複雑・ファジー小説

Re: 武装シンキ ( No.33 )
日時: 2016/08/10 19:21
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

【第6話 力の差】

「てえああああああああ!!!」

右手に力を込め、思いっきり剣を振り下ろす。
ロボットは素早く後ろに後退するが、それはチャンスだ。
私が次の行動が出来ないと思っているからの判断だろう。

甘い。
これぐらいの初歩の弱点はもう既に対策済み。
剣を勢いよく地面に落とし、瓦礫をロボットに撃つ。

流石にロボットということだけあって、あまりダメージはないだろうけど。
次の行動は簡単に取れるようになる。
一気に距離を詰めてやる。

地面を思いっきり蹴り、剣を構え真っ直ぐ飛ぶ。
だが、ロボットはそれを見逃さなかった。
素早く右手をこちらに伸ばす。

掴んで引き寄せるつもりだろうか?
まあ、そんなことはさせないんだけどね。
私はその場で飛んで、空中で体を一回転させる。

そして、奴の右腕を斬り飛ばす。

「なっ!僕のロボの腕が!!」

「あーりゃりゃ。これじゃあ使いもんにならないねぇ」

鉄の拳を持っている女はそれを見てケタケタ笑っている。

「こんなことありえないよ!ロボ!君の力を見せてやりな!」

神機使いの女に命令されたロボットは真っ直ぐ私に突っ込んでくる。
無駄なことなのに。
私はその場から動かずただ、ロボットの接近を待つ。

アイツの金属の足音がドンドンと近づいてくる。
そして、奴は左手を思いっきりこちらに向けて伸ばす。
今わかったことだけど。こいつの手は指先がナイフの様になっているようだ。

奴の手は私の剣の前で止まる。
当り前だ、私の武器は大剣だから。
盾にもなるんだよ。

ガキンッ

思いっきり奴の手を払いロボットはバランスを崩す。
そして、剣を両手でしっかりと構え。真上から振り下ろす。

「さようなら、ロボットさん」

バキィィィン!!

縦に切られたロボットはその場で倒れた。
なんだ、たいしたことないじゃん。
だが、本番はここからだった……。

Re: 武装シンキ ( No.34 )
日時: 2016/08/10 22:25
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

「おーいおい、もう勝った気でいるのかい!」

バキィン!!

「ぐっ!!」

素早く剣で防御したが相手の攻撃が重すぎる。
どんな力で殴り掛かってるの!?
防御には成功したけど、今ので足に来てしまった……。

次の回避……間に合うか?

「へっ、どうせ逃げることでも考えてるんでしょ?」

「逃がすわけないじゃん……あははははは!!」

ガンガンガンガンガンガンッ!!

なっ!?
こ、こいつ!あの重そうな腕でなんでこうも立て続けに連続で殴ってこれるの!?
いや、冷静に考えればシンキなんだから当たり前なのか……。

武器の重さはほぼないと考えていいんだから……。
だめだ、この場に固定されてしまった。
このままじゃ……。

「そこまでだ」

奴の連撃が止まる。

「あんたがここで水を差すのかい」

「こいつは俺の部下だ。当然だろ」

ヒカリがどうやら奴の攻撃を止めてくれた?
今のうちに下がらないと。
私は素早く後ろに飛ぶように下がる。

それを見た拳の奴は溜息を吐き。

「はぁ、逃がしちゃったぁ……でも」

カキーンッ

「あんたはここで潰せるよね」

拳の女はヒカリの刀を弾き、思いっきりヒカリの腹を目掛けて拳を振り上げる。
あの距離、あの位置、だめだ間に合わない。
ヒカリの腹に思いっきりあの拳が入ってしまう!

「やれやれ、舐められたものだ」

奴が拳を振り上げたとき、もうそこにはヒカリはいなかった。
すでに奴の後ろに立っていて。
奴は全身を切り裂かれていた。

一瞬で体から血が噴き出し、その場に倒れてしまった。

「一応、命は取ってないよ」

そう言いながら刀を鞘にしまい。

「行くよ、桜花」

そう言いながら彼は私に手を差し出した。
もう何回目だろ……これ。
だけど、今回は私はこの手を掴んだ。


【第7話に続く】