複雑・ファジー小説
- Re: TRAGEDY WARS【オリキャラ募集中】 ( No.34 )
- 日時: 2016/08/30 12:00
- 名前: αZ (ID: 0aJKRWW2)
第五話 戦いの中での安息 〜ラファルム帝国〜
レラはヘリで島を脱出した後、飛行機経由で帝都ベルンソワに帰途についていた。今までの報告を兼ね怪我の療養とするのが理由だった。レインとレラの二人はテーブルに向かい合って座り食事をしていた。レラは今回は軍服ではなく紅のドレスを着ていた。
「兄さん、今回の戦争では懐かしい人と会いました」
「ほぉ、そいつは誰だ?俺も知っている奴か」
「兄さん、ウェル=アルファレッドを覚えていますか?」
ウェルの名前が出た瞬間、レインの食事が止まった。レインはフォークとナイフを置きテーブルに両手を置いた。
「覚えている俺達の友だった奴だ・・・」
「ウェル兄と戦場で久しぶりに会って命を助けてくれた。兄さんの予想通り死んだと思われてた」
第一次グルセリア大戦が起こりレインとレラはラファルムへの亡命を決意した。適当に転がっていた体格の似た死体を使い死を偽装して。その理由は獣人族の女、アイラ=ディラスの死にあった。アイラはレインとレラの姉貴肌として接してくれてレインの”婚約者”でもあった。その為、自分を庇って死んだアイラにレラは酷く自分を責めほとんどの感情を失うという事に繋がった。レインは二度とこんな悲しい結末が起こらないように世界を征服する野望を持った。
「あの時は彼奴まで巻き込みたくなかったから置いていったんだ。まぁあの頑固者に本当の事を連絡して伝えても協力してもらうどころか怒られるな」
レインはそう微笑みレラは変わらず表情の変化がない。
「生きていて良かった・・・だが、俺は歩みを止めはしない俺はもう引き返せない領域に入っている。だから俺は容赦なくウェルを殺す・・・、レラお前はいつでも引き返せるんぞ?」
「何を言っているの兄さん。私は多くの人を殺した残虐な女よ・・・、私も引き返せはしないわ」
そう言うとレラ微笑み食事を再開した。その様子にレインは悲しげに見つめていた。感情のほとんどを失ったレラに残された数少ない感情の一つを見て。