複雑・ファジー小説

Re: 武装シンキ ( No.6 )
日時: 2016/08/07 12:01
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

【第1話 一人の少女】

ピピピピピピピッ!!!

ピピピピピ……バァン!!

……。

プルルルルルル!!

プルルルルバァン!!!

モソモソッ……。

「……何」

『あ!おはよう!桜花(おうか)!』

「……あと5分」

『あ!これ以上寝たら遅刻になっちゃうよ?早く起きてよ!』

学校……。
ん?今日何曜日だっけ?
えっと……昨日が……土曜日?

『違う!昨日は日曜日!!もう!起こしに行くからそこにいてね』

「ご迷惑お掛けします……」

Re: 武装シンキ ( No.7 )
日時: 2016/08/07 12:11
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

「寝てるし……」

「すぅ……すぅ……」

「もー!ほらぁ!起きてぇ!!」


布団を勢いよく引きはがされて私はベッドの温もりから解き放たれてしまった。
私はゆっくりと重い体を起こして目をこする。

「ほら、顔洗って来て。おにぎりかサンドウィッチぐらい作ってあげるから」

「ん……」

言われた通り、私は手洗い場に向かう。
蛇口をひねり、冷たい水に手を当てる。
そして、それを顔に掛ける!

……冷たい。
濡れた顔をタオルでよく拭いて洗濯機にタオルを入れる。
そして大きく息を吐き、朝が来てしまったことに残念な気持ちになる。

「桜花、おにぎり作ったから早く食べてね」

「うん、ありがと。恵理」

彼女は私の友達。
だけど、私の裏の顔は知らない。
知られちゃ……いけない。

Re: 武装シンキ ( No.8 )
日時: 2016/08/07 13:10
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

「ねえー今日の帰りどこか寄っていかない?」

「まだ学校にも行ってないのに帰りの話をするの?」

「だってー、あ!桜花知ってる?」

こういう時は大体私の知らない話をしたいということだろう。
めんどくさいけど……聞かないと余計にめんどくさいよね。

「知らない……」

「でしょー?えへへ。あのね、今日うちのクラスに転校生が来るみたいだよ!」

「ふーん」

「それも男の子らしいんだよぉ!どんな子かなあ〜イケメンかなぁ〜」

恵理(えり)はすごい目をキラキラと輝かしているけど。
私自身、とってもどうでもいい。
というか、あんまり人と関わりたくないのが本音。

まあ恵理に関してはこういう性格も合わせてぐいぐい来られたから仕方なく付き合ってるだけ。
それに、こういう性格だからあんまり人も寄ってこないわけ。
恵理が非常に珍しい人間なだけ。

だから、恵理に何かあったら……。

「あれ?見て見て桜花!」

「ん?何?」

「あの金髪の子。見たことある?」

「……恵理が見たことないなら私は知らない」

「そっか……」

Re: 武装シンキ ( No.9 )
日時: 2016/08/07 13:55
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

「それで、どうだ?何か掴めたか」

「……それがまだ、でも!目星は大体」

「目星ね……まあそれなら俺も掴んだ」

「っと、ターゲットが接近してきた。一旦切るぞ」


転校生ねぇ。
なんで私がその転校生を呼んでこないといけないのだろう。
まあ理由は宿題忘れたからなんだけど。

えっと、金髪だからわかりやすいって言ってたけど……。

「あ、えっと……3年C組の子ですか?」

「そうよ。あんたがえっと……金髪ね」

「え?は?き、金髪??」

「うん」

私がそういうと金髪は少し驚いたような顔をした後。
ぷっと吹き出し、笑い出した。

「あ、あははははは!!き、金髪って!」

なんかすっごい失礼ねこいつ。
ん?私の方が失礼かな?
ま、いっか。

とりあえずこいつをクラスに連れて行かないと……。

「ねえ君」

あーうるさい。
今度は何?初めて会ったその瞬間から的な感じ?
正直それはあり得ないしそんなことないと信じたいんだけど。

「何?要件なら早く言って」

「えっと、君って武器とか出せたりする?」

「……」

「どうなのかな?」

こいつ……何者?

Re: 武装シンキ ( No.10 )
日時: 2016/08/07 14:21
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

「どうしたの?早く行こうよ」

「あんた、何者なの?」

しまった。
つい口に出てしまった……。
これじゃ私は武器出せるよー☆って言ってるようなもんじゃん。

さて、どうしたもんかなぁ……。

「僕はただの転校生だけど?それに、興味本位で聞いてみただけだから忘れて?ね?」

「え?あ、うん」

流せた?
……いや、違う。
こいつ、気づいてる。

多分、私が変な動きをした瞬間に……やられる。
下手な動きはしないで、教室に……。

「やっぱり君だったか。大人しくしてくれていることを望むよ」

「!!」

Re: 武装シンキ ( No.11 )
日時: 2016/08/07 14:34
名前: JD (ID: SjxNUQ9k)

「君は中央都市の夜に小物を狙っての漁りをしている子だよね」

こいつ、私のことを知ってる!?

「そして、昨日の晩。君の強さを知った」

「君も使えるんだね。『武装シンキ』を」

「な、何のことだか……」

「誤魔化すのはお互いよくないと思うが?」

どうする……どうやって逃げる?
背後は壁。目の前には金髪……。
使う?神器を?今ならやれるけど……やった場合。

学校に入れられなく。

また私が一人になるの?
ど、どうする?どうする?

「あ!いた!!桜花!遅いよ!!」

「え、恵理……」

よ、よかった……。
なんとか助かったぁ……。

「って、あ、あんたらいきなり!?か、壁ドンなの!??」

「え、恵理!よ、よかった!たすかっt……」

パァーン!!!

え?何?
なんで恵理の右胸に穴が空いてるの?
なんで……血を流してるの?

「見つけたぜ。ハイエナぁ……。このジェット様の顔に傷をつけやがってぇぇ……」

昨日の?ジェット?あいつが……。
お前が恵理を……。

「俺の部下たちがこの学校を占拠してやるよぉ!ついでにてめぇもここの潰す!!!」

「……いいよ。かかってきなよ」

「その代わり、後悔だけはしないでね」


「完膚なきまでにぶっ潰してあげる」

【第2話に続く】