複雑・ファジー小説
- Re: イエスタデイ・ワンスモア【オリキャラ募集中】 ( No.90 )
- 日時: 2016/08/03 16:13
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
木村は望田の手に持っている本を見る。
「それって……」
「これはOuter spaceと言う漫画です。とにかく、ロボットがカッコイイんです!」
「あ、うん……」
「ただ、金が無い自分にはこの第一巻以外の漫画は買えないんですよ」
「知らねーよ……。そんなのに金使う暇あるなら他のに使った方が……」
「フン。この漫画の価値も分からないクズに話したって無駄ですね」
「……お前、調子に乗ると友達いなくなっていじめられるタイプだな」
そして木村達はチャイムと共に別の部屋にいた女子と一つの教室のような所に集まる。
教室に望田と木村が入ると、真っ先に一人の女性が来る。
「木村君だ……!幼稚園以来だね!」
「えっ……あの……」
「そうだね!私は信じているよ!君は犯罪なんかやってないって!私もそうだもん!」
「……ん?」
「私、君が此処に来る時本当にうれしかったの!」
「多分、人違いだと思うんですけど」
「あっ!名前言って無かったね!私は、成木 林檎(なるき りんご)!しくよろ!」
そう言ってぱっちりした黒い瞳が特徴的な肌の白い美少女は、にっこりと潤沢な笑顔を見せる。明らかに性格が底抜けにそして、違和感を木村は覚える。望田が愚痴を言う。
「可愛いですね。まったくリア充は……」
「……うるさいわ!」
木村と望田は席に着く。そして女性の看守が現れる。
「ニシシ!私は崎峰結美音(さきみね ゆみね)!私ね、結構言う時は言うから宜しくね♪」
望田は呟く。
「可愛い子多いですね。此処はパラダイスですか?」
「殴るぞ?」
崎峰は悪戯をする子供のように笑う。
「それではまずは基本的な訓練を始めましょう!つまりチュートリアルですね!それが一ヶ月。終わったらグループを造りましょう!ニシシ……余り者でくすぶらないように気を付けてね!」
崎峰は生徒を大きな体育館のような施設へと呼ぶ。
其処にはボコボコに殴った先輩と夜城等の先輩と呼ばれる留年者がいた。
「それでは優しい優しい余り者の方と一緒に訓練を開始しましょう!後、死んだら死にましたって大きな声で叫んで下さいね!」
「……」
木村達は、先輩に連れられる。其処に瀬戸内が質問をする。
「看守さん。一年間、この施設で生き延びれたら一流企業に就職は絶対に出来ると言う噂を聞いたのですが」
「これは秘密事項だよ♪でも、特別に教えちゃう!此処で生き残れたら、全ての罪を消して普通の生活に戻るか、裏社会で企業に雇われて暗殺者になるか、の二択を迫られるんだ!
まあ生き残ったらの話だけどね!」
成木は咳をする。
「あの……ちょっと具合が……」
「弱音を吐く者は死あるのみだよ♪」
「よし……。頑張るかっ!今度こそ卒業ぅ!」
暗殺内容はナイフ等の暗器の使い方、ターゲットに対しての隠れ方。手持ち食料を効率よく食べる方法、身近なモノで人を殺す方法。等、チュートリアルに相応しい内容。しかし、先輩達が無条件に躾と称し殴ったり嫌がらせをする為、精神、体力的に限界を超える。
「おらっ!犬山っ!元気出せ!」
「あはははは!アントーニオ!」
犬山だけ元気。木村は限界を迎える。
「木村!殺すぞ?おい、死にたいのか?」
「うるせぇ!黙れカス共!」
「あ?ははっ!よし、殺そう」
望田は木村を見るが見て見ぬふりをする。それを見ていた先輩の一人の傷だらけである平 信行(たいら のぶゆき)が望田に話す。
「お前友達じゃないのか?」
「違います!あんな低脳と一緒にしないで頂きたい!」
「そうなのか?夜城?」
夜城は望田を見る。
「僕……これ以上、誰かに殴られている所を見たくないんだ」
平はスコップを持つ。
「俺はやるよ。あいつ等、調子に乗り過ぎだからな。全く、10年留年しやがって。この傷達は9年分のイジメの跡さ」
望田も覚悟を決める。
「しょ、しょうがないですね」
崎峰は他の看守と女子会中。夜城と平、望田は先輩達に暴行。
「お前等!本当に殺してやる」
先輩達は腕にメリケンサックを嵌めて夜城達を殴る。
「10年此処にいるんだ。技術はそれなりにあるんだぜ?」
成木は木村達を見る。
「助けたいけど具合が……」
先輩達は四人を室外に誘導。
「お前等、全員事故死だ。あそこのボロボロの灯台で盛大に殺してやる」
「何でこんな所に灯台が」
「黙れ!」
四人は灯台でリンチ。
「知ってるか。木村。この暗殺者育成施設は世界中にあるんだぜ。だが、その中でも此処はろくな奴がいない。つまり、施設の中にも、不良校とエリート校がある訳だ。当然、此処は不良校。此処は他の施設から屑のたまり場と呼ばれて馬鹿にされている。……せめて、此処くらいは偉くしたって良いじゃないか。才能が無い俺達じゃ……」
「……てめえの都合で人殴んなよ!」
木村は平のスコップを持ち暴れる。すると灯台は崩れ始める。夜城と平は木村と望田を救う。
「木村……」
「才能なんてな!才能なんて!」
そして、先輩達は医務室に運ばれる。木村達は崎峰に呼ばれる。
「すばらしーね」
「あ?」
「これぞまさしく下剋上!ニシシ!あの馬鹿には世話焼けてたの!うんうん!それにしても暗殺者候補生をまぐれでも入所1日で大怪我させた事はすばらしーよ!これからもがんばって!」
「……」
その後、先輩からのイジメは無くなり無事にチュートリアルを終える事が出来た。
「もう五月か……」
部屋の中の生活にも慣れた木村は五十嵐に話しかけられる。
「木村。ちょっと良い?」
「何だ?」
「この女の子を一緒にナンパしよう」
「誰だ、この子」
「良く平さんと一緒にいる、ルメール・ハヴィリアさん」
「外国人も此処に来てるのか?」
「可愛いだろ?チョー性格も良いんだよ」
「お前、七里って言う彼女いなかったか?」
「良いんだよ。どうせ他の男の所に行ってんだから」
「え〜……」
「な!平さんの所なんて一人じゃいけねーからよ。頼む!」
「分かった……」
二人は平の所へ行く。留年すると何故か一人部屋になる。平の所には望田と夜城もいた。
「夜城さんは分かるけど何で望田?」
「平さんとは、オタク仲間なんですよ」
夜城はそわそわする。
「どうしたんですか?」
「もうすぐグループを造る事になるんだ〜。唯一女子と交流があるからちょっと緊張しちゃって〜……」
平は手を上げる。
「グループは一組何人ですか?」
「男女混合で19人」
「何でそんな中途半端な……」
「19人が重大ミッションで活動出来る最高の人数らしい……。よく分からないけど」
木村は考える。
「しょうがない。今の内に集めるか……」
「ちなみに余ったら殺されるからね。今の内にやるべきだよね」
「……先に言って下さい」
五十嵐はルメールの事を平に聞く。
「ルメールさんをナンパしたいんですけど」
「駄目だよ!駄目駄目駄目!馬鹿だろお前!」
木村と望田は、仲間探しに施設中を歩く。
「結構広いな」
「さて、五十嵐、夜城さん、平さん、お前、梅雨明、瀬戸内。六人だけですか……」
「犬山は?」
「犬山は怖いですよ。夜中に奇声を発したり、カツサンドって言って崎峰さんをセクハラして拷問されたり……」
「ああ……」
すると、拷問部屋で一人の少年が捕まっていた。
「こいつは?」
「駄目ですよ。奴は自らこの施設の入所を志願した連続殺人鬼です。夜城さんも言ってましたが、表面上は明るいけど実際かなりヤバいらしいですよ」
「名前は?」
「皇キョウキ」