複雑・ファジー小説
- Re: 埋もれた世界の、 ( No.7 )
- 日時: 2016/08/05 11:29
- 名前: Tomoyami (ID: xbduus1y)
story1
——いた。
[6]
「あはっあはははっ!あはははははっ」
男は不気味な笑い声を発しながら拳銃をサツメに向けて乱雑に撃ってくる。
「...」
サツメはそれを全て避ける。
男によって撃たれた弾丸は部屋中のあちこちに当たり、教室内は一気に騒がしくなった。
「ねぇーー、避けてるばっかじゃつまんないじゃーーん!反撃ぐらいしてから死んでよーー!」
男は拳銃を持った右手を休めずに言った。
「...わかった」
サツメは撃った。
サツメの弾丸は男の右手に当たった。
「ぎゃああっ!!」
男の右手が真っ黒になってドロドロと溶けていく。
「ひどいーーっ!!反撃するなんてひでぇ奴ー!!てめーはおとなしく死んでたらいいんだー!あはははっ!」
...さっきと言っていることが違う
サツメは小さくため息をついた。
「...ひとつ、いいですか」
サツメが男に話しかけた。
「なーにーー?降参なら喜んで殺してあげるけどっ!!」
「ここで暴れると教室ぶっ壊れちゃいます」
男はきょとんとした。が、すぐに大きな口を開けて大笑いをした。
「あーっははははっ!!お前面白いなーー!!そーんなにおべんきょーが大切かぁーーっ!あはははははっ!!」
「それで、提案があります」
サツメは淡々と話す。
「僕を殺るなら、場所を変えましょう」
サツメは指をパチンッと鳴らした。
教室内がぐにゃぐにゃと変形しだす。
「んーー?」
「僕のお気に入りの場所です」
その場所は、「教室」だった。しかし、ただの教室ではない。机、床、窓から見える空、全てがカラフルに彩られているという、異様な場所だった。
ディーケイプは、それぞれひとつの部屋を持っている。
もし、普段の異世界生物(カゲ)とは違う、人間の姿をした強敵のカゲと戦うことになった時にこの部屋を使う。この部屋は捕獲したカゲを科学的に調べあげ、分かった異世界の原理のほんの一部を使って作られた。ディーケイプらは『あの部屋』と呼ぶ。
『あの部屋』でどれだけ暴れても、現実世界とは違う世界なのでその世界には影響がない。
「ここでなら、好きなだけ暴れていいですよ」
サツメは銃口を男に向けた。
—continue—