複雑・ファジー小説
- Re: 上京したら変態に憑かれました*住人募集中* ( No.24 )
- 日時: 2016/10/29 16:04
- 名前: 雪姫 (ID: 7ZQQ1CTj)
№10 オマケ (ネタバレ注意)
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-六見 遊馬-side
「いたた…」
「プー!プー!」
「ん、あぁ。大丈夫だよ、どこもケガしていないし」
「ちゅーい」
それにしても…まさかここまで吹き飛ばされるとはね。驚いた。
髪や服に付いた葉を払いながら立ち上がる。
上を見上げると、おれが当たった衝撃で柿の木の葉がひらひらと舞い落ちてきている。
どうやら、派手にぶつかりすぎたみたいだ。木にも大きなくぼみができている。
「いっそこのままに。…はできないか、さすがに」
この木は一応この土地の土地神の寝床。汚したままでは、土地神が拗ねて破壊神に転生するかもしれないし
「…治しておきますかっ」
柿の木に出来た大きなくぼみに手をかざす、そして頭の中で念じる。龍脈の流れを感じ、それを木へと流れよと。
音もなく静かに柿の木が白く淡い光に包まれる。そして弾け飛ぶように光が飛び散ると木は元の姿へと戻った。
「ふぅ。久々に力を使ったら疲れちゃったな」
「それは自業自得なのでは?」
隣にはメガネでミニスカスーツのお姉さんが。
「マコちゃんはいつも厳しいな〜」
「当然です。貴方がずぼらすぎるのですから」
「ハイハイッ」
「はい、は一回ですよ」
「はーい」
「伸ばさない」
「…はい」
見てのとおりマコちゃんはすっごく厳しい。まったくおれから生まれた存在とは思えないよ。
思えない、と言えばあの子もかっ。傍で守ってあげられないおれの代わりに彼女の守護を頼むつもりで生み出したのに…
「…まさかちょっとふざけただけで、ここまで吹き飛ばされるとはね。驚いた」
「若輩者といえどさすがですね。主の力を受け継いでいる」
「それはどうかな?」
「…?どうゆうことでしょう?」
あの子の力の秘めた力はおれのを遥かに超えている。
おれの持っていたものを持ち逃げしたのか、それとも果たして—
ま、どちらでもいいんだけどね。おれにはもう
“関係のないことだから—”
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