複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.83 )
- 日時: 2016/08/02 17:18
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
少し時は遡る。
魔神は死神達の元へ舞い上がり、馬車に乗り込む。
「君は確か、ウリエルだっけ?」
「私の名はミディアムだ。言っておくが世界は私が手に入れる。邪魔な者は消すだけだよ」
ミディアム。性別は男。年齢は30歳。性格は自信家で常軌を逸して執念深く支配欲が強い。容姿は紫の鍔の大きな帽子に紫コート、黒サングラス姿の体格の良い男性。
能力は人の願いを叶えて自分の支配下に置く。特技は人を支配すること。
ミディアムはサングラスをかけ直す。
柴田はミディアムを見る。
「柴田。私の噂は聞いているだろ?戦う事等無意味。此処で屍と化するのだ」
ヒワノは柴田に語る。
「フフッ……。ビビってるの?問題無いよね^^」
風柚竜はミディアムに語る。
「魔神。何故貴方は此処に?」
「世界を支配には、女神ともう一人の神、そして死神が必要不可欠になるんだよ。
もう一人の神と女神の契約は済んでいてね。
後は死神を支配するだけ。
言いたい事は分かるね?」
天淵達は構える。
死神はミディアムに話す。
「此処で戦っても互いに損害を受けるだけ。
契約には条件次第で応じるよ」
「ああ、私は死神と同盟を組みたいだけなのだ。賢い者は無駄な争いや憎悪を避ける者なのだよ」
死神とミディアムは話し合う。
「こちらの条件は?」
「同盟及び傘下に入って頂きたい。代わりに何でも願いを叶えさせて見せよう」
「デメリットは?」
「女神のように一定の位置を動かないと言う事だ。一生を其処で暮らす。彼女の願いは永遠の幸せと大勢の仲間に囲まれる事だったからであるからな」
「ははっ!支配欲が強いね」
「……」
「でもさ、もう一人の神は?」
「何が言いたいのかな?」
死神は一回机を軽く叩くと、巨大な閃光が現れる。
「傘下には入るけど、ある程度の自由を保障して欲しい」
「女神を殺した君に拒否権は無いのだ」
「この閃光の意味が分からないかな?」
「……?」
閃光の中心には天淵がいた。
「君が支配しようとする世界を私が滅ぼそうとしているんだ」
「……脅しのつもりか?ならば、今此処で戦おうじゃないか」
そう言って、ミディアムは床を叩きつけ拳から血を出す。
「もう遅いよ。私がもう一度机を叩けば、世界は今度こそ壊れる」
「死神。君を正直なめていた。まあ私にデメリットは無い。
君を傘下ヘ受け入れ、ある程度の自由を保障しよう。もし、私や君が破った場合もちゃんと話し合うつもりだ。ゆえに警戒は不要」
ミディアムは柴田の元へ行く。
「話し相手が死神で良かった。それ以外の人物だったら確実に私は君達を皆殺しにするだろう。
やはり、話が合うのは神のみと言う事かな。私が世界を支配する事は遠くない……」
ミディアムは少し笑う。
やがて、馬車は田舎町へ到着する。
ミディアムはフランと一の所へ向かう。
すると、キャロラインを抱えたエデルがフラン達の元へ行く。
「な、何ですか!?貴方は!」
「最後の神と会談をしたい」
すると、キャロラインが目覚め、ある方向を指差す。
「....あそこで待ってるわ。私に超能力を与えてくれた....」
死神達は神に会いに行く為に歩きだす。
ミディアムは最後の神を見る。
「此処にいたのか。ミカエル……いや、イマジン」
イマジンと呼ばれた神の姿はガラクタに覆われた機械神だった。
死神はイマジンに話す。
「ミディアムの傘下に入った死神です。宜しく〜」
死神は心の奥底で、最終的にミディアムを裏切り、壊れた世界を支配されないように対策をする予定だった。
ミディアムは死神を睨む。
ミディアムも心の奥底で、死神を世界の支配に利用した後、死神を裏切り、地獄の底まで追い詰める予定だった。
イマジンは話す。
「私の能力は現在を見る事(水晶体を通して、自分の目のように見る事が出来る。範囲は無限大。監視カメラ等を利用し、死神達を監視していた)。
言っておくが、世界はもう終わっている。支配も何もない。
私は余計な事をする貴様らに話等無い」
「どう言うつもりだ?」
イマジンは動き出す。
「この世に神は三人もいらない。
一人で十分だ」
イマジンは構える。
死神は驚く。
「まさか……秘孔みたいなあれ?」
イマジンは笑う。
「……クックック。終わらせてやろう。さあ、勝てるか!この本当の神に!」
イマジンは機械的な翼を広げ、死神達を攻撃しようとする。
風柚竜はイマジンを見る。
「この世に神等いませんよ。貴方は神と言う虚偽の仮面を被ったガラクタです」
風柚竜は仮面にイマジンを封印しようとするが、イマジンは抵抗する。
ヒワノはガスを発生させる。
「このガスは機械を錆びさせるガスだよ♪。良いクスリだね〜」
一はレーザービームを発射させ、イマジンを壊し始める。
「光を凝縮させ、機械を熱で溶かすぜ!」
「ぐああああ!!!何!?意外に強いんだけど!?」
柴田はビールを飲む。
「貴様のような置き物とは違うのだ!我々はこの壊れた世界に適応した壊れた人間と言うべき存在と言える!
まあ貴様が一番壊れていたがな」
キャロラインはエデルに支えられながらイマジンを見る。
「....もう一度、私を....普通にっ....」
「キャロラインさん!もうこの世界では苛める人も母親もいません!
……この世界こそ、貴方の居るべき世界です!」
「.....壊れた世界では私は普通なの?」
死神はフランを見る。フランはただ立っていた。
ミディアムは苦しむイマジンに問いかける。
「願いを叶えて欲しいか?」
「私は……本当の神じゃない!
私は神に脅されて……」
「……?」
イマジンは破壊される。
同時に死神はフランの首を掴む。
「ねぇ?アンタ……誰?」
「フラン・エンディングでーす。
面白いでしょ。イマジンって。漢字で今神って言うんだけどさー」
天淵は構える。
「死神。やはり、イマジンは一体では無かった....」
途端に、大量のイマジンが現れる。
「アンタは誰!」
「終われない世界にエンディングを。過ちはもう終わりだ」
「違う!この壊れた世界にも価値はある!」
天淵は仲間に説明する。
「フラン・エンディング。別名、ミカエル。
そして、最後の神を名乗る天使」
ミディアムは天淵に語る。
「....天使」
「私は貴方達をこの世界に呼んだ。
この世界の進化の為に。
しかし、世界は理解していなかった。
己の弱さに」
死神は叫ぶ。
「つまり、私とミディアム、女神。そして、フランは暴走した最強の大天使、式神よ」
フランは死神を回転させ、イマジンの方向へ飛ばす。
「全て破ろう。法則も世界も。
完全に壊して、無意味な世界を無くすんだ。
そして、僕等が犯したこの過ちを無かった事にするんだ」
エデルとキャロラインは動揺しながら話す。
「過ちって何!?怖いんですけど!えー!?」
「.....まさ...か」
フランは、自身の被り物を付ける。
被り物は禍々しく、真っ黒。
「さーて、終わらせますか」
時計仕掛けのイマジンは世界を滅ぼそうとする。
死神はフランに向かって叫ぶ。
「この世界があったからこそ、私は幸せになれたんだ。仲間と出会えたんだ」
「言っておくけど、死神のその行為が幸せに慣れる訳ではないんだよー」
「やっと楽しめられたのに!」
「君は少しでも他人の幸せを考えた事がある?」
「えっ……」
「いなくなり壊れた家族、友達、世界。
勿論、それが嫌だと言う人もいる。壊れて良かったと思う人もいる。
だけど、壊したのは僕等だ。ガブリエル」
「……」
「この世界に再生を」
死神は大鎌を持つ。
「それでも私はこの世界が大好きなの」
ミディアムは話す。
「再生は不可。我々は前に進むのだよ。そして新たな世界を創り出す。
我々は神では無いが、導く事は可能だ」
「……指図しないで?
俺がこの世界の神だ。
俺が正義で俺が全て。
黙れ、天使共」
すると、突如ベロがフランを縛り上げる。
死神は驚く。
ミスターHが女神と共に現れる。
女神は能力を使い、イマジン達を消し去る。
「ラファエル、死んだんじゃ……」
「私は殺される直前に、姿を消し、貴方の暗殺をミスターHと共に企んでいたわ。
でも、気が付いたの。私もこの世界が好きって」
「それに恩を仇で返す訳にはいかないから」
ミスターHは辛そうに舌を出しながら話していた。
フランは動揺する。
「俺の行為って……」
「壊れているから幸せになれる世界もあるのよ」
死神はフランを受け入れる。
「……」
二人は抱き合う。
そして、二人は囁き合う。
「これである程度の人材は調達出来たね」
「そうだね。しかし僕にこんな事させるなんて」
「まあ面白ければ良いじゃん。これで決して裏切り者は出ない。特にミディアムとか。天淵とか」
「此処から始めようか。
この世界の征服、及び支配を」
「いや、もう少し遊ぼうよ。次はどんなシナリオを書こうかな〜」
二人は偽りの仮面を付けながら、信用されている仲間達を見る。
「人生を使ってシナリオ造るのってサイコー!チョー楽しいわ。この世界。でも、壊れている世界だから書けるんだよね。ずっとこのままが良いな〜」
「ある程度の発展が無いと人がいなくなるよ?それより、次は誰殺そうか。少しでも感動的に書けたら良いけど」
第四幕 グリムリーパー 完