複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.61 )
- 日時: 2016/07/23 16:06
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第四幕 グリムリーパー
此処は日本の、とある町。
とは言っても町とは言えない程崩壊している町ですが。
其処に、一人の青年がいました。
「あー……畜生。何だよ、この世紀末みたいな世界……」
青年の名前は、空模様 転生。19歳。以前から靴磨きをしていましたが残念ながらこのご時世で靴磨きを要望する程余裕がある人はおらず、お金と食べ物が無くなり生命の危機に陥っていました。
青年は空を見上げる。
「此処が随分前まで、栄えていたなんて思えない……」
空模様は目の前にいる男性に話しかける。
「……おおっ!人だ!人がいる!」
男性は空模様に向かってナイフを刺す。
「あ……あ?」
空模様は倒れる。
男性は空模様を見る。
「今日の食事は、この獣だ」
この世界では、倫理観が壊れており、力がある者のみが村で権力を持っていました。
空模様は命乞いをする。
「助けて……下さい!」
「こちらも生きないと駄目なんだよ。だから……」
すると、四人の人物が空模様達の所へ行く。
「……この人達は助けましょうか?わたしは助けた方が良いと思いますが」
「弱き者を助ける理由は無い。三下は三下らしく植物の糧になればよい」
「それより、この町は金になりそうもないな。と言うかこの町はもう死んでいる。しかも、この地域には陸田組と言うヤの付く自由業の奴等がいる。巻き込まれると厄介だ」
ナイフを持った男性は叫ぶ。
「ひょひょひょ!この俺様こそ、その陸田組の組員。死にたくないならその命差し出せや!」
「つまり、dead or deadですね。後ろ盾が無いと騒げない貴方が平気で言うべき台詞では無いのですが。
……そんな強がりな貴方のペルソナ剥がさせて頂きますよ?」
「おい……面倒だ。金にもならない人助けなんて無意味だ」
「俺はビールと葉巻があれば問題無い。それに、誰と闘っても負ける気はしない」
一人の髑髏の仮面を被った少女は三人の男性に話す。
「陸田組がどういう組かと言う事だね!
つまらない組だったら、殺害。
面白い組だったら、傘下にしよう!」
空模様は困惑する。
「え?……助けてくれないの?」
「それは君次第。君が面白い人なら助ける。君がつまらない人なら殺す。それだけだよ」
「え〜……どういう基準だよ……」
ナイフを持つ組員は叫ぶ。
「ひょひょひょ!俺様、陸田組の組員がそんな事で負けるか!死に晒せ
ボケェ!」
男性の一人が組員の鼻に指を突き刺す。
「余計な事をすると、後の三人が君を殺してしまいます。なので、速やかに貴方達のアジトの場所を言って下さい」
「あ……ああああああ!!!」
組員の鼻から血が大量に出る。
「すみません。優しくしたつもりですが。クズの貴方にはまだ強かったですか」
空模様は男性を見て逃げようとする。
「うわわわ!!!殺される!」
少女は空模様を捕まえる。
「駄目だよ♪逃げるなんて……。面白くないじゃん!アハハ!とりあえず、この青年は治療して」
空模様はおびえ過ぎて意識を失う。
「こんな奴を治療だと?こいつの為に……」
「私の気まぐれよ!お願い!」
男性は空模様を運ぶ。
空模様は最後に必死に呟く。
「お前達は一体……」
「旅人だ。死神に救われた者達のな」