複雑・ファジー小説

Re: -7日間の契約- ( No.3 )
日時: 2016/10/09 14:29
名前: 雫夕 (ID: 6ASHZzNt)

Sign a contract #2
____________




「……誰。」


目の前に現れたのは、
仮面をかぶった男の人。

身長は意外に高く……
低い声をしていた。


「……誰、か。 クロとでも言っておこうか」


クロ、と名乗るこの男。

私が聞きたかったのはそういうことではなくて、
私との繋がりを聞きたかった。


「……君は本当に自分のことを何も知らないんだな」



自分のことで知らないことがあるはずがない。
だって、自分の体は自分が管理しているのだから。



「単刀直入にいうと、君は死んだんだよ。ついさっき、トラックに跳ねられて……な。」


「……何を言ってるの」


冗談にしてもこの状況では笑えない。


「もし、私が嘘をついてたとしたら、何故君はここにいる?今まで君が読んだ紙もこの嘘の為だけに作ったとでも?」


責めるように私に言葉をぶつけてくるクロさん。


「……死んだとしても何故私はここにいるの」


「……あぁ、正確に言えばまだ死んではいない。まぁそのうち死ぬだろう」



質問の答えになっていない。

何故私はここにいるか聞きたいのに……。



「私が君と契約を結びたかったからだ」

「…契約?」

「あぁ、その契約とは紙のとおりだ。もういちいち説明させないでくれ」



勝手に自分の私欲で私を呼び出して、
説明がめんどくさいと……。

身勝手な人。

紙に書いてあったこと……



______7日間その身体を守れれば契約は成立。



「……どういうこと」

「つまり、その身体は君のではない。容姿や体型等は君だが、君の体は現実の世界で病院のベッドで横になっているよ」

「……」

「7日間、君にはこの世界にいてもらう。その身体でな。……ただ、この世界には君を殺したい人がいっぱいいる。そんな中、君が身体を守りきれれば、君を現実世界で生かしてやろう」






「どうだ、契約を結んでみないか?」