複雑・ファジー小説
- Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.19 )
- 日時: 2016/10/27 09:10
- 名前: 雪姫 (ID: rMENFEPd)
№010
ハムハムパニック 事件そのニ。
それは六月上旬のある日の朝に起こった出来事だった。
「スぅ〜〜」
その日わたしは気持ち良く眠ってて、すっごくいい夢の中だったの。
〜夢物語 強欲な罪深き姫〜
ここは人々の笑顔で咲き乱れるプリッツア王国。
ナショナルカラーが白のこの国は国全体が白で統一されおり、建物はもちろん国民たちの髪の色と服の色も白で統一している。その光景を見た隣国の他国からは別名白の国とも呼ばれている。
この国の宝といえばもちろん王の一人娘であらせられる、ヴァイス姫(主人公)その人である。
いつも国民の事を思い、姫自ら率先して国民たちと触れ合う。
畑仕事をみんなで行ったり、子供たちと釣りを楽しんだりと、いつも泥だらけな、他の姫様とは大きく変わったお姫様。皆そんなお姫様が大好きだ。
ずっとずっとこの平和が続けばいいのにと誰もが思っていた。
…のだが、平和だったこの国に隣国 緑の国と呼ばれる エターニア帝国戦争を仕掛けて来たのだ。
ながらく争い事がなく平和ボケしていた国には対抗する手段がなくあっという間に追い込まれ、このままでは国民たちが皆が危険だと判断した王は緑の国の王と休戦協定を結ぶことにしたのだった。
緑の国から出された休戦協定を結ぶための条件は、白の国の姫を人柱というなの花嫁とし、緑の国へ送り王子 ヴェルデ(遊馬)と姫を結婚させるというものだった。
-緑の国へ護送される前日夜-
ヴァイス「……」
姫は独り自分の部屋で静かに窓から空に浮かぶ満月を見上げている。その表情は、複雑な思いが詰まった顔だ。
ヴァイス「明日はついに緑の国へ…。ヴェルデ王子と…」
そっと悲しげに月から視線をはなしベットの方へ、そして……
ヴァイス「キャー!!ヴェルデ王子チョーイケメンなんですけどー!?
わたくしの好みなのですけど!?」
おもむろにベットに飛び込み、枕に顔をうずめこんで足をバタバタ。
誰も知らないが、実はヴァイス姫はかなりの面食いでたくましい性格をしている。
ブラウ「ヴァイス!!」
ヴァイス「ブラウ?どうしてここに!?」
楽しんでいると窓から一人の青年が現れた。
彼はヴァイス姫の幼馴染、ブラウ(雄輔)。またの名を青狼のブラウともいう。
白の国の者たちの髪のは皆白色で生まれてくるのだが、突然変異で生まれた青色の髪のブラウは皆から忌み嫌われ、親からも見放され孤児となった。
誰からも相手にされず厄介者の一匹狼として生きていたのだが、幼い頃に出会ったヴァイス姫がなんの偏見もなく普通に友達として接してくれて、それを見た者たちも考えを改め皆ブラウを国の仲間として認めたのだ。
その事にとても感謝し、それ以来ヴァイス姫のために生きることを誓い、今ここに現れたのだった。
ブラウ「ヴァイス、俺と逃げよう!」
ヴァイス「逃げるって」
ブラウ「俺と逃げるんだ!このままここに居たら、明日には緑の国へ連れていかれるんだぞ!!
それでいいのかよっ!お前は!」
ヴァイス姫のことを誰よりも強く思うブラウは彼女の手を取り必死に説得する、…のだがヴァイス姫は目を閉じ、そっと優しくブラウの手をどける。
ブラウ「っなんで!?」
ヴァイス「わたくしはね、ブラウ。自分のことよりもこの国の平和の方がいいの」
ブラウ「はぁ!?バッカじゃねーの!?お前なんかを犠牲にした平和なんてなんの意味があるんだよ!
誰が喜ぶんだ、そんな仮初の平和なんかで!!」
怒るブラウにヴァイス姫は優しい笑顔で
「この国の平和が欲しいの」
「っ」
「みんなわたくしの事を女神だ、とか国の宝だ、とか言ってくれるけどね。
本当は貪欲で強欲な罪深きお姫様なのよ?」
「そんなのっ」
そっと手のひらを涙がつたうブラウ頬にそえて
「ありがう。わたくしの事を思ってくれて。さようなら
“大好きな親友 ブラウ”
わさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさ
〜現実〜
「ぎぁぁぁぁぁァ!!」
すごく良い話風の夢見てたはずなのに、体中をナニカが這いずり回る気持ち悪い感触を感じて飛び起きちゃったよ!!?
ナニあれ!?キモイんだけど。あー、キモすぎて夢の内容忘れちゃったよ。なんとなくすっごく良い話だったような気するのに〜。
時計を見てみると
「うぅ、まだ八時じゃ〜ん。もう変な時間に目さめちゃったよ。
目がさえて眠れないし…どーしようかな?」
もぞもぞ
「っ!?」
なにもないはずのわたしの隣が変に膨らんでて、もぞもぞ動いてるーー!
え?もしかして…さっきのキモイ感触の正体?変質者?
「うわーどうしよ。変質者なんて一匹(びんちゃん)だけで十分だよ…。
でも一応、確かめといたほうがいいよね」
すぅーはぁーと大きく深呼吸した後
「たいやぁ!!」
勢いよく布団を引きはがす。すると
「んぅ〜もう食べられニャイヨ〜」
「ってびんっちゃん!?なんでここで寝てるの」
「そんなワカメ酒やクリご飯やアワビの踊り食いだなんて〜」
わー全然よくわかんないけどすっごい幸せそうな顔。
食べ物の名前が出てきてるって事は、高級料理店とかで美味しい物でも食べる夢でも見てるのかな?
- Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.20 )
- 日時: 2016/10/28 08:16
- 名前: 雪姫 (ID: BO2eV5at)
№010-2
つんつん。
「んん〜」
ふふっ可愛い。普段は口を開けば下ネタばかりのエロオヤジだけど、寝てる姿は子供らしく可愛いなぁ。
わさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさわさ
「きゃあ!?また!?」
「んぅーナーニー?」
なに?じゃない!ナニカが体を這いずり回ってるのーー!!
「ナニカー?んー……コレ?」
そおいうとびんちゃんはわたしのパジャマ中に腕を突っ込み、一匹の黒い塊を取り出して見せて来た。
「ギャァァァァァぁ!!?ゴ……ゴゴゴゴゴ」
「ットファーザー?三のラスボスの?」
なんのゲームの話!?妖怪の話じゃなくて、昆虫…ん?
「ちゅい?」
「は…ハムスター?」
びんちゃんの持つ黒い塊をよーく見てみるとそれはGではなく、ほこりまみれで黒く汚れたハムちゃんだったの。よかったぁ。Gじゃなくて〜。
「ヨシヨーシ。コイツ、ユーマのとこのダヨネ?」
「え?ぷーちゃん?もしかしてまた脱走してきたの」
「ダッソウハンだー。アハハッ」
「キュイキュイ」
また遊馬さまのぷーちゃんがわたしの部屋に…。ぐふふ。これでまた遊馬さまの部屋へ行く口実が出来たわ。
こうしてハムハムパニック 事件そのニは幕を閉じたのであった。
チャラリーチャランランラー。
「エ?そのイチはヤラナイノ?」
「いる?」
「ユーマとの出会いシーンはカットするノ?」
「あっ!そうか、忘れてた!」
「………」
『遊馬と初対面 回想入りマース』
【春——
それは麗らかな命芽吹く季節
だが その春の魔法は闇に潜む異形の眠りをもさましてしまうのであった】
あの日はここへ引っ越して来てから数日たった日に偶然起きた出来事だったの。
奇跡的で運命的な超パッピーなそんな事件だったわ。
ハムハムパニック 事件その一。
-主人公部屋-
「「………」」
物語初めの一言が無言ってのはどうなんだろ。でもしょうがないよね、この状況ならさ。
え?どんな状況?ってそれは…
「キタときはダンボールいっことかキャリーバッグいっこみたいな感じだったのに、ダンボールハウスになってるナウ」
「こらツイイッターにつぶやかないの。でも確かにこれはないよね……」
実はそのとおり、びんちゃんの言う通りなんだよね。
こっちに来たときはほぼ身一つで来たのに、通販で手軽に組み立てるだけシリーズの家具買い過ぎたせいで、ダンボールの山に囲まれた迷路状態に…。
「ニノに手伝ってモラエバ?」
「それは駄目!!こんな部屋、二ノ宮くんの見せたら失望されちゃう!!」
「……どーするのコレ」
「ぅ」
びんちゃんの視線が痛い。
片付けないといけないのはわかってるのだけど……ここまでたまりにたまった物を見ると
「やる気なくすよねー」
カサカサ
「っ!?」
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサッ
いる。この気配、この音、奴がこの部屋に!
「ちーほ?」
「フフ、這い寄る混沌め、お前は存在することが罪。
ましてやわたしの部屋への侵入なんて即処刑すべき大罪。
だけど貴様程度の虫ケラ……わたしが直接手を下すまでもない。
さぁやれびんちゃん!ゴ●ジェットでシューしてやんなさい!」
「ただのゴキブリじゃん、自分でヤレバ?」
「やだ!!わたしは虫とか気持ち悪いモノは無理だけど、同じ気持ち悪いモノどうし出来るはずでしょ?
さぁ、虫ケラにシューってしてやれ!」
「ムシケラめ!!」
「うきゃぁぁぁ!?」
※ゴ●ジェットを人に向けて撃ってはいけません。
「なんでわたしに向けるのよ!!」
「プイッ」
あぁそっぽ向いちゃったよぉ。
カサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサッ
「ヒィッ!?わかった、わかった!今日の晩御飯はびんちゃんの好きなカップ麺にするからーおねがいー」
「んーそこまでイワれたらしょうがないじゃないか」
「え●りくん?」
ま、まぁそれは置いといてだね。びんちゃんは奴根城へ向かった。
さらばびんちゃん
貴方の魂はわたしの心の中で永遠に生き続けるであろう——
ありがとう そしてさようなら びんちゃん
【完】
黒田「いや勝手終わらすなー!たかが虫一匹でー!」
∽あとがき∽
登場 主人公
黒田
ゲスト
主「じゃ最後のあとがき回するよー」
黒「まさかのあとがきもジャック!?どんだけこの話掘り下げたくないの」
主「いやぁ〜このお話っていうよりもこの物語自体を…かな」
黒「ひで!?悪魔!サディスト!ドメスティックバイオレンス!!
物語が終わっちゃったらみんな死んじゃうんだよ?いいの」
主「みんなはわたしの心の中で生き続けるます」
黒「腐ってんな……」
主「それに誰からも応援メッセージないじゃない」
黒「うっ痛いところを…。いいもん!読者ゼロ人説でも、気にしないもん!うえーん」
主「オッサンの涙なんて誰も喜ばないよ」
黒「おっさんじゃねーよ!!乙女だよ!」
主「真の乙女は自分の事を乙女とは言わぬ!」
黒「乙女ゲーを題材にした小説の主人公がなにをぬかすか!
いいんですか?このままだとアナタ一生恋愛できませんよ?
私(ワタクシ)に逆らっていいんですかー?ウリウリ」
主「権力を振りかざすしか能のない大人って…怖い怖い」
黒「………」
ゲストオチ
パ「パンさんですゾ?」
- Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.21 )
- 日時: 2016/10/28 12:24
- 名前: 雪姫 (ID: BO2eV5at)
№010-3
「こ、コイツはーー!!ギャー!!」
「び、びんちゃーーーん!!」
Gを倒しに奴らの根城へ一人勇敢に向かったびんちゃん。
だけどその先から大きな悲鳴が!さらばびんちゃん、貴方のことは忘れない——
「もうそのネタはいいヨ」
呆れ顔で勇者びんは故郷へ帰って来たのだった。
「(厨二病ってヤツだ)ち〜ほ、ゴ」
「その名を口にするでない!真名を狩られるぞ」
「……。ホイッ」
「きゃあーー!!?バカアホクソマジメ!!」
「(なんで最後ホメタ?)」
もぞもぞと動く黒い物体がわたしの服にー!?服にー張り付いてるー!?
よじよじとゆっくり登って来てるよー!?キモイ!キモイイモイ!!
「やー!?」
「オチツイテ。よく見てヨ」
そうだね…そろそろ落ち着こう。疲れてきたし…。
すぅーはぁー…目を閉じて大きくゆっくり深呼吸をする。目を開いて今、黒い塊とご対面!って…あれこれ
「Gじゃない?は、ハムスター?」
胸の辺りまでよじ登って来ていた黒い物体の正体は、あの黄色い師匠も映画でお世話になった、ハムちゃんずのリーダー的存在で絶対的主人公の“アノ”ハムスターにそっくりなハムちゃんだった。
ほこりまみれで真っ黒になっちやってるけど…。
「ゴシゴシー、キレイキレイー」
びんちゃんはハムちゃんに付いたほこりを取って綺麗にしてあげてる。
ほこりがなくなるとそのハムちゃんはやっぱり
「ハム●ロウ。イイコだねー」
「ちゅい」
…うん。言っちゃったね、はっきりと。わたしも世代だったから、そうにしか見えないけど…でも
「デカくない?」
「………ソンナコトナイヨ」
いやデカイよ。アニメで見てた“あの子”よりも一回りも二回りもデカイよ!
ちょっと…いやかなり…おデブだよ…この子。
「ちゅい?」
可愛いからいいんだけどね!ぜんぜんっ。
「それでこの子、どこから来たんだろ?野良…じゃないよね?さすがに」
「前ニノが隣の部屋からハムハムが脱走するってイッてなかった?」
「ああ!」
そういえば六話bパートの中編で二ノ宮くんが幽霊探しにわたしと一緒に部屋を探してくれた時言ってたね。そんなこと。
「よし。そうと決まれば、お隣さんへの挨拶もかねて、返しに行こう!」
「マダあいさつしてナカッタんだ…数日タッタって設定ナノニ」
………。無視しよう。
-二〇四号室 玄関前-
お隣さんへとうちゃ〜く。えーと…表札には
「…え?嘘」
「?」
「そんな…まさか」
「?」
「こんなことって…「モウイイヨ」……」
もう少し文字数を稼ごうかと思ったのだけど、びんちゃんが遮るので仕方なく話を進めませう。
「こんな寂れたボロアパートに六見遊馬(ろくみあすま)さまのお宅があるなんて!!」
「ダレ?ソレ?」
「知らないの!?」
六見遊馬さまと言えば、世界的に超有名な漫画家さんだよ!
代表作“鋼のクレハ”はアニメ化もされて、海外進出も果たしてて、グッツもバカ売れ状態で、ここ十年くらいずっとブームを維持しているご長寿漫画&アニメなんだよ!
主人公の声優をしてる人も超イケメンでー、声もクレハにあってて、クレハに別の命をふき込んでくれたって感じでー、そもそも物語がすっごくよくてー
「アー……チャイム鳴らそー」
『ピンポーン』
「鳴らした!?ならしちゃった!?」
「ウン」
どーしよ!?六見遊馬さまがきちゃう!?心の準備がーー!!?
ガチャリと鍵の開く音がして中から「はぁ〜い誰ですかぁ?」眠たそうな男の人の声が聞こえて、ドアが開けられた。
「!!?」
「ん〜?キミは…?」
あ、ああああ遊馬さま!!本物の六見遊馬様だ!!嬉しいすぎて涙でそう…。
「どうしたのかな?子猫ちゃん」
「っ!?あの…」
き、緊張しちゃって頭の中が真っ白だよ。何を話したらいいのか、わかんないー!?
「ちゅい」
「わっハムちゃん!」
「おっ。ぷー。おかえり」
わたしの手の中にいたハムちゃんが遊馬さまに向かってピョ〜ンって飛び出した。遊馬さまはそれを上手にキャッチ。ナイス!
「ぷーを返しに来てくれたんだね?ありがとう、子猫ちゃん。
お礼は…なにがいいかな?」
遊馬さまはわたしの顎に手を添えるとくいっと持ち上げて、顔を近づけてくださる。
そ、そそそそんなこされたらわたしっ!?
「あ、あぁぁ…」
「なにやってんだ……お前ら」
「あれっ、スケさん。早いね」
「早くないですよ。もう昼です。真っ当な人ならとっくに起きて働いてる時間ですよ、六見さん」
「そう?漫画家は夜型だから」
「嘘つけ。不健康なだけだろ」
こ、この状況…キツイ。
遊馬さまに顎を持ち上げられ、近くにお顔があってドミマギしてるしてるところに二ノ宮くんの登場。
二人はなにもないように普通に話してるけど、わたしはそれどこじゃ…キツイ!はずい!
「……いつまでやってるつもりだ」
「キミが帰るまで?」
「「………」」
二人の間に重たい沈黙が入る。
「昼飯食べないんですか?」
「ふふっなるど、そうきましたかっ。しょうがない、今回はあきらめるかな」
そうゆうと遊馬さまは手を放した。
解放されたわたしは色々な力が一気に抜けて、その場に尻餅ついちゃう。
「はうぅぅ〜」
「っ!?大丈夫か、菅本!?」
「大丈夫かい?子猫ちゃん、立てる?」
「あ、はい。大丈夫です。ありがとうございます」
差し出された遊馬さまの手を握り引っ張られて立ち上がる。
もうこっちの手使えないかも…。一生洗わない〜ぐふふ。
「ねぇスケさん、この子は?」
「新しくここに住むことなった菅本…じゃなくて、八重桜だ」
「八重桜…なにちゃん?」
「しほりです!」
「しほりちゃんかー。じゃあリホちゃんだね」
「へ?」
なにかですか?あだ名的な?ニックネーム的な?そういえば、二ノ宮くんのこともスケさんって変な呼び方してるし……そうゆうことなの?
「いやだった?」
「そんなことないです!よろしくお願いします、六見さ「遊馬」え?」
「遊馬でいいよ、リホちゃん。あとそんなに堅苦しくなくてもさ」
「じゃ、じゃあ……。遊馬…さん」
「まぁ最初はそんなところかっ。これからゆっくり仲良くなっていこうね」
そお言うと遊馬さまはわたしの両手を取って、ウインク。
「ブーーーー!!?」
「ちーーーーほーーー!!?」
「「菅本!あれリホちゃん?」」
ドキドキがMaxに達したわたしは、盛大に鼻血は噴き出してしまいました…。
あぁ…でもこれはこえで
「シアワセ〜」
がクッ。
血を流し過ぎて貧血を起こしたわたしはどうやらそのまま意識を失ってしまったみたい。
次に気づいたときは病院のベットの上で、輸血されてた。二人が心配して病院まで運んできてくれたんだって後からびんちゃんから聞いた。
あとで二人に謝っとかないと…。でも二人の男の人に挟まれた人生…
「わたしのモテ期はまだまだ始まったばかりーー!」
「ハイハイ。大人しく寝てヨーネー」
だけど今は病院のベットの上で大人しく輸血されるしかないであった—
ハムハムパニック 事件その一 終
『回想終わりマース。 ハムハムパニック 事件そのニへ戻りマース』
- Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.22 )
- 日時: 2016/10/29 11:33
- 名前: 雪姫 (ID: jmXt2.HO)
№010-4
「はー、そんなこともあったね〜」
あったいお茶を飲みながらの〜びりとする時間。最高だよね〜。
時間というしがらみから解放されて、わたしは自由という翼を手に入れて大空に旅立つのね〜。
「はふ〜」
「……」
「ん〜?どーしたの、びんちゃん」
「マッタリしてるけど、何回もこのお話ごとオワらせようとしてたヨネ? ミナゴロシにしようとしてたヨネ?してたヨネ!?」
頬をふぐみたいにぷくーと膨らませてびんちゃんはすっごく怒ってるみたい。ちょっと悪ノリがすぎた、かな…。
「ごめんね、びんちゃん。ふざけすぎたよ。ちょっとダークなわたしになってたよ…ほんとっごめんっ」
「………」
びんちゃんから返事はなく、そっと抱き付きわたしの体に顔をうずめた。
優しく頭を撫でてあげると、締め付ける力が強くなった。
ごめんね、びんちゃん。寂しい思いさせてしまって、怖い思いさせてしまって……。
「ぴんぽーん。リホちゃんいるかーい?」
「この声はっ、遊馬様!?」
「うげっ」
「はーい!今出まーす」
抱き付いていたびんちゃんを投げ飛ばし、急いで玄関へと向かう。
ガチャとドアを開けると、今日もまたお美しい遊馬さまが!!遊馬さまがわたしの家の玄関の前に〜〜!!
つんつん。
「あ?」
振り返るとびんちゃんが何か言いたげにわたしの服の袖を引っ張ってる。
つんつん。
何?今目の前に遊馬さまがいるから、あまりおかしなことして変な子とか思われたくないのだけど…。
「ちーほ、今ジャージ」
「げ!?」
そうだ、そうだった!わたし今部屋着(高校の時のジャージ)だ!やばいっ、部屋着がジャージってダサすぎじゃない!!
こーゆうときふつうは、かっわいいフリルでピンクとかアニマルの部屋着とか来てないといけないのに〜〜!!
わたしのバカ!女子力なさすぎ!あ〜も〜、どーしよー。
「? どうしたの、リホちゃん。あたまかかえてたりして…あたま痛い?」
「へ!?」
全然気にしてない!?とゆうか気づいてない!?よかった…の?女の子的に喜んでいいの?コレハ。
「ちょっとごめんね」
「はい?」
◇▽〇×◇▽□!!!?
遊馬さまがわたしのおでこを触り、前髪を上げた思ったら遊馬さまの顔がち、近づいてきて…。
えっ嘘、そんないきなりっ!?外国では挨拶代わりにするってテレビでやってましたけども!!でもっここ日本ですよ!遊馬さま!?
……ぐっと目を閉じる。…のだけど
「…あれ?」
「んー、熱はないみたいだね」
ソッチではなく、互いのおでこを合わせて熱を測る方だった。
…あっははは、ソッチ…ね。漫画とかでよくある勘違いパターンの…はは。
「キスしてほしかった?」
「!!?」
まだおでこを合わせたままでお互いの顔が近い状態なのに、そんなこと言わないでくださいーー!!
「真っ赤になっちゃって、可愛い子猫だね」
そっと頬に遊馬さまの手が添えられる。あ、頭の中真っ白でボーとしてきて、もうっ、どうしたらいいのかっ、あわわっ。
「こわい?」
ぶるぶると頭を振る。
「じゃあだいじょうぶ。はじめては痛いかもしれないけど、優しくするからさ」
初めて痛いって!!?ナニをする気デスカ!?も、もももしかして、わたしっ大人の階段上っちゃうの!?
「よ、よろし…「ちーほをイジメルナーー!!色欲大魔王メェェェェ!!」びんちゃん!?」
涙ながらに覚悟を決めようとしたその時、突然わたしの後ろで大人しくしてたはずのびんちゃんが暴れ出し、遊馬さまをドンッ!と突き飛ばしてついでにぷーちゃんも遊馬さまに向かって飛び出して、それを見計らったかのようにドアを勢い良く閉めて、素早く鍵をした。
それは一瞬の出来事のように思えた——
- Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.23 )
- 日時: 2016/10/29 15:45
- 名前: 雪姫 (ID: 7ZQQ1CTj)
№010-5
「って遊馬さまになに、してるのよ!!
遊馬さまが怪我でもしたら、どー責任取ってくれるのよ!バカ!」
数秒後。
なにが目の前で起こったのか理解し、びんちゃんを叱りつける。
怒ってるのは私の方なのに、びんちゃんもなぜか激おこらしくって…
「ボクは猛獣からちーほをタスケただけダ!」
「それはっ!そうかも…いやっ遊馬さまが獣なわけないでしょ!?」
きっとさっきのは、わたしをからかってただけなんだよ…きっと。
だって遊馬さまがみたいな神的存在の方がわたしなんかを相手にして下さるわけ…
「ないもん」
「(…ちーほ)キミって思い込み激しすぎるよね」
「はぁ!?」
急に何?人がちょっとしんみりしてるときに!
鼻でフンッと笑い、偉そうな感じで腰に手を置きもう片方の手で前髪をスッとしてって、貴方はスネ●か!
「自分なんかっ自分なんかって思ってるけどさ、、ついさっきまでは食われる覚悟まで決めてなかった?
さっきまでは遊馬が本気で自分の相手をしてるって思ってたんだよね?
それなのにぼくが邪魔した途端、自分なんかっ、だなんて…自分勝手にもほどほどにしてよね」
すらすらとわたしに対しての文句を喋り出すびんちゃん。
そんなにわたしへの不満溜まってたんだ…、反省とか、は!?なにそれわたしのどこが自分勝手だって言うの?ってな感じの怒りとか、そうゆうのを差し終えて今わたしのなかにある思いは…
「貴方、標準語喋れたの!?」
「え?・・・ぁ」
一瞬時が止まる。
「ナンノコトデスカ?ボクワッカリマセーン!」
「…今更カタコトで話しても遅いよ」
びんちゃんは青ざめた表情をした後、うつむきしばらく無言で立ったまま……数分時が過ぎ…
「って長すぎじゃない?びんちゃん?おーい」
もしかして言ったらいけない一言だったのかな?NGワードって奴だったのかも。
どーしよ、びんちゃんとこのまま仲直り出来ずにさよならになっちゃたら……。
わたしそんなの嫌だよ!こんなの気持ち悪いし、キモイのはびんちゃんだけで十分だよ。
「びんちゃん、びんちゃんってば!」
びんちゃんの肩を掴んで大きく体を揺らしてみる。だけどなんの反応もない。
ぴくりとも動かない。まるで人形のように…。まさか…しっ!?
「zzzzzzz」
「は?」
なにか音…とゆうより声?が聞こえる。z(ずぅー)と言う音?声?が、何処から?
「zzz zzz むにゃ」
「って寝てるだけぇぇ!!?」
声の正体はびんちゃんの寝息だった。
なーんだ、心配してそんしたぁ。もうっ、なんてゆうタイミングで寝てるのよ!
寝るにしてもここじゃなくて、ちゃんとベットの上で寝なさいよ。まったくこの子は…。
仕方ないのでびんちゃんをお姫様だっこしてあげてベットへ運んであげる。
「なんでわたしがっこんなことっ」
わたしはする方じゃなくて、される方なんですからねぇーだ!…びんちゃんが大きくなって、いつかこの日のお礼にお姫様だっこしてもらおうかしら?
なぁーんてね!
つづく…☆