複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.437 )
- 日時: 2017/01/11 19:09
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
地獄の沙汰も門番次第
此処は小林研究室と呼ばれる研究所の一室。
「地獄門。何をしている」
オールバックの白の髪に、メガネ、白衣を着ている地獄門は答える。
「殺人ウイルスの研究をしてるんだよ。今、ヒトデで実験しているんだ。そうどの生命体にも必ず効く最強の兵器を完成させる為にね!」
「今日から入った新人の卯敷だ。宜しく頼むぞ」
「やあ。僕は士。地獄門士だよ。よろしく」
彼の名前は地獄門 士(じごくもん つかさ)。小林研究室室長。時計台市出身。22歳。10歳から生物に興味を持ち人間の仕組みを一番知る事が出来る医学と生物学を独学で学ぶ。親は特に普通だった為、彼自身の才能と思われる。
その後、20歳で医者に就職。コネを使い受刑者専門の医師になる。しかし、受刑者に対しての医療は全て人体実験や個人的な拷問。以下の事から彼の性格は冷徹、極悪非道と思われる。他の看守からのタレコミで逮捕されるが小林と言う人物から突如保釈金の払って貰い刑務所から出る。
小林はある研究を条件に生活の保障を約束する。
地獄門は白衣のポケットからクシを出しオールバックの髪を整え、眼鏡をかけ直す。
「駄目じゃないか。僕のコレクションに手を出すなんて」
地獄門は様々な肉体の一部をホルマリン漬けや剥製、ミイラにしていた。中には一人の人間の剥製も飾られている。
「掃除もちゃんとしてるんだから指紋一つで汚れが目立つんだよ。まあ、物質にそのものに興味は無いけどね。
僕はこの生々しい肉体を見るとこれらを拷問した時の記憶が昨日の事の様に思い出す。
僕の中枢作用が反応し脳を活性化させる事が出来るんだ!」
地獄門は部下達に叫ぶ。
「良いかな?この世の中で兵器に成りうるモノは山ほどある。
アンドロイド(生物兵器も含む)。具現化。超能力。オカルト」
地獄門は今の四つを扱える兵器の完成を任されていた。勿論、地獄門自身は乗り気では無い。
「僕は科学の発展なんてどうでも良い。肉の裂く音、喉が切れる音、人間が死ぬ時の醜さ。
これがあれば僕はそれで良いのにッ!」
地獄門はモルモットをピンセットで押し刺す。モルモットはジタバタ動きながら血を流して死ぬ。
地獄門にはもう一つ仕事があった。
それは死刑執行人。
と言う名目の死刑執行予定人を実験台の材料にする為に引き取る事。
地獄門は地獄の番人と呼ばれる。
「ハハハッ!この世に地獄も天国も無いッ!あるのは地獄の入口だけだよ。中身は空っぽ。
門番こそ、閻魔。地獄の沙汰も門番次第だねッ?」
「……地獄は入り口にあったか」
「そう本当の悪人は地獄に行く奴じゃない!
地獄に行く奴で遊ぶ番人だよ」
地獄門は死刑実行人で遊ぶ。
「僕はね、特殊な能力を持っているんだ。
10歳に目覚めたその能力は僕の価値を閻魔にしたんだ。
入口だけでも地獄巡りとしゃれこもうかねッ?」
地獄門は瞳孔を開き呟く。
「僕は物体に自分の管理権限を与える事が出来る」
地獄門はナイフで死刑者を何度も刺す。死刑者からは大量の血液が出てくる。
「今ので出血死は免れないね。でも君は生きている。これは奇跡?違う。
僕が起こした現実さ。
君のカラダは、もう僕のモノだ。君は不老不死。飽きるまで遊んであげるよ玩具ッ!
ははっ!痛い?痛いよね!痛くないの!ならもっとやってあげるよ!
死ねッ!あ!死ねないのか!」
「……」
「漫画の主人公はやけに丈夫だよね。ある程度ボロボロになっても奇跡のパワーで立ちあがるんだから。
ほら、死ぬ前にヒーローになれて良かったじゃん」
頭だけで動いている死刑者を、まるで対して想い出も無い壊れた玩具を見る様な目で微笑む。地獄門はライターを点け頭を燃やす。
血まみれになった地獄門は潔癖症なのか丁寧に洗い流す。
「白衣は汚れる為にあるからね。でも、気分が悪いよ。匂いとか付いて無いかな?シャワーでも浴びようか」
シャワーに浴びながら地獄門は髪を洗う。
「地獄の沙汰も門番次第」
新人の卯敷が拳銃片手に地獄門に向かう。
「こちら警察だ。お前の目に余る所業見させて貰ったぞ」
「……シャワー中に来るなんて常識が無いのかな?」
「お前に言われる筋合いは無い。ただちに従い抵抗を止めろ。さもないと撃つ」
「しかし、スパイとはね〜……」
「お前の拷問器具が物的証拠として検出している。念の為だが鑑定に回して黒だったら……お前が死刑になるな」
「……」
地獄門は逃げ出す。卯敷は拳銃を撃とうとするが銃弾は出ない。
行動制限の能力により拳銃に制限を設けていた。
次に卯敷は身体が動けなくなっていた。これも行動制限の能力。
地獄門は服と予備の眼鏡を付けて外に出る。
しかし、外には大量の警官がいた。
「そういえば髪、乾かして無かったな……」
「抵抗は無駄だ。素直に……」
「これ以上寄らない方が良いよ。
僕はバッグを持っている。
これは殺人ウイルスだ。
無闇に撃てばこのバッグに当たりこの世界が地獄に変わっちゃうよ」
「……!」
「地獄の沙汰も僕次第。生きたいなら僕を殺さない方が良い」
地獄門はこの状況を楽しんでいた。