複雑・ファジー小説
- Re: TRAGEDY WARS【オリキャラ募集中】 ( No.7 )
- 日時: 2016/08/26 23:49
- 名前: αZ (ID: 0aJKRWW2)
第三話 ラファルム帝国の元帥 前編
聖歴1949年 冬、一つの軍用のジープが雪の中移動していた。運転をする兵士とその後ろには二人の男女が乗っており女の方は軍帽を深く被って寝ていた。
「もうすぐ到着しますよレラ元帥」
男が女の肩に手を置き体を揺らすとあくびをしながら深く被っていた軍帽を上げた。
「着いたにしては早いですねアクシミリアン大尉?まだ少し先がありそうですが」
「ヘレシア平原に到着しても寝ていたら部下に示しが付きませんよ?」
アクシミリアン=ユーヘルトはエルフ族の男で年齢は639歳という年齢である。軍人には向かない体格をしているが将軍を補佐を任せられる程の切れ者。常にラファルムによる平和を願っていると言うが少しだけ諜報部によりそれは建前だと言う事はわかったが裏切る事は無無いと判断賢い者ならすぐに察したが誰も咎めなかったがかなり腹黒いと言う事は分かっている。
アクシミリアンの言葉にレラは少し不機嫌な表情を浮かべながらジープ内で少し背伸びをした。
「・・・やはり、車の中では寝るのに適しませんね」
「車は移動する物です。寝る事に適さないのは当たり前です」
「言ってみただけよ」
そんなやり取りをしていると戦場に到着した。そこでは雪の積もったヘレシア平原で兵士達が塹壕を掘り土のうを積み立てて防衛線を構築していた。その後ろには300程の野戦砲や150程のロケット砲を設置するなどの遠距離に対しての対策を講じていた。
「ふむ、中々の光景ですねレラ元帥」
「えぇ、少なくともね」
「少なくともですか?」
「ラファエル軍の主力である戦車はどこにあるの?」
レラは戦場となる平原を見渡したがそこには戦車の影の形もなかった。アクシミリアンは冷静に判断し応えた。
「この雪の中、恐らく遅れているのかと」
「・・・そう、でも勝てないわけではないから少し作戦を変えて戦闘は予定通り進めなさい」
「了解しました」
アクシミリアンは敬礼しその場から立ち去るとレラは戦場となるヘレシア平原を見た。戦場となる前は春になると美しい緑と花が生え冬になると白い雪原になると場所だったが今は塹壕などが掘られ一面は雪の白と泥の茶だけだった。
「数年前まではこんなのはなかったのに・・・」
レラは懐かしむように言うとすぐに考えるのを止める。
「いけない私とした事が・・・戦争では情を捨てなきゃ。そうでないとまた、同じ事が起きるだけ」
レラはそう呟くと冷たい目をしながらルギリス軍の現れる姿を見た。