複雑・ファジー小説

Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.12 )
日時: 2016/10/22 08:21
名前: 雪姫 (ID: AzZuySm.)

№006 5bパート










ミシミシ。
茶色く変色して今にも崩れてカシャーン!ってなりそうな階段を上がって行って五〇ニ号室を目指す、しほりさん。
そしやなんやかんやで部屋にたどり着き、そんなかんやで色々あって

「現在にいたります。…と」

ま、こんなものかな。
詳細はaパートをご参照くださいませ〜。

「よーし。押し入れに住み着いた幽霊と別の形でアタックよ!
 今度こそ、退治してやるんだから!」

せいっ!といきよいよく押し入れのふすまを開けるてみると

「ふふん〜ん?きゃーのび郎さんのエッチー!!」

バタンッ

「は?」

何?今の?
aパートとは違う展開にするとは言ったけど…ナニコレ??

「もしかしてわたしが無意識に生み出してしまった、悪魔の妄想? 
 ははっはぁ。わたしってはうっかりさん。よーし気を取り直してもう一度」
「あちょちょちょ!おまえはもうシんでいるのダ」

バタンッ。

「もう一度…」
「実は一度しかやってなかった、ちゃぶ台返しアタァァクゥゥ!!」

バタンッ。

「もう一度」
「実はそんなに言ってなかった、安室!イッきまーす!」

バタンッ。

「お嬢さん、奴はとんでもねぇもんを盗んでいきました。それはアナタのハートです」

バタンッ。

「ソンナに何度も開け閉めされたら、さすがにネタもつきたヨ」
「シェーーー!?」

バシッン。
押し入れの中にいた子供におもっきり強烈なビンタし急いでふすまを閉める。
中から悲鳴が聞こえるけど、気にしたらだめだ。気にしたら、アッチの世界に引きづり込まれちゃう。昭和の世界に!!

「きゃーおばけー!?
 昭和のアニメ名台詞集なんて古すぎるよー!」

急いで部屋から退散する。
ここに長居したら、吸収される。昭和のおばちゃんになっちゃうーいやぁぁ!!。

「ぁれ…?」

無我夢中で走ってたら、急に体がふわぁっと中に浮き上がった…ような気がした。と思いたかったけど

「ほ、ほんとに浮いてるー!?てか落ちる—!?」

されはただ、階段を踏み外して落ちる落下の過程にすぎなったみたい。
階段の下は当然地面。マットレスなんてものはない。
このまま落ちれば骨折間違いない。打ち所が悪ければ、わたし死んじゃうかも??

「っ!!?」

まだ物語始まって五話しか進んでないのに。話的に行ったら一話たりとも進んでないのに。勇者まだ実家から一歩たりとも出てないのに、主人公死亡ENDなんて。
お父さん。お母さん。お姉。みんな今までありがとう、そしてさようなら。
まだ思いを伝えてない大好きだったあの人も…。

「あぶねぇ!!」
「ぇ?」
「ぅっ!く」

地面に落ちてジッエンドだと思ってたら、ナニか柔らかいものが受け止めてくれたみたい?それに温かい。
いったい何が…?

「って二ノ宮くん!?」
「あぶねーだろ、しっかりしろ!人んちで死人だしてんじゃねぇ!!」
「はっはいー!!」

彼は高校の時の同級生、二ノ宮 雄輔/にのみや ゆうすけくん。わたしのぉ〜ってこれはもう一話目で説明したらいいかっ。容姿もいいよね?
どうやら地面に落ちる寸前で彼が受け止めてくれたみたい。
さすが二ノ宮くん。素敵〜カッコイイ!

「重いデブ!さっさとどけろ」
「あっ。ごめんね」

デブ?…デブ。……照れ隠しだね!二ノ宮くんったらかっわいい。
いつもツンツンしてるけど、実は恥ずかしがり屋でデレたらもうっ最高なの!!キャー!!

「でもなんで二ノ宮くんがここに?」
「あ゛?なんでテメ俺の名前知って……って菅本じゃねーか!?」
「……今気づいたんだね。
 両親が離婚して、今は八重桜って苗字なんだけどね」
「やえざくら?あぁそいうや、今日からそんな名前の奴が入って来るって黒田さんが言ってたな」
「黒田さん?」
「ここの大家。全身真っ黒の「あー、はんっ」チッ、それは禁句だ」
「はい。……で二ノ宮くんはなんでこんなところに?」
「こんなところで悪かったな。ここ俺の親戚がやってんだ」
「そ、そうなんだぁ〜〜あはは」
「チッ。で、黒田さんはあんなだから外回りの仕事を手伝ってるんだ」
「へ、へぇ〜」

外回りの仕事ってなんだろう?
でもまさかこんな…って言ったらまた怒られちゃうね。でもまた二ノ宮くんに合えるなんて嬉しいなー。
もしかして、第二のチャンスきた?

「しっかし、母子独りなのに一人暮らしをするなんてお前もつくづく苦労人だな」
「え?母子独り?」
「ちがうのか?母親につくから旧姓になって苗字か変わるんだろ?」
「あー違う違う。うちのお父さん婿養子だから」
「………いろいろ複雑なんだな」

あっれ〜??おっかしいなー??変な空気になってしまったぞー?

「あ、そういやあお前なに急いでたんだよ?階段を落ちるくらいに」
「そそうだっだぁぁぁ!!おおぉおば」
「おば?」
「オバケがーー!!」
「は?」

二ノ宮くんに事のあらましを説明する。
信じてくれるかな?高校の時から二ノ宮くんって非科学的なことは大嫌いって感じだったし…。
いくらみんなが誘っても絶対にお化け屋敷に一緒に入ってくれなかったんだよねー。


Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.13 )
日時: 2016/10/22 09:55
名前: 雪姫 (ID: FA6b5qPu)

№006-2 5b






二ノ宮くんを引き連れてニ〇五号室のドアの前までやってきたのは、いいんだけど…。

「霊なんているわけないだろ。だたでさえ、近所から変な噂たてられて迷惑てるっつうのにお前までいうのかよ」
「だっだって本当に…」
「あー、わかった、わかった。とりあえず見てやるよ」

とこんな感じ。
やっぱり二ノ宮くんは幽霊とか非科学的な存在は全否定派みたい。

「じゃ、開けるぞ」
「うん。ゴクリ」

ガチャリとドアを開ける。すると

「いたぁぁぁ!!?」
「っ」
「うぷぷぷー」

押し入れに隠れてるかと思ったけど、ごぐごく普通にそこにいた。
畳の部屋の真ん中に置いてた段ボールを楽しそうにあさってる。あの箱の中には通帳とか印鑑とか大事な物が入ってる…

「奴じゃない?」

じゃなくて…下着とかが入ってる方じゃん!?

「ぐへへへ」

よくよく顔を見てみたら、エロオヤジみたいな顔してるし!こいつクズだ。

「なんだ。やっぱりなにもいねーじゃねぇか」
「え?いるよ、そこに!」
「どこに?」
「だからそこ!段ボールのとこ…ギャー!!」

下着を箱から取り出すなーー!!しかもよりよって、友達とノリでかったスケスケの布生地がすくないパンツー!?

「ぐへへ…ヘブシッ!?」
「…?どうしたー?」
「う、うんんなんでもー」

二ノ宮くんが隣の部屋を見に行ってる間に、コイツをとにかくボコる。ボッコボッコに殴る。殴りまくる。

「待って。待って。ギブ。ギブアップ!」
「やっぱりなにも……なにやってんだ?」
「え?な、なにも?」
「はぁ?ネズミを幽霊と間違えたのかと思ったけど…そうでもなさそうだな」
「えっ!?ここねずみがでるの!?」
「あぁ。正確にはハムスターだけど」
「??」
「隣りの部屋の飼ってるハムスターがたまに脱走するんだよ。だから部屋中探して大騒ぎだ」
「た、大変そうだね」
「あぁほんとに勘弁してほしいぜ」

でもハムスターを探し翻弄される二ノ宮くんかぁ…。ぐふふ。それはそれでおいしいかもぉ?

「そういや、そうとう慌てて飛び出したんだな。荷物もぐちゃぐちゃじゃねーか」
「へ?あ、あぁ!そうなんだっ。てへへ」

くぅ、わたしが散らかしたわけじゃないのにぃ〜〜〜。
でも二ノ宮くんには“コイツ”が見えてないんだ。コイツの存在を信じてもらうにはどうしたら。

「特になにもなさそうだし俺、帰るわ」
「えぇーーちょ、待って」
「あ?」

二ノ宮くんは帰らせちゃっいけないと思って思わず腕を掴んじゃった。すぐに放さないと。
こんな奴と二人っきりにされたら困る!ひっじょーに困る!

「チッしかたねーな」
「え?」
「こいっ」
「え?えっ?」

急に手首をつかまれて、引きずられるように部屋を出て行く。

「ヨイショッとあーいたた。ヨウシャないなあの子。っていない?
 ……。おーいボクを一人にするなー」











〜二ノ宮家 リビングルーム〜




連れて来られたのは、アパートの隣にある一軒のお宅。二ノ宮くんの今の住まいみたい。
二ノ宮くんのお家…はぁはぁ。なんとなくいい香りするかも。

「たいしたもん出せねぇけど、ほらよ」
「わぁ!?」

ロイヤルの方のミルクティーとラズベリーのお高そうなチョコケーキが目の前に出された。
お茶菓子でこんなのが出てくるなんてすごいよ!?うちの実家のお茶菓子っていったらウーロン茶に畑で育てた野菜のお漬物だったよ。

「いただきます。っ!?」
「どうだ?うまいか?」
「おいひ〜ございましゅう」
「ははっなんだそれ」

だって、だって、ほっぺが落ちそうなくらいにおいしいんだもん。
チョコはビターであんまり甘くなくて甘酸っぱいラズベリーをイイ感じに引き立てて…もうっ

「おいひー」
「それならよかった。おかわりなら沢山あるから、遠慮なく食っていいぜ」
「ほえ?」
「これ、俺の手作りなんだよ」
「!!!?」

このプロのパティシエレベルのケーキが二ノ宮くんのて、手作りーー!!?
あ、そういえば高校の時も家庭科で作る料理は全部激うまで、ボタンが外れたらマイ裁縫セットですぐ縫ってくれて、女子よりも女子力が高いって有名だったけ。
それにしても…

「すごい。すっごくおいしいよ、二ノ宮くん!」
「…やっと笑ったな」
「え?」
「お前、偶然再会してから一度も笑ってなかったぞ?」
「そ、そうだった?」
「ああ。今にも泣きそうなクチャ顔してた」
「うっうそ!?」
「ホント」

〜〜〜っ!!そんなブサイクな顔してたから、わたしだってすぐに気づいてもらえなかったんだぁ〜〜〜。
は、はずかしぃ〜〜!!

「〜〜〜〜っ」
「やっぱりよ」
「?」
「お前は馬鹿みたいに笑ってた方が可愛いよ」
「〇△□×!!?」

に、二ノ宮くんの手がわっわたしの頬に!?

「…菅本」

か、顔が近づいて…。目をつむりその時を待機する…が。

プルルルッ!!

「「!!?」」
「電話だ。でねーとっ!」
「あ…うん」

バタバタと二ノ宮くんのは部屋を出て行っちゃった。

「いい感じの雰囲気だったのに〜〜!!なんであのタイミングで電話なんてくるわけ!?空気読んでよ!」
「あ〜ウメェー。このケーキ作った奴テンサイだ」
「そう!二ノ宮くんは天才…あれ?」

今の誰の声?
声をした方を恐る恐るみてみると…

「何個でもイケるね、このケーキだったら」
「なっ」
「ん?」
「なんでいるの貴方!?」
「ぱにゃ?」

さっき完膚なきまでにボコボコにしたはずの“あの子”何故か普通に、わたしの!ケーキを美味しそうに食べている。
あの程度の殴りじゃ足りなかったっていうの?

「じゃあ、もう一度…」
「マッテ!また暴力振るうつもりなら、また力をつかうゾ!」
「ちから?」
「そ、ソウダ!ボクが力をつかえば、オマエのリア充イベを台無しにするなんてわけないんだゾ!」
「…ぉぃ待てやコラ」
「ヒッ!?」
「なんや?せやったらさっきの電話はてめえのせいやゆうか?」
「ソウデスけど…なんで関西弁?コワイヨ?」
「ちょい、つらぁかせや」
「ヒィィィ!!?」

逃げようとするヤツの首根っこを掴んで、二ノ宮君には適当に誤魔化して二〇五号室へ引きづり連れて行く。

Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.14 )
日時: 2016/10/22 11:46
名前: 雪姫 (ID: FA6b5qPu)

№006-3 5b




-貧乏神神-side






どうもおはこんばんワンコ。
この物語のアイドル的かつマスコットキャラの貧乏神デース!
ただいまボクは—

「聞いとんのか?ぉぃ」
「ふぁい…聞いてマス」

地獄の淵にいまス。
aパートではボクがちーほにお説教してたのにー。あ、ちーほっていうのはこの物語の主人公のシホリのことだヨ?
bパートではボクがお説教され中。何故かエセ関西弁で。たぶん五時間くらい…。

「で、あんたの能力って?なんや?」
「リア充イベを台無しにして。非モテにして、孤独エンド」
「ああ゛?なんやそれ!なんでうちがそんなことされなアカンねん」
「主人公ダカラ?」
「知るか!少女漫画の主人公にそんな設定ついてたまるか!」

や。少女漫画の主人公ではナイよね。これ小説だよネ?

「ボク、お姉さんに憑りつくのが仕事だシ…。
 台本どおりにやっただけナノ。だからゆる」
「許すも許さないもあるか!作者呼べ!抗議してやる!こんなの書き換えてないとっ」

作者さんは出てこないと思う。とゆうかアノヒトの身代わりでボクこんなめに合わされてるわけだシ。
それに四話で初登場したとき一言も話さないで、フェードアウトしたヨ。
速攻で逃げたヨ。あとがきではハイテンションだったのに、なんなのアノヒト。

「ダァァモォォ!!じゃあさっさと憑りつくのやめて、どこか遠くに行ってよ!
 もう二度と会わない遠くにさァ!!」
「それもムリ」
「ハァァ!?」
「ウチ、クーリングオフとかやってナイ「しばくぞ?」ヒィ!?だってだってだって〜」

コノヒト怖すぎるよー。
なんでこんな人が逆ハーのヒロインポジションなの?オカシイよ。

「ふぇぇぇ〜〜〜〜ん!!」
「………」

溢れでる涙が抑えきれなくて、爆破しちゃった。
自分でもダメだとわかってるノ。でもぉでもぉ。

「…」
「ほえ?」
「ごめん」
「ふにゃ?」
「いい過ぎだったね。こんな小さな子に。
 ほら、泣き止んで?」

お姉さんはそっとハンカチを差し出したノ。あ、これ鋼のクレハっていう深夜アニメに出てくるマスコットキャラのアホッピーだ。
かわいくナイ。シュミ悪いな…。

「あ、アリガ…ふぐっ」
「よしよーし。怖かったねぇ〜」

だ、抱きしめられた!?ギュって力強くそしてやさしく。これは…そうこれは!

「ぐへへ」

顔をうずめるとニャントモいえない感触が。

「なに…しとんじゃあああ!!」
「ぬぎゃぁぁあ!!?」

柔らかい感触を楽しんでいたラ、強烈なストレートが顔面を…。自動的に体が吹き飛びカベに激突。

「ぅうう…イタイ」
「自業自得でしょ!?油断もスキもない!貴方結局何なの!?子供のふりなんかしたりして」
「コノ会話いる?もうずぅーとやってるようなするケド」
「貧乏神なのになんでわたしにつくの!?もうすでに貧乏ですけど!?
 恋愛系の呪術に特化した貧乏神ってなに!?」

またスイッチが入ったのカナ。マシンガンが暴発だよ。

「神さま業界では、人を貧乏にするだけの貧乏神なんてもう腐るほどいるんだヨ。
 アイデンティティを出さないと生きていけないんだヨォ」
「どーゆうこと?」
「神さまは主にニンゲンの信仰心と認知度が生きるためのエネルギーなんだ。
 それがないと神としての力を失い、最終的には消滅しちゃうんダ」
「だから他の神さまとは違う個性を出したくて、恋愛系の呪術に特化?」
「うん。そう!スゴイデショ!…イタッ」
「はいはい。すごいから、神さまのお国へお帰り下さい」

お姉さんはボクの背中を強引に押して部屋から追い出そうとする。そうは問屋がおろさないってモンデイ。

「出雲には帰れないヨ!お姉さんに憑りついてるからネ!」
「やめれば?」
「それもムーリー!さっきもイッたけど、ボクは新たな力をみにつけないといけないくらいに、生命活動的においこまれてるノ!
 今お姉さんから離れたらボク、シんじゃうよ」

ふざけないで真剣にお願いすると、お姉さんはしばらく無言で考え込んだ後

「わかったわ」

って了解してくれた。ヤッター!これでハッピー、セクハラ、ライフ…じゃなかった楽しい毎日が待ってるゾー。

「じゃあさ、これからひとつ屋根の下で一緒に暮らすわけだから、よろしくの証でこれあげるよ」
「ナーニ?」
「鈴のチョーカーよ」

お姉さんがポッケからとりだしたのはヒモのついた鈴。え?もしかしてコレ…ネコがつけてる首輪じゃ?

「うれしくなかった?」
「う、ううん!ダレかからプレゼントをもらったのは初めてだったから、ビックリしただけ。
 アリガトお姉さん」

受け取ったチョーカーをつけてみるすると


『この装備は呪われています。外せません』

え?なにこのデジャブ感。