺は……自分を取り戻す。

俺は……失ったもう一人の俺を取り戻す。

……俺は大木……いや土井の元に立つ。

俺の本当の価値をメープルに見せる。俺が何なのか見せる。

その為に、土井を殺す」

「メープルは望んでないぞ?それに暗殺者なんて知らないだろうし」

「俺が俺である為に。メープルを二度と一人にはしない。

俺の価値は大木を殺して初めて俺が俺らしく、いられる。俺は初めて人生を歩ける」

「……」

「俺は暗殺しかないからな」

土井は笑う。

落ちぶれても、大木と能力は対等。努力の違いのみである。しかし、土井は努力をする。

「大木ー!」

土井は大木を初めて探し始める。