複雑・ファジー小説

Re: 武装シンキ ( No.38 )
日時: 2016/08/11 17:07
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

【第8話 これからどうする?】

あの事件以来、トパーズの集団がこの辺りをうろついているということは少なくなった。
まあ何も知らないアウトロー等は存在するのだけど。
トパーズがこの辺りに干渉することはなくなっった。

そして今、私たちは

「ほれー!桜花!行ったわよー!」

ぽこっ

なんで今プールにいるんだろう……私。
でも……。

「だめじゃん桜花ー!ちゃんとパスしてくれないとぉー」

「うん、ごめん。ぼけっとしてた」

恵理が治ってくれたことがとっても嬉しい。
それに、私を怖がっていなかったこともまた……。



【昨日、病室】

「ごめんね、隠し事してて……」

私は恵理の横で俯きながら謝罪をする。
何も言わないこの無言の間が私を苦しめる……。
何か言ってよ……私を怒ってくれてもいいから。

「えっと、桜花。隠し事って何?」

「え?だ、だって……私、恵理にシンキ使いだって……」

それを聞いた恵理は大きく息を吐き。
抱きしめてくれた。
そして、優しく

「私がそんなことであんたを嫌いになるわけないじゃん」

「恵理……うん、ありがと」

Re: 武装シンキ ( No.39 )
日時: 2016/08/11 17:37
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

「よーし!行くよー!」

いま私たちがやっているのはバレーボールだ。
ボールを簡単に打ち上げラリーを続けていくという遊び。
体が水に使っているせいであまりうまく動けないから中々難しい……。

「あはは!本当にこういうことしてこなかったのね!」

「ホークさんはうまいですねー!それにスタイルもいいですし!」

「そ、そこは関係ないでしょ……」

ふん、どうせ私は小さいですよ……。
というか恵理とホークが大きすぎるだけじゃないの?
見て見なさいよ、男共が鼻を伸ばしてるし……。

これだから男っていうのは嫌いよ。
でも、何だろう……。
ヒカリは私を見てる気がする?

……よし。

「ボス!いいですねぇー!いやぁー恵理ちゃんは可愛いですねぇー!!」

「ああ、そうだなぁ……」

ボールが来たとこで思いっきりあいつ等に投げる!

「これでも食らいなさい!!」

「へ?い、いだぁ!!!」

お、ヒカリの顔面に当たった。

Re: 武装シンキ ( No.40 )
日時: 2016/08/11 19:41
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

「いっつー……何するんだよ!!」

「そんなとこでジロジロ見てないでこっち来て遊べば?」

そういうとヒカリは顔を赤くして少し考えて。

「わ、わかった……リースいくぞ!」

ヒカリはリースを連れてプールに入ってくる。
なんともまあ情けない……。
でも、なんだろう。

ちょっと楽しいかも。

「あ!桜花が笑ってる!」

「へぇ〜あんたってそう笑うんだね」

ホークと恵理が私の顔を見て笑う。
……すっごい失礼じゃないかな?
そしてヒカリとリースもつられて笑い出す。

だから、私も笑ってしまったんだろうね。

Re: 武装シンキ ( No.41 )
日時: 2016/08/12 12:32
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

プールから上がり、少し休憩を取る。
天井を見上げ、少し目を閉じ。
これから自分はどうするべきなんだろうと考える。

学校にはもう戻れない……。
シンキ使いとわかってしまったからにはどこかに移らないと……。
ある意味これもレーンの考えの一つなんだろうか。

「私……どうすればいいのかな」

少し、俯き考える。
そして、後ろから背中を押され。
横にヒカリが座り、飲み物を私に渡してくれた。

「何俯いてるんだ」

「これから、どうすればいいのかなって考えてた」

ヒカリは少し考え。

「居場所ならここにある。俺のとこに来てくれないか?」

飲み物が入ったコップを私の前に向ける。
彼の顔は真剣だ。
というか、元々そこまで冗談を言えるような人間でもないんだろう。

私はコップを持って。

「本当に私でいいのね?」

と聞く。
彼は頷き笑った。
……そっか、ここが新しい私の居場所なんだね。

私は彼のコップに自分のコップを当てた。
グラスのような音は鳴らない。

【第9話に続く】