複雑・ファジー小説

Re: 埋もれた世界の、 ( No.6 )
日時: 2016/08/03 18:34
名前: Tomoyami (ID: UK8YjfXC)

story1




——ボクは、




[5]












——『ああ、邪魔だなぁぁー』




——『僕がせっかく作ったカゲも、ぜーんぶあいつが壊しちゃうんだもーーん』



——『あいつさえいなくなれば、この世界は僕のモノになるのかなぁー?』








「——ああああ、邪魔だ、邪魔だ、邪魔だ」






殺 し て や ろ う か


*************





「あー、ごちそうさまでしたっ」

ヤナギは「うまかったうまかった」とつぶやきながら、空っぽの大きな弁当箱を片付け始める。

それを眺めながら、サツメは最後の一口を食べ終えた。

「うっし!俺はもう行くぜ。次の授業は......はぁ?英表かよ!うわあと2分だし!くっそ移動しねぇと...、めんどくせぇ!」

ヤナギは文句をいいながら、弁当箱を自分の机の上に投げ、机の中から教科書を掴み出した。そして荒くドアを開け、「サツメ早く行かねぇと遅れんぞ!」と叫んで教室を飛んで出ていった。
サツメは冷静に小さい声で「うん」と返す。絶対に聞こえていないというのは分かっているので、サツメは自分で独り言だということにする(言い訳だというのも分かっている)。


...いつの間にか教室にいる人間はサツメだけになっていた。サツメは教室に取り付けられている時計の短い針を、数分間目で追っていた。
授業はもうとっくに始まっているだろう。

サツメは、動かない。


「......」

サツメはゆっくりと立ち上がって目を閉じ、集中する。


「..........」

異様な空気が、すっからかんな教室に満ちていく。




「..................。」

サツメは急に振り向くと右側のロッカーに向けて、

——撃った。

『ヒトガタ』がドロドロと溶けていく。


「.........違う」
サツメはそうつぶやき、教室内をゆっくりと見回す。

「...どこだ......?」





「ざんねんざんねーーーんっ!!こっこでっしたーーーーー!!」




教室の窓ガラスが、外からの衝撃で甲高い音を立てながら破損した。

割れた窓から、1人の男性が飛び込んでくる。


「やあサツメ!てめぇを殺すよー!」

サツメの目は、冷たい。




「......いた」



—continue—