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複雑・ファジー小説
- Re: 星ノ魔法使イ ( No.6 )
- 日時: 2016/12/14 22:23
- 名前: 綾原 ぬえ (ID: V.0hQJQJ)
(6)
楓の周りには、4人が座っている。ぞくぞくとほかのクラスメイト達も教室に入ってくるが、やはり人数は少ない。
「今年のSクラスは25人と聞きましたが……」
「毎年よりは、少ねーな」
「誰かさんのせいよ」
知広が、湊の言葉に頬杖をつきながら答えた
「誰かさんって、誰のことかしら?」
「アンタ以外にいるとでも、楓?」
ガタリと音を立てて椅子から立ち上がる楓。知広も立ち上がり、肩をゆっくりと回す。今にも一戦始まるのではないかという二人の気迫に、押され気味の湊達。
「まあ、落ち着け」
たしなめようと、日向が声をかけるが全く耳に届いていないようだった。そこへ、
「お前らそろそろ席に着けー」
担任、逸樹の声が教室に広がった。
「とりあえず、いったん休戦ってことで」
「あとで、覚えてなさい」
不敵な笑みを浮かべる二人。
二人が席に座るのを見ると、逸樹が話し始めた。
「じきに始業式が始まる。本来なら担任である俺がお前らを連れて行かなきゃならんが、そこはSクラス生だ。言わなくても分かるだろうが、各自講堂へ向かってくれ」
夢華がぼそりと、
「要するに、めんどいから自分たちで行けってことですね」
「柚木ー、聞こえてるからなー。まあ、結局言うとおりだけどな」
逸樹は、自身の足元に魔法陣を展開させる。
「俺は、後で行くから。じゃあな」
その言葉を残すと、魔法陣と共に消えてしまった。
「すっごい自由な先生」
「本当、もっと自覚を持つべきよ」
愚痴をこぼしながらも、足を行動へ向けるのだった。
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