複雑・ファジー小説
- Re: 目覚めた場所は異世界でした。 ( No.8 )
- 日時: 2016/10/30 10:50
- 名前: 蒼衣 (ID: mDiTOv13)
・少女との出会い
物音のする方へ行ってみると耳と尻尾が生えた少女が座り込んでいた。
一体この子は?
《A.獣人族のようです。》
獣人族?
《A.人間と獣族とのハーフのような種族です。》
ふーん。そうなのか。そういえばまだ種族について詳しい説明を聞いてなかったな。
あとでもう一回ゆっくり聞こう。
今はとりあえず俺の前でビクビク怯えているこの少女を何とかしなければ。
「君の名前は?」
「リ…リッカ…。」
「そうか君はリッカっていうんだね。」
「俺の名前は…」
…そういえば名前決めてなかったな。今は女だから前の名前を使うわけにもいかないし。ま、ここは適当に。
「…俺の名前は、エルナ。エルナ・トランジットだ。」
「…エルナ?」
「ああ。ところで君はどうしてこんなところにいるんだい?」
「えっと、私の暮らしてる村の近くで遊んでたの。そしたら、きのみがあって…取りに行こうとしたら、そこが野生のゴブリン達の縄張りだったらしくて…。」
「それで逃げてきたの?」
「うん…。」
ふむ。この近くに村があるのか。リッカを連れていければいいんだが…。
リッカは相当くたびれている。これでは連れて行けそうにないし、村がすぐ近くにあるわけではないのだろう。
「じゃあ、俺がリッカを村まで送ってってやる。」
「ほんと!?」
「でも明日な?その様子だとリッカも疲れてるだろうし、村はすぐ近くにあるわけじゃないんだろ?もうあと少しで夕方だ。夜の森は危険だろうし、迂闊に行動できないからな。」
「うん、わかった…。」
「よし。そしたらちょっと寝てろ。大丈夫。心配するな、近くにいるから。」
「うん…。」
少しすると、リッカは眠りについた。
さてと、この間に賢者さんに種族について聞いておこう。
ってなわけで、賢者さーん、お願いしまーす。
《A.この世界には大きく分けて3つの存在があります。人間、モンスター、魔族です。》
へえ。魔族なんてのもいるのか。ツノとか生えてたりするのかな?
《A.いいえ。この世界の魔族とは魔王に仕えるもののことで、様々な種族がいます。なので、ツノが生えているとは限りません。》
魔王に仕えてれば魔族なのか…。魔族って多いのか?
《A.はい。数はしっかりと把握できてはいませんが、5人の魔王それぞれに配下がついているため相当な数の魔族が存在していると思われます。》
5人!?今5人って言った!?そんなに魔王いてどうすんだよ。
この世界では魔王ってどんな存在なんだ?
《A.基本的には自然やダンジョンなどを支配、管理しています。一部の魔王は国などにも干渉しているようです。》
そんな役割なのか、魔王。国をまとめる長が国王、自然やダンジョンを管理するのが魔王ってことか。…だいぶ俺のイメージとは違うな、魔王。
あ、そうだ。モンスターについても聞いておこう。教えて!賢者さん!(もうこれでなんかコーナー作れるんじゃないか?)
《A.モンスターはモンスターでも様々な種類や種族が存在しています。例をあげると、リッカも含まれる獣族や、妖精族、悪魔族などが挙げられます。ですが、同じ種族でも知能を持ったもの、持たないもの、野生で暮らしていたり、村を形成していたり…暮らし方は非常に様々です。分類される種族としては獣族が圧倒的に多いですが、その中でもまた種類の違いが生まれるため、一番複雑な種族でもあります。他の種族の特徴を併せ持つ、亜種も存在します。リッカが含まれる獣人族もその1つです。》
うん。なんとなくわかった。いっぱいあるんだね、種類が。
まあ、そこらへんは暮らしながらぼちぼち覚えていけばいいか。
…そろそろリッカも起きるかな?リッカが起きたら、一緒にきのみ集めにでも行きますか。