複雑・ファジー小説
- Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.8 )
- 日時: 2016/10/19 12:24
- 名前: 雪姫 (ID: KIi4ddQs)
№004
もーう失礼ちゃうなー。せっかく新作の妄想劇を見せてあげたのに感想が文句しかないって。
ムカついたので今日の晩御飯はインスタントです。
「いつもじャ?」
「い・つ・もじゃないよ!今日のは特売セールの安売りしてた冷凍食品だし」
「いつものダ」
「くぅ〜〜〜そんなこと言う子にはご飯抜きですからねっ」
「うわ〜んっ虐待だぁーイジメだぁー」
「はいはい。わかったから、チンしてきて?」
「ハーイ」
さっきまでのは嘘みたいに、元気よく笑顔で台所に向かうびんちゃん。現金なヤツ。
さてとわたしは箸とコップとかを用意しようかな。
〜十分後〜
「「おぉ〜〜〜」」
目の前には美味しそうな料理が。スパゲティ、グラタン、サラダ、冷蔵庫にはジェラート。
ひとくち口へ運べば「んん〜」幸せが口いっぱいに広がる。技術の進化最高ー!!
「モグモグそういえばサ」
「こら。口に物が入ってる時にしゃべらいの」
「んぐぐ…ゴックン。ホームのとこのあらすじにサ
【田舎娘が都会へ!
新居は今にも崩れそうなおんぼろアパート。がっくし?いやいや、むしろイケメンに囲まれてハッピー。モテ期きたれりっ!ビシッ
…と思ったのに、何故かモノノ怪(変態・変人・変な生き物)に憑かれてしかも、一年以内コイツを成仏させないと一生恋ができないぃぃ〜〜!?】
って書いてあるけどいいの?」
「なにが?」
「タイトルも【上京したら変態に憑かれました】なのにもう上京してるシ。憑りつかれてるシ。ボク成仏してないシ。とゆうか神だからしないシ」
「……ぁ」
びんちゃんの心は読めるのに空気は読めなさすぎる発言にて、わたしは主人公兼ヒロインとして自分に与えられた大いなる使命を思い出しちゃった。
このまま平和にびんちゃんと笑い合いながら楽しく暮らすのも悪くないと思い始めたところだったのに…。
『過去の回想入りマース』
〜二ヶ月前 三月前半〜
『夜桜〜四丁目。夜桜〜四丁目でございます。
お降りの方は足元注意の元、忘れ物などないようお気を付けくださいませー』
「ふぁ〜〜、あまりにも長くて寝ちゃってたべ」
都会さはすごいっぺな。こんな地下に電車が通ってて人が寿司詰めになってるもんだ。
あいの田舎じゃバスが朝昼晩一日三本。乗り過ごさんと、じっちゃばっちゃやったけど都会はすげー。
そいや。ねっちゃから借りた少女漫画にはひろいんは読者に向けて自己紹介するのが、お約束やそうだっけ?
あいは八重桜(やえざくら) しほり ゆうべ。好きな食べ物は、お芋だ。焼き芋は特にうまいべ。
田舎から親戚のつて使って都会さきたべ。
夜桜四丁目のどこかにあるっつう河井荘ってとこに今日から住む予定。
「おっそだそだ。迷わねぇように、おとっちゃに書いてもったメモメモ。
んーど?駅を出て商店街を通り、タバコ屋の角を曲がり、ふむふむ…」
ま、なんとかなるべさ。
木しかねぇ田舎でもなんとか生きてきたんだべから、コンクリートジャングルの都会でも生きられるで。
『ド田舎娘しほりの大冒険!—河井荘へ行きたいのにココハドコ?』はいずれ書く番外編をご参照ください。
びん「いずれってイツだよ!?ちーほ訛りがヒド!!」
〜河井荘到着〜
ボロロロロォ
「?」
不思議か今、変な効果音が聞こえたような…?とゆうより今わたしの目の前にある建物は幻覚?幻?
今にも崩れそうなおんぼろアパートが佇んでいるんですが…。
(八重桜しほりはかつてない波乱万丈な冒険をしたため都会人レベルが一気に上がり訛りがすっかり抜け、標準語が話せるようになっていた)
「もしかしてまた間違えちゃった?もうわたしったら〜うっかりさん。テヘッ。
えーとメモには…」
メモを見てみるとやっぱりここを差してる。まっさかぁ〜と思ってアパートの塀のところにかけてある看板をみると【河井荘】と達筆な字で書いてある。
メモ看板・メモ看板・メモ看板×何万回
「うーー目痛い!!ついでに頭も心も痛い!!
ちょっと待って!?夜桜四丁目に建つ超高層マンションの最上階じゃなかったの!?スイートルームは!?
執事は!?メイドは!?セバスチャンは!?」
そんなものこんなおんぼろアパートに存在するわけがない。
「うわぁぁぁマジか!騙されたぁぁぁぁ!!」
なけなしの大金はたいて上京したっていうのに、ふたを開けたら今にも崩れ散ってしまいそうなボロボロなアパートなんてーーー!?
〜三十分後〜
近所の人たちの白い眼差しなんて気にせず大声で「うわぁぁ」と気が済むまで叫ぶと気持ちが落ち着いてきた。
騙されたものはしょうがない。諦めよう。後で呪いのグッツを馬鹿オヤジに送り付けよう。
メモには“河井荘着いたらすることリスト”なるものも書かれている。
えーとまずは大家さんにあいさつっか。
注意事項。大家さんは一○一号室に住んでて、少し恥ずかしがり屋で照れ屋だからあんまりグイグイいかず、つかずはなれずの距離感をたもつことがコツだって。
「すいませーん。誰かいますか?」
数回ノックをすると返事もなく、ゆっくりと鍵の開く音がした。そしてゆっくりドアが開かれる。
「あ、わたし今日からここにす…む」
「………」
開いたドアの向こうにいたのは、真っ暗な部屋にたたずむ真っ黒の人。
よくテレビやる銀行強盗が被ってる目鼻口が出た黒いマスクと全身タイツを着てる人って感じのなまやさしいものじゃなくて。
黒!全身黒い。簡単に的確に万人にわかるように一言でこの人の事を説明するなら、名探偵コ●ンでてくる犯人!!
「はーー!『ガチャン』え?」
犯人と言おうとしたら、黒い人に何かを投げつけられ『バタンッ』と勢いよくドアを閉められちゃった。…わたしなにかした?
「まっいいや。あっこれ鍵だ。二〇五号室のだ。もしかしてわたしの部屋の?」
というとドアからコツコツと小さな音が。
見た目はすっっっごく変だけど、悪い人?じゃないみたい。
「ありがとうございます。これからよろしくお願いします!」
あいさつをすると、またコツコツと音が。
よしっ。大家さんクリアっと。
次はお部屋とのご対面だな。…こんな見た目の場所だから全然期待はしてないんだけど、ちょっとくらいは…人の住める場所くらいにはなってるはずだよね?
わたしはドキドキワクワクしながらゆっくり階段を上がっていった。
この時はまだ知らなかった。まさかあんな出会いが待ってようとは——
つづく…☆
◆あらすじ◆
登場:黒い人
黒「わっふぅー!ついに登場私(ワタクシ)こと黒い人!決して名探偵コ●ンの犯人ではありまっせーーん。
ただの恥ずかしがり屋さんです(照れ)
今回の新事実判明コーナー
【主人公のフルネームついに判明!?
八重桜(やえざくら) しほり ってゆーんやって
初期設定は、訛りが酷かったらしい。
思い込みが激しいのは元から。
好きな食べ物はお芋。現在の主食はインスタント食品。
主人公特有の大いなる使命を背負っている?】
的な感じです〜♪
メタ発言からの〜過去回想編。次回は貧乏神と主人公の出会いの辺り、なんで主人公はのろ…憑りつかれたのか?辺りを書けたらなーと思っておりますビシッ」