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複雑・ファジー小説
- Re: 〜DARK LORD〜【オリキャラ募集予定】 ( No.2 )
- 日時: 2016/07/11 20:52
- 名前: コッコ (ID: k7TBKGCR)
〜幼少編〜【一話】 忌み子
古代の大戦での他種族と人間の戦争から約1000年の月日が流れた頃、人間が治める国の一つグランドロ王国の屋敷で黒い髪のツインテールの女性が出産をしていた。
「奥様お生まれになりましたよ!」
侍女は取り上げた赤ん坊を女性に渡した瞬間、女性は驚愕した。
「(この子目が…!?)」
女性が見たものは産まれて間もない子どもが目を少し開いた事も驚いたが女性が本当に驚いたのはその目に宿る紅の瞳だった。
紅の瞳を持つその者は昔に国に災いをもたらして滅びの寸前まで不吉を呼び続けたと言われている。
もし、紅の瞳を持つ子どもが産まれたらすぐに殺さなければならなかった。
「あの、奥様どうしましたのですか?」
「…何も無いわ。ただこんなにも愛らしい子に心を奪われちゃっただけ」
女性は胸元に子どもを引き寄せると抱いた。その時、部屋に金髪の男性が勢いよく入ってきた。
「産まれたか!」
男性は女性に近づくと子どもを見た瞬間、子どもの異変にすぐに気づいた。
驚愕しながらも男性は冷静を装った。
「皆すまないが少し退出してくれないか?」
男性に言われたように侍女達は退出し男性と女性は二人っきりになった。
「貴方どうしよう…私この子を殺さなきゃいけないの…‥?」
女性は侍女に見せなかったが泣きそうになっていた。
紅の瞳を持つ子どもが産まれたからには絶対に殺さなければならない。
出産する前、二人の間に子が恵まれず諦めかけていたその時に妊娠を発覚して子を成したのだ。
やっとの思いで産まれた子がすぐに死ぬ運命に例えば忌み子でも悲しかった。
「大丈夫だセレン、この子を殺させはしない。絶対にだ…‥」
男性は女性をそっと抱きしめた。女性は我慢しきれなかったのか大粒の涙を流して泣いたのだった。
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