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複雑・ファジー小説
- Re: 【キャラ募】世界宗教大戦争〜救世主に奪われた者々 ( No.5 )
- 日時: 2016/12/07 18:17
- 名前: 玄蠢 (ID: 2QWuZ1bi)
プロローグ/prologue
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走る。
走る。
走る。
一歩一歩、前へ前進する度に勢いよく吐き出される息。
はぁはぁはぁ....。
荒い呼吸を整える間もない。
生い茂る木に移る赤く熱い炎。
少しぬかるんだ土に出来た小さな水溜まり。
空は藍色に染まりきって、月は出ていない。
僕は走りながら後ろを振り返る。
大きな木の板に挟まった細い老人。
大きな炎に包まれて叫びを上げる幼子。
___そして何より僕の目に、記憶に、脳に焼き付かせるのは__。
「.......................はっ!!...はぁっ、はぁ..又か、又だ、あの夢..」
懐かしい人を目に入れた瞬間に暗転した視界。
薄いカーテンを越えて射し込む陽の明かり。暖かみがあって、何だか落ち着く。
いつも見る夢。
だけど覚えているのは、激しく燃え上がる炎だけ。
「...はぁ..」
繰り返し何度も見る夢に対してなのか自分に対してなのか、はたまた両方か...。
大きくわざとらしくため息を吐いた。
本当、馬鹿馬鹿しいのだ。とうの昔の出来事だ、まだ恨みを持っているというのか。
自分に言い聞かせる様に、右手で作った拳で強く胸を叩く。
.........さて、服を着るか..?
あれ、ん?服がない?
...ああ、ベッドから降りていないだけだった。
ギシギシと軋むベッドから、軽くジャンプして飛び降りる。
「おい!!勇者・カズキ!!!!まだか!?」
「え!?ご、ごめん..!!」
外から飛び込んできた、誰かの怒号。
..せめてパンだけでも食べさせてくれよ..。
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