複雑・ファジー小説
- Re: 武装シンキ ( No.1 )
- 日時: 2016/08/07 11:17
- 名前: JD (ID: SjxNUQ9k)
【プロローグ】
この世界は、全てが進化しすぎた。
人はその手に神を掴んでしまったのだ。
神となった人間はその手で兵器を作り上げ、自分と同じ姿の人を葬り始めた。
神となった人間は月に吠え、この世界をあざ笑う。
それからもその神はまるで遊具を手に入れた赤子の様にその力を振り回し、人を次々と葬り去った。
どれだけ人の英知が神に襲い掛かろうとも神はあざ笑い全てを無に還した……。
だが、いつしかその人は気づいた。
『その世界にはもう、生き物はいなかった事に……』
神は初めて寂しさを知った。
虚しさを……そして心の冷たさを……。
神は涙を流し、その力を平等に人間に分け与えた。
そして……。
- Re: 武装シンキ ( No.2 )
- 日時: 2016/08/07 11:25
- 名前: JD (ID: SjxNUQ9k)
ネオンの光が眩しい夜の街。
この街だけは朝なのか昼なのかがまったくわからないぐらい明るい。
だけど、明るいのは嫌いじゃない。
暗い場所にいると気分も暗くなる。
「お?お嬢ちゃんかぁーいいねぇ!どう?お兄さん達と遊ばない?」
だけど、こういう奴らはもっと嫌い。
こいつ等は下等な生物だ。
女を性の道具しか見ていない。
だから……私は……。
「え?遊びって何するんですかぁ?」
「そりゃーいい事に決まってんジャーン!」
男たちはヘラヘラしながら私の肩に手を当て。
勢いよく路地裏の方に連れていく。
もうこの時点でわかる。
私は、『犯される』
「あの?ここは……」
「おいおい、嬢ちゃん。わかって着いてきてたんだろぉ?」
「え?……!!」
ビリリィッ!!
思いっきり服を上から破られ、下着と肌が露わになる(上だけ)
こいつ等……絶対に弁償させてやる。
「お?なんか反応薄くねぇか?」
「構うこたねぇよ!ビビってんだよ!」
溜息も出ないわね。
さて……。
「ごみ掃除の時間ね」
- Re: 武装シンキ ( No.3 )
- 日時: 2016/08/07 11:35
- 名前: JD (ID: SjxNUQ9k)
さて、何秒掛かったかしら。
10秒?違うかな?じゃあ、15秒ぐらいかな?
思ったより手間取っちゃった。
本来ならその場から一人の逃さずに始末する予定だったのに。
私が動き出した瞬間に逃げ出した感のいい奴がいたから。
……いや、これは言い訳だ。
「さてと、こいつ等のお財布を漁ってっと」
私は15歳。
この世界では18以上で働く許可が初めて得られる。
18以下は軍に入るか親の元で幸せに暮らさないと行けない定め。
まあ、私は……見ての通り。
『ハイエナ』
「!!!」
私は声のした方を勢いよく振り返る。
180ぐらいもありそうな大男が空を浮いているじゃないか。
靴……いや、足の噴射機で空に飛んでいるようだ。
「見てたぜぇ?ちょっと手間取った見てぇだなぁ」
「予定通りよ」
男はやれやれとした様子で私を鼻で笑う。
「だが、残念だったなぁ……今日、お前が狙った相手」
「どこの奴だと思う?」
意味深い質問。
……まさか!
「ようやく気付いたか、そうだよ」
「そいつらは俺の可愛い部下なんだよぉ!!」
- Re: 武装シンキ ( No.4 )
- 日時: 2016/08/07 11:47
- 名前: JD (ID: SjxNUQ9k)
男は足の噴射機を勢いよく放出してこちらに急接近する。
攻撃……いや、間に合わない!
防御するしk
「おいおい、俺相手に考え事かぁ?舐められたもんだなぁ?」
「ごっはぁ!」
奴のスピードから出されるパンチが思いっきり腹を抉る様に当たる。
口から色々と出てきそうになったが、今はそんな余裕はない。
どうやら生き延びるには『やる』しかないと言うこと。
「お?ついにやる気になったかぁ……」
私は右手を思いっきり広げ願いを込める。
あいつを倒せるだけの力が欲しい。
自分を守る力が欲しいと。
そして、私は大声で叫ぶ。
「武装神器!!」
私がその言葉を叫ぶと、右手には光が集まり。
ゆっくりとその姿を現してくれた。
私の体よりも大きな剣。
これが私に与えられた力。
私の全てを奪った力!
「来なよ、俺の神機もあんたの神器を見て興奮してやがるぜぇ!」
「速攻で落としてあげるから、大人しくしなさいよ」
- Re: 武装シンキ ( No.5 )
- 日時: 2016/08/07 11:56
- 名前: JD (ID: SjxNUQ9k)
あいつの神機は多分だけど、あの足についている噴射機。
神機のおかげでアイツは空を飛ぶ能力を手に入れている……。
面倒な相手だけど、それ故に弱点もある。
「おら!いつまでゆっくり観察してるつもりだぁ!!」
「っ!」
奴の攻撃を剣で防御しながら避けていく。
そう、あいつには武器がない。
ナイフとかそういうのがあれば厄介だけど、あいつは元々そういうのを使わないというプライドがある。
だから。
「どうしたぁ?いつまで剣の後ろに隠れてやがるんだぁ?こっちは武器なしなんだぜぇ?」
「ごめんなさいね。あなたみたいな脳無しと違って考えないといけないの」
「あ?」
こういう挑発も簡単に乗る奴。
「ふざけやがって!考える時間も与えてやるかよ!!!」
安易な挑発に引っかかり、また突っ込んでくる。
だから、私は。
バコーン!!
思いっきり打ち返してやった。
「ほぎゃあああああああああっ!!!!」
「うん、ホームランって奴だったっけ?」
私はその場から撤収する為に剣を消し。
先ほどの奴らの財布を根こそぎ奪った。
証拠は……いや、いいか。
早く服着替えたいし。
私は夜の街を走り抜けていった。