複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.7 )
- 日時: 2016/07/08 13:22
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
2016年6月7日。突如現れた呪いにより人間や街の被害が壊滅的な状況へ変わった。
呪いは世界を駆け巡り、人々を絶望の淵へと落とした。
そして、この地域も例外では無かった。
特に何も変哲も無い街の名前は端町。山に囲まれた盆地である。
端町は、決して田舎でもなければ都会でも無い。簡単に言えば全てが市街地だと考えれば良い。
アパートや小さなマンション、市営住宅、一軒家が並びたまにスーパーやコンビニ、田んぼがある程度である。
勿論学校も存在する。
小学校、中学校、高等学校、大学校全てがこの端町には揃っている。
しかし、現在この端町では呪いの影響で作物が育たず、人口も減る一方だった。
ちなみに呪いの根源は不明。突如、世界中に不幸をもたらしたのだ。
だが、世界中の占い師や預言者は話す。
「この世界は呪いにより終焉を迎えようとしている」
そして対処法として。
「嫌われ者を呪いに捧げて取引をすれば呪いは収まるのではないか」
嫌われ者は次々と生贄にされていた。
腕を切られ、内臓を吹きだしながら、口から溢れる程の血を吐き、各地の処刑所と言う所で生贄にされていた。
大体は犯罪者だった。
そして、呪いの効果が薄まっていた。
災害も少なくなり、作物等も育っていた。
この端町も犯罪者を捧げる事で平和を保ってきた。
しかし、新たな問題が生じる。それは犯罪者がいなくなる事である。
いない事は良い事であるが、生贄が足りなくなる。
ならばどうすれば良いのか。
「生きていてもしょうがない奴等を生贄にしよう。例えば、アウトサイダー。疎外されている者を生贄にすれば良い。死んで悲しむ奴なんていないんだから」
人々は嫌われ者を生贄に捧げる。
嫌われ者は勿論、殺されたくないので抗議する。
「……や、止めて!貴方達が犯罪者になるのよっ……!」
「黙れよ。これは生贄だ。犯罪じゃないし、殺人でも無いんだ。これはやるべき犠牲だ」
「合理化なんてしないでよ!」
嫌われ者達は逃げる。
端町には、人口減少により山の方では空き家が目立っていた。嫌われ者達は山へ逃げ込む。
「はあ、はあ……やっと逃げ切れた」
一人の眼帯の少女が窓を割り、家の中へ入る。
少女の名前は笠原 瞳。16歳で黒髪のショートに綺麗な青い瞳。白いワンピースを着ていた。
嫉妬に狂ったイジメにより嫌われ者にされてしまった美少女。
右目はイジメにより失明。手術により眼球が取り除かれている。その為、眼帯を付けている。
性格は普通。
「誰かいるのかな……?」
目の色が血のように紅いそれ以外はそのまま、黒い十字架を首にかけている16歳の美少女が笠原を見る。
「……此処には誰も住んでいないはずなのに」
笠原は怯える。この空き家は呪いにより亡くなった笠原の親戚の家だった。外装はボロボロ。内装はキッチン以外和室だった。テーブルは全てちゃぶ台みたいな古いタイプ。
少女は気味の悪い人形を持っていた。
「気味悪いでしょ……これ。別にいいよ…ワタシが好きなだけだし……」
少女は笠原をずっと見つめていた。
「貴方はワタシと同類。良かった……。同類じゃなかったらその場で刺し殺していたから……」
少女はナイフを構えていたが、テーブルに置いた。