複雑・ファジー小説
- Re: TRAGEDY WARS【オリキャラ募集中】 ( No.32 )
- 日時: 2016/08/30 19:02
- 名前: αZ (ID: 0aJKRWW2)
第四話 エラス島上陸作戦 魔導力式戦術機NTM−34戦 〜ラファエル帝国国〜
銃弾を受けた兵器は効いている様子が無くが発砲したルギリスの兵に向くと左箇所のミサイルをその兵に向けた。
バシュゥ!
ミサイルが発射されルギリスの兵は間一髪避けたが爆風で吹き飛ばされた。一方レラは思考の渦の中にいた昔の記憶をゆっくりと思い出しながら一人の少年に行き着いた。
「まさか・・・ウェル?」
レラはしばらく考え込むとふと装甲車に目が行くとそこにRPG-7があった。誰が直し忘れたのか知らないが天の助けに見えた。レラは素早くRPG-7を持って構えるとウェルに向かってウェルと思しきルギリス兵に叫んだ。
「引きつけて!」
ルギリス兵は察したのか素早く動き回り兵器を翻弄し始めた。レラはゆっくりと動き回る兵器に狙いを定めて動きを一瞬止めた兵器にRPG-7の引き金を引いた。
ドガアァァァァァァン!
兵器は木っ端微塵とまでは言わなかったが機能停止までは追い込めた。レラはシャドーが吹き飛ばされ落としたヘーネル StG44を拾い兵器に近づこうとするルギリス兵に向けた。
「動くな」
ルギリス兵はゆっくりと武器を置いて手を上げた。そして、振り返るとそこには懐かしい顔があった。
「久しぶりねウェル・・・」
「お前は、何故俺の名を・・・」
やはり、レラはヘーネル StG44向けたまま静かに笑った。
「思い出せないの?昔のようにウェル兄て呼んで欲しいの?」
「・・・まさか、いやお前は確か兄妹で死んでしまったんじゃ」
「それは残念ながら嘘よ、私達はラファエルに亡命してたのよ。この世から全ての他種族の差別を無くし平和な世界を作るための・・・」
ウェルは手を上げたままでレラを睨んでいる。
「嘘だと言う事はレインも生きているいるんだな・・・」
「えぇ、あなたは新聞とか読まないの?兄さんは今はラファエル帝国の総統になって国を率いているのよ」
レラは誇らしげに笑っているがウェルは違う。ルギリスにも種族差別を認めない者達が増え始めているのだ。大統領を始めとする重鎮達や共に他種族の共存を唱える民衆などが。
「この機械は何だ?あからさまに業務用じゃないな」
「それは魔力を液体状に加工した燃料を使った戦術機NTM−34て言う兵器なの。遠隔操作で無人だから人への被害を出さずに戦える代物よ暴走しちゃったけど」
NTM−34が実用化されれば周辺諸国に驚異になりかねない代物だとウェルは察した。対戦車のRPG-7でなければ破壊する事すら難しい兵器だ。この島にあるのは実験としてルギリス本国に投下し暴れさせる為だと考えた。
「これがどれだけ危険なのか知っているのか?」
「えぇ、だからあなた達の手に渡る前に破棄するつもりで破壊を命じたんだけど後はご覧の通り暴走よ」
レラは平然と答えるレラに取って戦争では情は不要なのだどんな兵器でも命令とあらば導入する非常な性格なのは過去にある事をウェルは知っている。
「レラ・・・」
ウェルがレラに近づこうとした時、
バタバタバタバタバタ!
何かが来る音が聞こえた。ウェルが空を見上げると飛行機とは違う空を飛ぶ乗り物が降りてきた。レラには見覚えがあったそれはヘリコプターと呼ばれる乗り物でスペンスに先を越されて後から開発された乗り物だった。
「レラ元帥無事ですか?}
「レラ元帥閣下!」
ヘリコプターにはアクシミリアンとクリフトフがいた。レラ平然とヘリに乗った。
「少し怪我しただけよさぁ早く逃げましょう」
レラがそう言うとヘリは飛び立とうとした。
「待て!」
ウェルが叫んだが既に遅くヘリは高く飛び立ち見えなくなっていた。
「レラ元帥良かったのですか?ルギリスの兵を生かしておいて」
アクシミリアンの問いかけにレラは、
「昔馴染みだったから今回は生かした」
と言った。