複雑・ファジー小説

Re: ピエロ恐怖症の高校生達のサーカス ( No.1 )
日時: 2016/09/17 21:15
名前: のあ (ID: RQnYSNUe)

4/4 AM10:00

「…ねぇ、まだなの?」

「いや俺だって頑張ってるって!」

「はぁ?どんだけ地図読むのに時間かかってんの…。」

「俺より地図読めないお前にだけは言われたくねぇ…!」

…俺は赤倉あかくら ひとり。もうすぐ高校に入学する。

ちなみにこっちは山内やまうち 遥瑠はる。俺の幼馴染みだ。こいつも俺と同じ高校に入学する。

「てかそろそろ目的地に到着したいんだけど…流石に周りの視線が痛い…。」

…遥瑠がそういうのも分からなくはない。

だって俺は左肩から下がなく、袖がぶらぶらしている。遥瑠は…俺みたいな目立った外傷はないが白髪で、左目を前髪で隠すという個性的な姿だ。

俺達が何処に向かってるかって?あぁ、まだいってなかったな。

俺達の入学する高校は、俺みたいな体の一部がない人、過去にいろいろあって親が居ない人、うつなどの精神的に問題がある人も通えるようになっている。

そこでその高校は、専用の一つのシェアハウスを建てたんだ。察してるやつもいるかもしれないが、そのシェアハウスは、まぁその俺達みたいなやつらが住む場所だ。

俺達はそのシェアハウスに向かっているんだが…

俺はバリバリ理系だから社会なんてどうあがいても無理なわけで、遥瑠は学年の成績はいつも1位か2位なのだがまさかの方向音痴という欠点がある。

そんな俺達が遠いところからシェアハウスまで行くなんて…よくここまでこれたなと内心驚いている。

しばらく(適当に)歩いていると、一つの学校を見つけた。

「あれ?ここ、ウチらが通う高校じゃない?」

あ、ホントだ。校門には「桜咲さくらざき高校」と書いてある。確かに俺達が入学する高校だ。

「てことは、この辺りに俺達の住む場所があるってことか。」

「シェアハウスは広いって聞いてるし…とりあえず地図見ながらそれっぽいところ探せばいいのかな…。」

「けどお前地図読めないだろ?(笑)」

「はぁ?まぁ確かに地図が苦手なのは認めるけどさぁ…一切読めないって訳じゃないからね?成績は独より上だしー。」

「はいはい。ほら行くぞ。」

10分ほど歩くとそれっぽい所に着いた。まぁ合ってるか分からんが…。

「…違ったらどーしよ。」

遥瑠も心配しているようだ。

「そんときは聞けばいい話だろ。行くぞ。」

「うん。」

ピンポーン

俺はインターホンを押した。