複雑・ファジー小説

Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.438 )
日時: 2017/01/12 17:23
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「地獄も楽しめれば天国だよ?

この危機的な状況なんて僕の人生で何度あるだろうか?

殺人ウイルスが世界を地獄にする事なんて何度あるだろうか?

僕は君達が苦しむ姿を見たいな」

地獄門はガスマスクを付け殺人ウイルスが入ったバックを警察の方へ放り投げる。

「うああああ!!」

警察達はウイルスから逃げる。地獄門は警察から逃げる。

「……ウイルスをわざわざ君達ごときに使う訳無いだろ。

僕が考えた最強の兵器だからね。

くだらない。

僕が欲しいのは研究でも平穏でも無い。

地獄だよ。

それも僕が閻魔として降臨している地獄。門番はもう飽きた」

すると、一人の男性が現れる。

「小林……」

小林こばやし会長。小林財閥と言う世界規模の企業の会長。しかし、何者かに暗殺されていた。

そして現在、彼は閻魔としてこの世界に君臨していた。

「地獄の沙汰は閻魔次第だ。

私はもう一度、自分の世界を創る。

入口だけの空虚な地獄はもう終わりだ。

もう一度、私があるべき世界を創るのだ!」

「黙れよ。扱いがモブキャラのラスボス……。地獄で死んだらどうなるのかな?試してみたいよ」

此処は何も無い地獄。通称、無間地獄。

とはいえ地獄はここしかない。

別に悪い事をしたから此処に来た訳でも無い。

良い事をしたから此処に来れない訳でも無い。

死は平等なんだよ。

未確認生命体にもなる事も無く霊獣になる事も無く天国に行く事も無く地獄に行く事も無く転生する事も無く。

あるのは無と無限と地獄門。

死後の在り方は人それぞれ。地獄門は笑う。

「此処は何処?」

「……」

「人間の終着駅?生まれ変わる人間の始発駅?

皆、考えが甘くてファンタジーだね。

この手で人を殺したから分かるよ。

死んだら、人は廃棄物になるだけなんだよ。

蟻が転生してどうするんだい?」

地獄門は小林を殴り飛ばし瞳孔を開きながら世界を制限する。

「地獄の沙汰は神次第。

何か、ファンタジーになっちゃったね。

大丈夫。閻魔も神もただの名目だから。

そんな人間に知られる程の愚かな統制はするつもりは無いね。

本当に恐ろしい支配者は支配されている事に気付かずにうまく人形を操る事が出来る人物だからね。

名前が知られている時点で神も閻魔も支配者失格だよ。

まあ、どうやって知る事が出来たのかが不思議だけどね。

……空虚って怖いね〜」

地獄門は倒れる。

倒れた場所はアパートの一室。

「死人に口無しだ。どう叫ぼうが、死んだら終わりだ」

地獄門を殺した人々は何処かに消える。

地獄の沙汰も門番次第 完