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第八話　　電撃作戦　開戦前　　〜ルギリス連合国〜

「爺！俺も連れていけ！」

「駄目なものは駄目じゃ。お主が出張ったら軍がバラバラになるわい」

ボールドウィンと喧嘩をしているのはエドワード・ブラッドフィールドと言う中尉だった。ルギリス連合国の暗部の象徴である。実力は軍の将校クラスだがまともに隊列を組めないからである。

「どうしましたボールドウィン参謀総長？」

エンリが騒ぎを聞いて駆けつけて来た。

「こやつが戦場に連れて行けと言っておっての。無理だと言っているのじゃが・・・」

「お前がエンリか？俺も連れていけ！俺は戦場で暴れ回りたいんだよ！！」

「・・・無理です」

エドワードが親指を自分に差して叫んでいる。エンリもこれには困り果て無理だと言った。

「くそ！この爺と尼が！！」

エドワードが壁を勢きよいよく殴ると壁が大きくひびが入った。

「あ〜、エドワードが強化人間である事を忘れてたのう・・・」

「強化人間？」

「うむ、薬を使って身体能力を高める実験があっての。その実験にエドワードを使ったら身体能力を底上げできたのは良かったがルギリスの狂戦士だけに怒ると壁を殴ってこうなるようになった」

平然と答えるボールドウィンにエンリは呆れ顔になった。

「エドワード中尉・・・後で壁を直しておいてくださいね」

「そっちかよ！？」

エドワードが普段ならありえない事にエンリにツッコミを入れた。ボールドウィンも唖然とした顔になった。

「ゴホン、兎も角絶対に連れては行かんぞ」

「ちくしょー！俺は絶対に着いて行くからな！！」

エドワードが走り去って行きそれを見ていたエンリはため息をついた。